進化を続けられるかどうか
2014/09/26 00:01:00 |
ふと思った事 |
コメント:7件
糖質制限を通じると、世界の見え方が変わります。
大げさではなく、本当にそうなのです。
例えば、以前は「糖尿病の患者さんはわがままで言う事をきかない人が多い」と、
「そういう性格だから糖尿病をこじらせているのだ」というふうに見えていましたが、
実際には、「糖質の中毒性によって糖質を摂るためにわがままな言動をとるように糖質に踊らされているのだ」と、
それはタバコのニコチン中毒や、アルコール中毒、あるいは薬物中毒と同じ構造になる、ということを知りました。
つまり、患者さんだけが悪いわけではないのです。 ところが、一般的な医師のわがままな糖尿病患者さんへの対応は、だいたい決まっています。
「自己管理不足」のレッテルが貼られ、カロリー制限と運動を勧め、
それで改善しなければ飲み薬を出し、さらにダメならインスリン注射に移行します。
「自分の指導が間違っているかもしれない」とはまず考えません。
しかしカロリー制限を指導する事自体が、
血糖値の乱高下を引き起こして代謝を乱し、なおかつエネルギーの総摂取量が不十分になるというこの利のない事をしてしまっているのだとすれば、
指導すべきは「患者さんのわがままを正すこと」ではなく、
「あなただけのせいじゃない」と認め、「なぜ抑えられない気分になるのか」を伝え、
その上で「非必須栄養素ではない糖質を制限し、血糖値の乱高下を防いで精神を安定させる」ことではないでしょうか。
優れた人は失敗から多くの事を学びます。
医師にとって大事なのは「謙虚であること」、つまりいつも頭のどこかで「自分が間違っているのかもしれない」と思えるかどうかだと思います。
それはどこまで極めても基本的には同じで、安息の地はないと思っています。
なぜならそう考える事で自分の知識や経験をより良いものに変えていく事ができるからです。
たとえどこまですごくなっても、
成長しなくなった人に魅力はないと思います。
本当にすごい人は、いつまでも進化が止まらない人ではないでしょうか。
私も現状の糖質制限理論に甘んじる事なく、
これからも進化を続けていきたいと思います。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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コメント
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良いと思います。
素晴らしいと思います。
最近は何でも「プラス思考」が良いような事をいう人がいますが、私は馴染めませんでした。
課題も発見も沢山
その方の事は検索すると色々出てきますが、あの時代(日本じゃ江戸時代)にこんな事を経験している人がいるのか!と驚かされる内容です。非常に興味深い内容で面白いので必見です。
http://www.westonaprice.org/author/bgroves/
この時代から比べると糖質制限は圧倒的に受け入れられていますし、ここまでくるにも多くの進化を遂げてきたと思います。
おそらくこの方は認知症や動脈硬化といった所にまで考えは及ばなかったでしょうが、現在は様々な効果がわかっているように、素晴らしい進化をしてますね。
消毒とガーゼとは大違いです(笑
まだまだ進化して充実していくことでしょうから、試行錯誤を続けることですね。
Re: 良いと思います。
コメント頂き有難うございます。
プラス思考は大事ですが、口で言うほど簡単な事ではないですよね。
しかし謙虚な姿勢は、心がけさえすれば誰でも持てるものだと思います。
Re: 課題も発見も沢山
情報を頂き有難うございます。
> 1863年頃に糖質制限・低炭水化物食の考えを広めたウイリアム バンティング(William Banting)というイギリス人がいたようです。
先駆者の先生方のおかげで今でこそ糖質制限の基礎理論は確かなものになりましたが、
科学が十分に確立していなくとも、わかる人にはわかっていたのですね。勉強になります。
No title
自分たちの技術や商品はいいのに客が馬鹿だから・・・とかいかにもありそうな話ですね。なぜ現状が上手くいかないのか、5W1Hとかそういったことをビジネスでは口うるさく言われるものですが。
商品を多く売る、病気を治す、顧客満足度を高める、そういったものが目的なのにとりあえずの標準手段が目的にすり替わるんですね。面倒くさいから、みんなやってないから、とりあえず給料はもらえるから。なんのことはない患者や顧客のわがままじゃなくて自分たちのわがままを優先してるんですよ。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
> 患者や顧客のわがままじゃなくて自分たちのわがままを優先してる
そう、いつの間にかすり替わってしまうのですよね。
はじめは患者さんを救いたいと思って医者になったはずなのに、いつの間にか自分たちの都合を優先してしまっているという、そんな医者はごまんといると思います。
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