2014年を振り返る
2014/12/31 00:01:00 |
自分のこと |
コメント:16件
2014年最後の日です。
1月1日から12月31日まで毎日1記事以上ブログを書き続け、
2014年は全部で391の記事を書き上げる事ができました。
思い返せば、自分で言うのもなんですが、よく頑張ってきたものです。
自分でもびっくりするほどいろいろな事柄を糖質制限の視点で考え続けました。
そのおかげで、2013年末の時点ではわからなかった事が、随分わかるようになってきました。
今日は一年の最後に自分がこのブログで歩んできた足跡を振り返ってみようと思います。
「アサーティブに行こう」という事を心のテーマにおき、
進み始めた2014年は、1月11日-12日に大阪で開かれた日本病態栄養学会において、
千葉県の産婦人科医、宗田先生の発表に衝撃を受けるところから始まりました。
胎児や新生児の時点ですべての子は高ケトン状態であり、高ケトン血症が危険ではない事を示した画期的な発表でした。
これにより小児に対する糖質制限を勧める際にも、安全性における大きな根拠を得たという事になりますし、
そもそもケトン体とは、脂質とは何のか、改めて考えさせられるきっかけになりました。
その後ビオチン療法を学んだり、酸化ストレスについて学んだり、
あるいは修正アトキンス食にまつわる10年をまとめた論文を読み、ケトン食の素晴らしい効果について確認しました。
自分の専門外の分野を糖質制限理論を踏まえて理解しなおす試みも幾度か行いました。
中でもアセトン血性嘔吐症や、婦人科系疾患についてはその関連性もよくわかってきて、考えれば考える程隙のない理論だと思いました。
一番良かったのは、私の住む地域に糖質制限の集まりができたことでした。
山陰糖質オフの会は不定期で今でも執り行われており、その中で仲間や理解者も増えました。
そして何より去年果たせなかった「糖質制限を認めてくれる医師をたった一人でもいいから増やすこと」に関して、
私の知る先生で二人ほど糖質制限推進派(理解派)になって下さった先生がいらっしゃいました。
また、その二人以外の先生であっても私の周りの同僚の先生達や看護師さんらコメディカルスタッフの私に対する視線も、随分受容的になり良い方へ空気が変わってきている事を肌で感じています。
一方、出会いがあれば、別れもあるもので、
長く交流していた友人と別れなければいけないという出来事もありました。
その中には糖質制限のよき理解者もいました。のっぴきならない事情にてその人とはもう会えなくなってしまいましたが、
お互いの意志を尊重し合い、そして高めていくという事を私は心に決めました。
時には挫折しそうになった時もありました。
5月には心が折れそうになり、いよいよブログは続けられそうにないかと思われましたが、
何とか踏みとどまり、自分の中に妥協できない熱い想いがある事を再確認しました。
またこのブログはもはやただの趣味という範疇を超え、読者の役に立っているという事、そして自分自身の将来のためにもなっているという事も感じるようになっていきました。
そしてその後も糖質制限の理解を深めていきます
・糖質制限の禁忌病態のほとんどは、そもそも糖質を摂りすぎて臓器を傷めたために起こってきた状態。だからと言って糖質を摂っていいという事ではない
・糖質制限は健康を保つための基本、しかしそれだけでは十分でない場合も往々にしてある。その場合、ケトン食、絶食療法へと食事療法の精度を高めていく必要がある
・生活習慣病は「糖質病」であり、ひいては「酸化ストレス病」であり、神経難病、自己免疫性疾患、アレルギー性疾患などかなりの病気がその範疇に含まれる
また、私にとってはケリー・マクゴニガル氏について知れた事も大きな事でした。
「ストレスは身体の活性化」ととらえる彼女の考え方は、私にまた新しい視点を付与してくれました。
その視点は認知症のケア手法、ユマニチュードの理解へと私をつなげてくれました。
そして今年はなんと言っても、
管理された状況下での断食道場を経験できた事も私にとって大きな収穫でした。
断食が危険ではないどころか、心の浄化を与えてくれるという事、そして逆に考えれば、
今の世の中がどれだけ食にまみれているか、世の中の病気の多くが「食源病」であるという事実、「医食同源」という言葉の深さをしみじみと感じる事になりました。
また、ここに私が理想とする医療の大きなヒントが隠されているとも思いました。
断食の経験を通じて、新しい仲間も増えました。私の中でまた世界が広がりました。
糖質制限と漢方についても深く学びました。
学べば学ぶほど現在の医学は人体の一面しか捉えられていないという事がわかり、
