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とにかくまず経験してもらうために

category - 普段の診療より
2014/ 09/ 04
                 
私は御高齢の方を診る機会が多いです。

その中で小太りで膝腰が痛いという人の割合は結構多いです。

やせた方が腰にもいいですよ、という話の中で、

食生活について尋ねると十中八九「野菜と魚をしっかり食べるようにしています」と答えます。

決して米の事に意識が行く事はありません。そこに意識を向けるように仕向けても、まさか自分達がごはんを食べ過ぎているとは思っていないから、

私との会話が噛み合う事はありません。
            

ごはん茶碗1杯白米150gに糖質は55.3g、角砂糖約17個分(約3g×17)の糖質に相当します。

そしてヒトの血糖値は100mg/dlで、普通の体格の人で血液は約5リットルありますので、

血液中のブドウ糖は約5g分、つまり角砂糖1-2個分しか存在しない計算になります。

若い人であれば筋肉でインスリン非依存的に血糖を下げ、糖質の負荷を有効利用することは可能ですが、

運動もしなくなった高齢者が角砂糖17個は明らかに取り過ぎです。

それを説明して納得してくれるならまだいいですが、

8割の人は結局聞き流し、いつも通りごはんを食べ、野菜や魚をしっかり食べ、ヨーグルトや牛乳、バナナは欠かさず食べるなどの生活を続け、

そして、また膝や腰が痛いといって再受診するという無限ループが続くわけです。

どうも理屈から入るというのは、多くの患者さんにとって、

有効な指導方法とはなりえないようです。

この悪循環を断ち切るために、

私はあの手この手の説明を試みています。

最近好んで行う説明はこんな感じです。

「やせるために簡単な方法をお教えしましょう。

まず、ごはんの量を3分の1にして下さい。

ただそれだけではヘロヘロになってしまいますので、

その分おかずの量を倍に増やして下さい。

この時にあなたは言われなくとも野菜や魚を食べているとおもいますが、

それらはこれ以上増やす必要はありません。

その代わりに増やすおかずは肉、卵、チーズを中心に増やすようにして下さい。

実は最近、100歳まで元気に生きている方の秘訣は肉食だという事がわかってきています。

またそういう方は肉をしっかり食べるだけではなく、ごはんの量も3分の1くらいだったのです。」



考えてみれば、私が糖質制限を始めた時も、

完全に理解してからやったというよりは、

とりあえずざっくりとやってみて、その効果に驚き、理論に興味を持って理解を深めて行くという順番でした。

その追体験を患者さんにしてもらうべく、

これからもあの手この手で指導方法を模索したいと思います。


たがしゅう

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コメント

非公開コメント
        

No title
たがしゅうさん

そもそもおかずでご飯を食べるのが当たり前というのが不思議ですよね。だから味付けがやたら甘しょっぱくなるんでしょうね。

腰痛持ちですのでトリガーポイントについての本を読みましたが、慢性痛においては抗うつ剤が効果があったりと心理的影響が凄く大きいようです。ますます糖質制限しかないなと思いました。
Re: No title
SLEEP さん

 コメント頂き有難うございます.

> 慢性痛においては抗うつ剤が効果があったりと心理的影響が凄く大きいようです。

 そうですね.整形外科の領域でも腰痛と心理因子には関連があるという事も大分明らかになってきているようです.

 しかし抗うつ薬による鎮痛は,その場しのぎに過ぎず,なおかつ新たな問題を産み出します.明日の記事ではその辺りについて扱います.
これはどうにも
糖質制限を指導するのは本当に大変な立場ですね。
やってみようという気持ちにならないと、効果もわからない…難しいですね。
何か強いインパクトを与えられないかと思うのですが、白米と砂糖を比較した写真を見せてダメなら、、どうしたもんでしょうかね。

思えば、コーラにこんなに砂糖が入っている!というような写真や、そういう類のものは私もいままで見たことがあるような気がしますが、
気をつけないとと思う程度で、危機感など微塵も感じなかった覚えがあります。依存とは恐ろしいものです。

糖質制限をすると如何にいいのかと言うのもいいですが、どれだけ体に悪いのかを伝えるのもいいかもしれません?
Re: これはどうにも
mina さん

 コメント頂き有難うございます.

 本当指導は難しいです.今日も70代の女性に同じような指導をしましたが,

 何度説明しても,「ごはんを3分の1に減らしたらおなかがすいてしまう」と反論されます.今までにおかずをしっかり食べるという事をやった事もないのにです.

 どう言っても伝わらない人には絶対伝わらないと,ある種達観しているところはありますね.