「主食」の概念を変える
2014/10/12 00:01:00 |
ふと思った事 |
コメント:14件
先日何気なくいつもと違う道を歩いていたら、
前から自転車に乗った10代の女の子3人組が話をしながら走ってきました。
そして、彼女らとすれ違う際にたまたま次のような台詞が私の耳に聞こえてきました。
「ごはん食べないで何を食べる……○△□」
どんな会話のどんな文脈の中でこの台詞が出てきたのかはわかりませんが、
たまたまその道を歩いていて、1秒ずれていてもその台詞が聞こえなかったであろうその偶然が面白くて、ついでに書き記してみる事にしました。 この「ごはんを食べないで何を食べる?」ですが、
10代の子らに限らず、患者さんからもよく聞かれる台詞です。
主食という概念があるからこそ、そういう考えが生まれるのだと思います。
いわゆる「主食」という言葉には、「他の食用作物に優先して耕作される作物」の意味が含まれていると思いますが、
単に「主食=よく食べるもの」というシンプルな捉え方をすれば、ごはん以外にも主食はいくらでもあることになります。
肉でも卵でも魚でも大豆でも、当然なんだって主食になりえます。
いわゆる「主食」という概念は、英語圏にはないそうですね。適切な訳語がありません。
日本の場合は、「米はとにかく主に食べるべき大事な食べもの」という考えが子供から大人まで文化的に染み付いてしまっている、という事ではないかと思います。
ちなみに私は患者さんに白米の代わりにはよく「豆腐」を勧めます。
白米と同様、味が淡白ですし、おかずがないとごはんが食べられないという人に、今までに近い感覚を残す事ができるからです。
慣れるのに多少時間はかかるかもしれませんが、慣れてしまえばなんてことはない普通の食事習慣になります。
文化の影響は生まれた国、育った環境によって大きく変わりうるものですが、
その後の人生でいくらでも変えうるものだと思います。
そして実際に変えた人だけが、「米を食べなくても生きていける」という新しい感覚を知ることができ、
それでころかむしろ「米を食べない方が体調がいい」という新しい体験をする事ができます。
固定観念にとらわれない自由な発想を持つことの大事さを、
これからも糖質制限を通じて伝えていければと思います。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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コメント
本当!主食って何なんでしょう
Re: 本当!主食って何なんでしょう
コメント頂き有難うございます.
本当,根が深い問題です.
健康な人へはまだしも,健康を害した人には是非ともこの事をわかってもらいたいです.
No title
私は世界各国まわりました。私自身も食に関する知識は豊富と自負しています。中国でもヨーロッパでも「メイン」といえば脂ぎった肉や魚のことを指し、米やパン、ジャガイモは添え物です(結果的に庶民の炭水化物の摂食率の高さは世界共通ですが)。
確かに米は美味しいし歴史的に今の地位を得た栄養学的な意義もわかります。米がパンやジャガイモ以上に美味しいことが日本人が米に囚われる原因かもと思もいます。
いいことなのか悪いことなのか。。。
がっくし
「ご飯やパン、麺類を食べないんだったら、一体何を食べるんだ?」
この質問が返ってきた時点でダメですね。
肉・魚・野菜など・・・
ちょっと考えただけでも色々ありますよ。
Re: No title
コメント頂き有難うございます.
米がおいしいという事は認めます.私もかつてそのおいしさに魅了された人間の一人ですから.
しかし米を断つことで米への執着がなくなったという事もまた私の中での真実です.一方肉を断っても肉への執着はなかなか無くなりません.
同じおいしい食べ物であっても,その違いが両者の本質的な違いを反映しているのではないかという気がいたします.
Re: がっくし
コメント頂き有難うございます.
> 「ご飯やパン、麺類を食べないんだったら、一体何を食べるんだ?」
> この質問が返ってきた時点でダメですね。
同感です.
そう答えること自体が「いかに普段の食事を炭水化物に依存しているか」という事の証拠だと私は思います.
肉への執着
確かに体が米ではなく肉を欲していました。
また私は無類の麺好きだったため、糖質制限を知った時点で自分には無理と半ば諦めていました。それでも開始してみると次第に大丈夫な自分に気付きました。そんなある日知人とラーメンを食べた際、盛りが少なかったにも拘らず、食後、強烈な腹痛に襲われました。
この事も現在進行形で糖質制限が継続している一因です。
Re: 肉への執着
コメント頂き有難うございます.
> ICUで45日間の絶食を経験し
> 確かに体が米ではなく肉を欲していました。
貴重な御経験ですね.実体験は自分の中での強烈な説得力を持つと思います.
No title
ある料理研究家の方いわく、主食と言う言葉は昭和三十年までなかったそうです。また現在の和食のアクを取るというのもつい最近のもので、肉や魚、野菜の貴重な旨味エキス=栄養分を捨ててるだけだそうです。そこを砂糖や醤油であまじょっぱくしてやれば、常連を糖質中毒に仕立て上げれば・・・これが幕末や明治から続く老舗の味・・・砂糖は貴重品だったはずですが。
味覚と言うか嗜好というのは変わりますからね。最近だとラーメン一杯食べれなくなりました、以前は糖質の高揚感のようなものが胸焼けを抑えていたんでしょうなあ。
Re: No title
コメント頂き有難うございます.
> 主食と言う言葉は昭和三十年までなかったそうです。
それは初めて知りました.勉強になります.
ある意味和食というのは,糖質の付け焼刃的おいしさに魅せられて作られていった文化なのかもしれませんね
.
主食とは?
岩波書店 『広辞苑』
1955年5月25日初版
【主食】 日常の主な食物。我国では米・麦。
◇
…昭和30年以前から「主食」という言葉は存在したはずです
栄養と料理
http://eiyotoryoris.jp/eiyotoryori/keyword/searchArticle.do?keyword=\u4e3b\u98df
No title
うろ覚えですが、料理研究家の方(本職はお菓子職人)の紹介された昭和四十年代の料理本にはなかったという感じでした。五年前放映された東京電力提供のクワバタオハラのTV番組です。
Re: 主食とは?
情報を頂き有難うございます.流石の情報収集力ですね.
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