全てを科学理論で説明しようとせず、現実に起こっている事を真摯に受け止め、そしてまた考えなければならないという事を学びました。
まだまだ振り返る事はたくさんありますが、
ここまでの私の診療スタンスをまとめると次のようになります。
『糖質制限を基本においた食事療法、ストレスマネジメントで病気に立ち向かうのが原則。
その向き合い方は個人のおかれた生活・家庭環境、価値観、体質などの違いによって様々であってしかるべき、臨機応変に糖質制限を指導していく。
そうしていても何らかの事情でうまくいかない患者に対しては、漢方療法や必要最小限の西洋薬での対応を試みる』
最後に、来年の抱負を述べます。
今年は総じて「糖質制限熟成の年」でした。
その結果、私が将来やりたい事について明確なビジョンも見えてきたように思います。
来年は夢に向けての準備の年にしたいと思います。
とにかく医療以外のいろいろな事を学ぶ事を目標にします。
「ヨガ」「瞑想」「整体」「落語」「音楽」などなど、とにかくいろいろ学んで行きたいと思います。
できる時間があるかどうかはわかりませんが、夢を語るは自由です。大きく出たいと思います。
この一年は濃厚でしたが、総じて良い一年でした。
来年もまた、私の想いに共感してくれる仲間が増える事を祈り、今年最後の記事にしたいと思います。
それでは皆様、よいお年をお過ごし下さい。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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コメント
前をむいて生きよう・・
離別があり、新しい出会いがあり・・・人生いろいろです。
私にとって、キーワードは、「愛」「つながり」です。
支えてくれるものがなければ、何事も続きません。
一年を反省し、振り返りながら、来年に望みます。
人を動かすものは「愛」と情熱」です。
>「ヨガ」「瞑想」「整体」「落語」「音楽」などなど、とにかくいろいろ学んで行きたいと思います。
より幅の広い、総合ドクターになられますように・・・
来年もよろしくお願いいたします。
Re: 前をむいて生きよう・・
コメント頂き有難うございます。
また今年一年大変お世話になりました。
> 人を動かすものは「愛」と「情熱」です。
そうですね。
お互い失敗や反省の経験を経て、よりよい形に改善していきましょう。
今後とも宜しくお願い申し上げます。
No title
今年はお世話になりました。ありがとうございます。ブログを通して色々教えていただきました。中でも「糖質制限すると標準体重に近づく」というコメントには気持ちが相当揺らぎました。
私は40代男でヒトに見られる仕事をしています。スリムで若々しい身体を維持する事が重要な事、肥る事は許されないと長年思ってました。糖質制限をして少しずつ体重が増え、それにつれて「健康」を実感する毎日になったのです。無理がきく、まるで20代の時のような体力を取り戻しました。
たがしゅう先生に糖質制限による体重体脂肪増加現象について質問した時、とても丁寧に回答をいただきました。それが私の糖質制限の後押しになりました。
糖質制限を通して健康だけでなく、性格まで穏やかに変わったような気がします。来年もこの生活を自信もって続けたいです。目標は醸造酒を控える事です。又ヒトにも糖質制限の話ができるように、しっかり勉強をする事です。私のまわりでも少しですが実践している方が居ます。
くんだみえ
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
少しでもお役に立てたようで何よりでした。
また来年も糖質制限ベースで、色々な事について考えていきたいと思います。
今後とも宜しくお願い申し上げます。
薬への慎重さ
私が得た今年最大のものは、鎮痛剤一錠でも自分の身体に入れるのには慎重に考えなくてはいけないことだと、はっきり自覚できたことです。
私の今年の注目の人は、「花子とアン」の蓮子さま。「アナと雪の女王」のエルサ。STAP細胞の小保方晴子先生です。
共通項は、美女である、不運である、実は実力がある、絶対負けないで! です。
特に実在の小保方さんには、ジェットコースターのような2014年だったと思いますが、来年は心身の元気を取り戻して、復活してほしいです。
池上彰さんの年末の番組では、酸性で細胞が初期化するのは荒唐無稽な話ではないと言われていました。
号泣会見の野々村元県議のことも、池上さんは、あのすごい会見のおかげで地方の不祥事だったものが全国区の大ニュースとなり、「わが地元では政務活動費の不正はないか!?」と、人々に白々実々となり、大貢献だったと誉められていました。ケガの功名(笑)
