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酸化ストレスがコレステロールを増やす
いわゆる難病と呼ばれる疾患群があります.
ベーチェット病,多発性硬化症,重症筋無力症,サルコイドーシス,筋委縮性側索硬化症,潰瘍性大腸炎など種類は様々で,全部で56の病気が特定疾患に指定されています.
これらの病気は原因がわかっていないからこそ,その原因を解明すべき対象として特定疾患と指定されているわけですが,
その病因の多くは自己免疫異常,神経変性,異常タンパク蓄積に由来しており,
そう考えればこれらの疾患は大きくは「酸化ストレス病」という見方ができるように思います.
そしてそんな56の特定疾患の中に,「家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)」があります.
「家族性高コレステロール血症」とはLDL受容体やその働きに関わる遺伝子異常によって,
コレステロールが高くなるだけでなく,肘や膝、手首、おしり、アキレス腱、手の甲などに結節状に盛り上がった黄色腫という病変を作る事が特徴となる病気です.
通常,遺伝子は父親由来のものと母親由来のものが対になっているのですが,
その両方に異常がある場合を「ホモ接合体」と呼び,いずれか一方のみに異常が認 められる場合を「ヘテロ接合体」と呼びます.
一般的にホモ接合体の方の方がヘテロ接合体の方より症状が強く出ます.
通常,血清総コレステロール値の基準が120~220mg/dLとされるところが,ホモ接合体の方は450mg/dlを 超える事が多いとされてます.
遺伝子異常という設計ミスのために,本来作られるべき量以上にコレステロールが作られ,組織に過剰なコレステロール沈着を引き起こしてしまいます.
この状況においては,コレステロールを強制的に下げる「スタチン」の使用が許容されると思います.
設計ミスが持続運転してしまっている状況をスタチンという強制手段でシャットダウンさせる必要があるからです.
ただ,そもそもこの設計ミスを引き起こしてしまっている遺伝子異常ですが,
元をただせば,この遺伝子異常でさえ酸化ストレスが蓄積された産物なのではないかと私は思うのです.
というのも酸化ストレスそのものが,DNAを修飾・切断を起こしうるからです.
酸化ストレスも,コレステロール上昇も一過性であれば身体にとって有益なものですが,
それが酸化ストレスによって引き起こされた遺伝子異常によって持続的なコレステロール上昇を引き起こされてしまっているというのが,
家族性高コレステロール血症の本態ではないかと私は考えています.
そしてこれと良く似た状況があります.
それは糖質摂取という酸化ストレスを繰り返し続けた結果,持続的なコレステロール上昇をきたしてしまっているという,
ありふれた多くの場合の高コレステロール血症です.しかし両者は同じではありません.
遺伝子異常を取り除くのはなかなか困難ですが,
糖質摂取は容易に取り除くことができるからです.
この糖質摂取をやめる事ができれば,すなわち糖質制限ができれば,
スタチンを飲む必要性はたちどころになくなると思います.
たがしゅう
コメント
便秘
特に「食事中に水分を摂ると胃液が薄まるので、食事中は水分を摂らない」という健康法?を実践してから便秘がひどくなったようなので、食事中にも適度に水分補給をするとマシになりました。
あと、何で水分補給をするかという問題で、コーヒーや緑茶などのカフェインを含むもばかり飲んでいると、利尿作用がある為、実は脱水になっていることがあるとテレビで見てから、基本的にはノンカフェイン飲料で水分補給をするようにしてから便秘が解消されたような気がします。
私の場合、食物繊維に関しては、やはり摂取した方が良いような感じでした。
脂肪は充分摂取していますが、それによって便秘が解消されたということはありませんでした。
腸内細菌については、そんな都合よく細菌が人間を助けてくれるとは思えないので信じていません。
追伸
それからコレステロールについては思うことが沢山ありすぎてコメントできませんでした。
申し訳ありません。
2014-10-15 12:18 河豚田 URL 編集
Re: 便秘
貴重な御意見を頂き有難うございます。
いろいろな非薬物療法としてのアプローチ、大変勉強になります。
2014-10-15 13:57 たがしゅう URL 編集
便秘
野菜を多めに取った時も、そして、殆ど減らした時も、便秘は変わらずでした。水分も同様で・・・。
そこで脂質に今回目を向けてみました。
私の便秘はほんと頑固のようで・・・。
まだ 分からないのですが、色々試行錯誤してみます。
2014-10-15 21:25 まる URL 編集
No title
大腸で単鎖脂肪酸を作るのは腸内フローラです。でも日々医療機関で出されている抗生物質がこの腸内フローラにどの程度悪影響を及ぼしているのか不安です。ニューキロノンを2週間以上飲み続けてるひとなど臨床の場では普通なのですから。
潰瘍性胃腸炎の治療法として便移植が試験的に行われています。この目的は腸内フローラの正常化です。それほど腸内フローラは大切なのだと思います。
最近は小児適用のあるニューキロノンやカルバペネムの経口薬が手軽に処方されています。
こうした抗生物質がどの程度腸内フローラに影響を及ぼすのか、その回復は可能なのか、どの程度期間を要するのかなど知りたいものです。
2014-10-15 22:02 やっくん URL 編集
Re: No title
コメント頂き有難うございます.
腸内細菌との共生も健康を保つ上でのポイントですよね.
御指摘のように抗生剤の乱用も現代医療での大きな問題点の一つだと思います.
2014-10-15 23:15 たがしゅう URL 編集