理想と現実の狭間で何を想う
2014/12/25 00:01:00 |
断食レポート |
コメント:4件
クリスマスの話題でもないですが、断食を再考します。
断食を何度か経験するとわかるのですが、
食欲というのは身体により化学的に作られている現象だと思います。
普通、食べない時間が長くなればなるほど空腹感が強くなりそうな気がしますが、
実はある一線を越えると急激に食欲が和らぐ、という瞬間がある事がわかります。
そこから食べないなら食べないでやっていけるという状態が長く続きまして、
蓄えがなくなってきた頃に再び、今度は警告に当たる真の飢餓感がやってくるという流れがあるようです。
その事が分かっていれば、断食など簡単にできそうなものですが、現実はそううまくいきません。 それは、空腹の第1波がものすごく強烈であるからです。
私達は生まれてから初めて断食を経験するまでの間、
3食食べるというのが当たり前の文化の中で生きてきました。
それはもう、何度もその事を習慣的に繰り返してきたのです。
それを今さら、例えば「2〜3日に1回食べましょう」、と言われても身体は食べる行為への依存から容易に逃れることはできません。
よしんば、第1波を無事に乗り越えたとしても、
外にでれば数多の飲食店、内に帰れば冷蔵庫やテレビの食事情報に脳は刺激され続けます。
その環境の中で断食を貫くのは、まさに修行です。現実には自力で行うのが大変難しい行為だと感じています。
私の考える理想の栄養の摂り方は、糖質制限ともオーソモレキュラーとも微妙に違っていて、
「1日何食にこだわらずに、食べるという行為を必要最低限にして、なおかつ現状を維持できる栄養の摂り方」です。
それが1日3食の人もいれば、1日1食の人もいると思います。
しかしそれが少なくてすむのが一番良いと考えています。
なぜならば、食べることは植物であれ、動物であれ、他の生物のエネルギーを自分の身体に取り込む事であり、
その行為にはやはり一定のリスクが伴うからです。
しかも現在の食品のほとんど全てに何らかの食品添加物が入っています。
無害な食べ物はほとんど無いと言っても過言ではなく、
その結果、あらゆる病気が「食源病」だという現実が見えてきました。
食べない理想と、食べざるを得ない現実、
その理想と現実の狭間で私の心は揺らいでいます。
しかし、できる限り理想に近づける努力は続けていきたいと思っています。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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いろいろな断食方法
粉ミルクを利用した断食について書かれたブログを見付けました。
なかなか興味深かったのでご参考までにご紹介したいと思います。
牧師で医師の上田昌司医師のブログ『デイリー牧師ノート』です。
粉ミルク断食及び飲尿断食の体験リポートが書かれてました。
2015.5.26以降です。
http://blog.livedoor.jp/bokushinoto/archives/31495977.html
Re: いろいろな断食方法
貴重な情報を頂き有難うございます。
粉ミルク断食ですか、なるほど。ケトン食と水断食の中間のようなやり方のようですね。参考になります。
粉ミルク断食
一読者さんご提供の粉ミルク断食、調べてみますと癌治療に相当な効果があった治療法だったようですね。
当時の考えでは悪玉菌の排除や毒素、老廃物の除去、またそれらによる血液の浄化作用など上げられていますが、現在の糖質制限の考えに照らし合わせれば全て納得のいく結果だと思えますね。
1食のカロリーは350kcalほどのようですので、本当の断食とは似て非なるものでしょうけれど、断食の導入時や回復時に取り入れたりも可能でしょうし、カロリー制限をプラスした糖質制限と考えれば、標準体重に達していないセイゲニストにはダイエット食とすることも出来そうです。
これは早速取り入れないとです!
Re: 粉ミルク断食
コメント頂き有難うございます。
確かに粉ミルク自体を断食導入や回復食に応用するのは一つの良いアイデアですね。
このように皆が知恵を出し合って治療を発展させていく姿、大変素晴らしいものがあります。どうも有難うございます。
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