野々村元県議にも、反省したら元気を取り戻してほしいです。
私は糖質制限を心がけ、夏バテなし、風邪ひきなし、事件なしでした。
来年も美容と健康ヲタク、頑張ります。
先生には一年お疲れさまでした。よいお年をお迎えください。
管理人のみ閲覧できます
ありがとうございました
今年も大晦日になってしまいました。1年が本当に短く感じられます。
ことし1年、毎日先生のブログを読ませて頂き、様々なことに気づかせて頂きましたことを感謝致します。何度がお目にかかれてお話を伺えたことも、ありがたく思います。
来年も、先生にとって良い年になり様、祈念致します。
Re: 薬への慎重さ
今年一年、様々なコメントを頂き有難うございます。
> 私が得た今年最大のものは、鎮痛剤一錠でも自分の身体に入れるのには慎重に考えなくてはいけないことだと、はっきり自覚できたことです。
素晴らしいです。
皆がそう考える事ができるようになれば医療もよりよいものになっていくと思います。
> 私の今年の注目の人は、「花子とアン」の蓮子さま。「アナと雪の女王」のエルサ。STAP細胞の小保方晴子先生です。
> 共通項は、美女である、不運である、実は実力がある、絶対負けないで! です。
これも成程ですね。
「花子とアン」年末ダイジェスト放送やっていたのでちょっとわかります。
私も、小保方さんにはこの非常に辛い苦難を何とか乗り越えてほしいと思っています。
一方でマスコミによる世論操作の影響力の大きさを実感すると同時に、わかる人にはわかっているという安心感を得る事ができました。
野々村元県議への見解も独特で興味深いですね。本意ではなかったにせよ、結果的に問題提起ができたことはたしかによい事であったかもしれません。
> 先生には一年お疲れさまでした。よいお年をお迎えください。
有難うございます。来年も宜しくお願いします。
Re: ありがとうございました
コメント頂き有難うございます。
過分なお言葉恐縮です。こちらこそ交流させて頂き有難かったです。
来年もまた宜しくお願い申し上げます。
No title
貴重な情報発信、有難う御座いました。
先生の真摯な活動に、励まされる日々です。
私も、
自身の領域で微力ながら精進していくつもりです。
来年は更なる飛躍の年でありますように。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
第26代アメリカ大統領,セオドア・ルーズベルトの言葉が胸に突き刺さります。
『あなたのいる場所で,あなたにしかできないことをしなさい』
引き続き今できる事を一生懸命続けたいと思います。
来年もまた宜しくお願い申し上げます。
病態栄養学会
宗田Drが「糖質制限食を実施すると、管理栄養士が治療の主役になれます」と発言しました
これは実に良い発言で、糖質制限食を認めない栄養系の人達全員になげかけたい言葉です
2015年も病態栄養学会での発表が期待できます
Re: 病態栄養学会
コメント頂き有難うございます。
また一年大変お世話になりました。
> 「糖質制限食を実施すると、管理栄養士が治療の主役になれます」
本当ですね。私も変わろうとしている栄養士さんは全面的に応援したいと思っています。2015年の病態栄養学会も楽しみですね。
2014年6月17日(火)の本ブログ記事
「栄養士よ、今こそ立ち上がれ」
http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-306.html
も御参照下さい。
来年も続けてください
クスリというのは栄養学では毒物・劇物に分類されていて、まさに「クスリはリスク」というのが真実です。クスリにはじまりクスリに終わるという臨床医学は一日も早く滅ぼしていかなければなりません。その原動力になるべきなのは、患者とその家族です。すべての国民がクスリを毒物と強く認識して警戒し、糖質制限を含めた栄養学的に治すという事を志すようになれば、今行われているクスリまみれの臨床医学は衰退していくはずです。経口血糖降下剤をたくさん処方するような専門医の外来には患者が誰も行かなくなるようになる日が来る事を望みます。
Re: 来年も続けてください
コメント頂き有難うございます。
> すべての国民がクスリを毒物と強く認識して警戒し、糖質制限を含めた栄養学的に治すという事を志すようになれば、今行われているクスリまみれの臨床医学は衰退していくはずです。
同意見です。
一人一人の意識が変われば、医療はきっと良い姿を取り戻すと思います。
管理人のみ閲覧できます
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