Post

        

不自然な「糖質制限」

category - 医療ニュース
2014/ 10/ 16
                 
「歴史は繰り返す」と言いますが,

大々的に宣伝され登場した新薬の大きな副作用が市販後に判明するという事態が,

糖尿病の新薬,SGLT2阻害剤でも起こりました.

糖尿病新薬、使用の患者2人死亡…利尿薬を併用

読売新聞 2014年10月11日(土)14時53分配信


過去を振り返れば,

肺癌治療薬「イレッサ」での間質性肺炎,インフルエンザ治療薬「タミフル」での異常行動による自殺,

比較的新しいところでは子宮頸癌ワクチン「サーバリックス」での神経障害など,

比較的安全だとされていた薬が問題を起こすことなど今に始まった話ではありません.
            

薬とはそもそもそういうものなのだという事を認識すべきだと私は思います.

つまり薬というのは新薬であろうと,旧薬であろうと,

「不自然な状態を作り出す物質」だという事です.

その不自然な状態が一時的であればいいですが,

漫然と不自然な状態を作り続けているという状態が良い状態だとは到底思えません.


私にとってSGLT2阻害剤は「疑似糖質制限」です.

糖質制限をしていなくとも,尿中に糖を強制的に排出させる事によって,

糖質制限と同等の効果をもたらすという薬だと思っています.

しかし,あくまで疑似は「疑似」,やっている事は不自然なのです.

糖質制限であれば身体が脱水になろうとする時に腎臓での水分再吸収の効率を高めるなどして,

自然に備わったメカニズムで脱水にならないように身体を守ろうとします.

一方疑似糖質制限の方は,そんな状況はおかまいなしに,ただただ尿中へ糖を排出し,それと一緒に水分も排出し続けるわけです.

どちらの方が安全かというのは火を見るより明らかだと思います.

ついでに言えば,糖質制限実践者が比較的好意的にみているメトホルミンという薬も,私にとっては「疑似運動」です.

AMPKという酵素を活性化させる事によって運動と同じような効果をもたらすというのがこの薬のキモだと思いますが,

この薬の重篤な副作用としては乳酸アシドーシスというのが知られています.

運動もしていないのに,強制的に運動したような効果が得られ続けてしまうから,乳酸が蓄積し続けてトラブルを起こしてしまうのではないかと考えています.

一方で,本来の運動であれば,疲れを感じたらそれ以上は運動はしなくなるわけで,

本来たまる以上に乳酸がたまるという事がまず起こりません.

故に私がSGLT2阻害剤やメトホルミンを使うのは,

どうしても糖質制限をやりきれない人,あるいは全く糖質制限をされない人に対してやむなく用いる苦肉の策としてです.

また糖質制限を実行する事ができるようになったら速やかに中止すべきものです.

薬のサポートはあくまで一時的と位置付けるべきだと私は考えています.


安全だとされている薬であっても,所詮薬は薬です.

それは私が勉強している漢方療法についても同じ事です.

多剤内服が日常的となってしまった昨今,医師も患者もその事がいかに不自然な状態かということを,

もっと真剣に考えるべきだと私は思います.


たがしゅう

関連記事

            
                                  

コメント

非公開コメント
        

ほとんどすべての薬は、毒
おはようございます。
根をつめてパソコンで遊んでいたものだから、右肩こり、右眼痛、右偏頭痛が発生しちゃって(自業自得)
これはやり過ぎと気がつき、肩体操、パソコンからの逃避、よく眠るを行なったら治りました。
鎮痛剤を飲めば解決だったかもしれないけど、今は内服薬ひとつでも慎重にしないといけないと考えるようになりました。
自助努力で身体は治ってくれる、いやいや、そもそもパソコンやり過ぎが原因でしょ!
台風の日の出来事、スケールの小さい話でした。
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
植物性の乳酸菌
いつも有益な記事、ありがとうございます。

たがしゅう先生の記事は毎回待ち遠しく、専門用語の知識も増え、とてもわかりやすいと思います。

とくに、どうしてそうなるかという観点で書かれていること、過去記事にもリンクされていることから読んでいて引き込まれます。

学生時代に、物理の先生が言っていました。「数式を使ってわかった気になるな。なぜかをいつも考えろ。数式を使わずにそれが説明できなければ本当に理解したとは言えない。」

話は変わり、話題の便秘についてですが、腸内環境を整えるために私は植物性の乳酸菌のお世話になっています。

具体的には、ぬか漬けです。それも、塩分を控えたぬか床にカブやキュウリを長時間入れて作った酸味のとても強いものです。異常発酵を抑えるために、密閉容器いっぱいまでぬか床を入れ、とくに夏は冷蔵庫内で作るのがお勧めです。毎日1~2回快適なお通じがあります。参考になれば幸いです。
Re: ほとんどすべての薬は、毒
エリス さん

 コメント頂き有難うございます.

 素晴らしい気づきですね.

 身体からのサインに気が付き早めの対処,そして薬に頼らないこと,それが一番だと思います.
Re: 植物性の乳酸菌
SHUKAN さん

 過分な御評価を頂き誠に有難うございます.

 地道にブログを続けてきた事で今のスタイルに行き着いたところはあります.そのように言って頂いて嬉しい限りです.

 ぬか漬けの話も参考になります.いろいろな御意見を頂き,私としても本当に有難いです.