省略できない時間
2014/11/11 00:01:00 |
ふと思った事 |
コメント:5件
医院を運営するためにはお金が必要です。
経営を維持する為にはどうしてもある程度患者さんに来てもらう事が必要条件になります。
良い評判のクリニックにはたくさんの患者さんが集まり経営は潤いますが、
患者さんが増えれば増えるほど、一人一人の患者さんにかける時間は減り、
評判とは裏腹に、質の高い医療は展開しにくくなるジレンマがあります。
その結果、現実に起こっているのはとりあえず薬を出してくれるクリニックの蔓延です。
私のやりたい事は、このような業界の延長戦上にはありません。 なぜなら私が目指すのは、いかに薬から離れるかを考える医療の追求だからです。
理想論かもしれませんが、そこにこそ人間らしい医療があるような気がするのです。
もともと私は要領が悪く、時間のかかりがちな診療ですが、
糖質制限を知った事でより一層時間がかかるようになりました。
ある程度さばくという事をしないと回らないし、次の患者さんにも迷惑がかかるというのは重々承知しているのですが、
目の前に苦しんでいる人がいて、なおかつこの人を救う事ができるかもしれない画期的な食事療法を知っている立場では、
話もそこそこに患者をさばくような事は到底行い難く、なんとかして軌道修正をさせたいという思いで指導にのめり込んでしまうのです。
これから先、良い医療を展開しようと思えば思うほど、
時間が足りなくなり、これで医院を経営しようものなら成立しなくなってしまいます。
しかし、だからと言ってあきらめて患者をさばく方針に切り替えられる程、私は融通の利く人間ではありません。
私にとって糖質制限の指導時間は、決して省略することはできない時間です。
患者さんの人生を好転させる事ができるかもしれない貴重な時間です。
私はそこに大きなやりがいを感じています。容易に妥協するわけにはいきません。
そして、今の医療体制でそれが無理であるのなら、新しい枠組みを作るしかないとも思っています。
その具体的な方法についていろいろと頭を悩ませている次第です。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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期待しています
「新しい枠組み」期待しています。
私たちにお手伝いできることがあれば、
可能な限りさせて頂きますので、
是非お声をかけて下さいね。
何年か前ですが、家内がアレルギーで悩んで
いた時、東京にある青山自然医療研究所ク
リニック(現在は閉鎖されたようです)の川嶋朗
先生に診て頂いたことがあります。
保険診療ではないので、料金はかなり高め
でしたが、初診の場合、1時間程たっぷりと
時間をかけてこちらの話を聞いていただき、症
状改善のためのアドバイスを下さいました。
勿論、東京だから出来ることかも知れませんが、
ある程度の対価を支払ってでも、根本的な
解決法を見つけたいと思う患者にとっては、
良いシステムだと思いました。
ご参考までに
Re: 期待しています
コメント頂き有難うございます.
> ある程度の対価を支払ってでも、根本的な解決法を見つけたいと思う患者にとっては、良いシステムだと思いました。
そのシステムを実現するには,保険が効かない自由診療を取り入れる事が必要でしょうね.
しかしその場合,最初の料金設定が最も重要です.私はお金も酸化ストレスも適量が一番と考えていますので,儲け過ぎず,貧しくなり過ぎないバランスをとるためにはどうすればいいかを考えなくてはなりません.
新たなスタイルに期待
問題が起こればクスリで解決しようとするだろうし患者側もそれを求める。それは大なり小なりどこの保険医療機関でも同じです。
おそらく医療機器を排除した、臨床心理士が開業しているカウンセリングルームに類似したスタイルの自由診療になろうかと思いますが、保険外診療のみになるとある程度患者さんから高額な診療費をとらないと経営は成り立ちません。
また既存のクスリ優先医療を推進している開業医団体(医師会)や学会との対立も覚悟しなければいけません。
首都圏ではアンチエイジング点滴療法などで高額な医療費を徴取する自由診療クリニックがたくさんありますが、排他的な地方では難しいでしょう。
先生がこの既得権益とクスリ利権にまみれた国でどういう新たなスタイルで開業されるのか注目したいです。
Re: 新たなスタイルに期待
コメント頂き有難うございます.
> 先生がこの既得権益とクスリ利権にまみれた国でどういう新たなスタイルで開業されるのか注目したいです。
本当悩ましいです.
双方にとって最もメリットの大きい妥協点を模索する必要があります.
いろいろな御助言を頂きながら,徐々にスタイルを構築していきたいと思っています.
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