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身体は変われど薬は変わらない
番組の中では「てんかんは治る病気です」というメッセージを伝えようとしていましたが,
その真意は番組を見る限り,「てんかんは薬で発作が出ないようにコントロールできる」という意味であるように見えました.
しかし一般の人が「てんかんは治る病気です」と言われたらどういう風に解釈するでしょうか.
薬を飲まずに発作が出なくなる状態だとは思わないでしょうか.
つまり医者が思う「てんかんが治る」と,患者が思う「てんかんが治る」という状態が,
食い違っている可能性があると思います.
このように「治る」という言葉は,往々にして「薬でコントロールしている状態」を指しますが,
それは本当の意味で治っているとは言い難いように私は感じています.
血圧の薬しかり,血糖値を下げる薬しかり,西洋薬の多くはずっと飲み続ける薬ばかりです.
一方で,私が学んでいる漢方では,「中庸(ちゅうよう)」という概念があります.
「中庸」とは,人間の基本的な状態,バランスのとれた健康とされる状態のことです.
数学で例えると,グラフの原点にあたる部分が「中庸」です.
生きていると,細菌やウイルス,気候変化や食物による影響など様々な要因によって
冷えたり,熱がこもったり,水がたまったり,気のめぐりが悪くなったりと,原点の状態から徐々に外れてくる事があるわけですが,
漢方薬はその原点からずれた状態を再び原点に戻すように作用させる薬です.
例えば寒い状態を治すために温めるベクトルを持つ漢方薬を用いて,
寒い状態にあった身体が原点である中庸の状態にまで戻ってくれれば,
それ以上その漢方薬を飲む必要はなくなるわけです.
それゆえ漢方の症例報告では,「終薬」とか「廃薬」という言葉がよく出てきます.
つまりずっと飲み続ける事を前提に薬が作られているわけではなく,漢方薬はあくまでバランスが崩れた状態を再び元に戻すまでの薬,という位置付けです.
私は薬というのは基本的にそういう使い方をすべきだと考えています.
しかし,世の中の病気の多くの原因が不明である以上,
わからないものに対しては薬を使い続けるしかないというのが実情であるとも思います.
ただ,糖質制限を通じてわからない病気の原因の多くが糖質過剰摂取に起因する酸化ストレスにあるのだとすれば,
それを取り除けば薬による不自然な状態を作らなくても,元に戻せるのではないかという可能性が見えてきます.
それに薬を使い続ける事にはもう一つ懸念があります.
それは,人の身体は老化していく事で年とともに徐々にその働きは低下していくわけですが,
薬というのは何年たとうが,同じ影響を人体に与え続けるということです.
従って,いかによい薬であろうとも,
ずっと使い続けている限り,いつかはその薬が自分の身体に負担になってくる時がやってきます.
そうならないようにするためには,薬の使用は一時的にすべきだと,
心得るべきだと私は思います.
たがしゅう
コメント
私も同じことを言いたい!
でも結果、薬でコントロールできているから治ったみたいなもの。って・・・私は薬を止めさせたいです。薬がなくても過ごせる日々を望んでおります。
ちなみに現在入院中ですが、炭水化物だらけで食べるものがないと嘆いております。
薬は副作用ばかりでとても怖いです。
2014-10-19 20:40 あーちゃん URL 編集
Re: 私も同じことを言いたい!
コメント頂き有難うございます.
医師は患者の経験が欠如している存在であるにも関わらず,わかったような事をよく言います.
しかし患者さんの感じる事は,精神的な修飾を受ける事を含めて常に真実だと私は考えています.
そんな患者の意見を無視して,自分の見解を押し付けてくるような医師はそれだけで信頼に値しないと私は思います.
2014-10-19 22:47 たがしゅう URL 編集