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カロリー理論はどこまで正しいか

category - 素朴な疑問
2013/ 10/ 01
                 
私は基本的に面倒臭がり屋なので,

基本的に日々の食事のカロリーを計算することはしていません.

もしかしたら慣れてしまった人にとってはカロリー計算はそう大変な作業ではないのかもしれませんが,

多くの人にとっては私と同様,あらゆる食材のカロリーを把握して,毎食毎に計算するという作業は大変に感じられるのではないかと思います.

ただ,この「摂取カロリー>消費カロリー⇒太る」「摂取カロリー<消費カロリー⇒やせる」という,カロリー理論ですが,

糖質制限の理論を学び,実践していくにつれて,はたして本当に正しいのであろうか,と思います.

            

例えば,私の食生活は江部先生のスーパー糖質制限食(≒修正アトキンス食)を基本としていますが,

過剰な空腹感が抑えられているおかげで,無理なく1日1~2食となっています.

で,日によっては当直だったりして,病院で食べると糖質まみれになるし,結構救急で呼ばれることが多くて食事とっていると時間とられて非効率的なので,水分だけとって全く食べずに過ごすこともあります.

しかし,1日2食食べようと,1日1食食べようと,終日3食抜こうと,実際体重はあまり変化がなかったりするのですよね.

もしカロリー理論が本当に正しいのであれば,1日2食食べたら少しやせて,1日1食食べたらかなりやせて,終日3食抜いたらだいぶやせてくれないと話が合いません.

また同じカロリーを食べていてもすぐに太る人と,いくら食べても太らないという人がいます.カロリー理論が正しいと言うのならこの現象も説明がつきません.

ただ,一方で古典的なケトン食(脂質90%, 炭水化物4%, タンパク質6%)の実践中は,カロリーの多い少ないというのがそのまま体重の増減につながりやすいという現象があるということをこの夏ケトン食の勉強で学びました.

古典的ケトン食の場合は,ほぼ脂肪であるがゆえに栄養素的にはシンプルな食事です.

脂肪だけの食事であれば,カロリー理論はほぼ当てはまるのかもしれませんが,

実際には炭水化物とタンパク質が複雑に組み合わさってきます.

そうなると人体はそう単純ではなくなっていくような気がします.

炭水化物の処理のしかたについても太る人と,太らない人とあるように,

タンパク質の利用効率ということについてもかなり個体差(体質差)が大きいように思えます.

食事誘発性熱産生という概念がありますが,これがあるが故にタンパク質を多めに食べた人がその分消費カロリーが増やし基礎代謝が上がるされています.

具体的な消費カロリーの増加割合はたんぱく質:30%、糖質:5%、脂質:4%、炭水化物:10%と言われてはいるものの,

この消費カロリーがどのくらい増えるかについてでさえも,実際は結構個体差が大きいように思えます.

もっと言えば,同じ個人の中でもタンパク質の利用効率は状況によって様々に変わるように思うのです.

例えば私がするめいかしか食べない時は身体が消費カロリーをぐっと抑えているように思えますし,

肉,魚,卵をがっつり食べている時は身体が消費カロリーをがんがん増やしているように思えます.

そうして恒常性(ホメオスターシス)を維持し体重を横ばいにしているような気がしてならないのです.

人体はブラックボックス,カロリー収支がそのまま体重の増減につながってくれるほど人体は単純でないような気がします.


たがしゅう

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コメント

非公開コメント
        

No title
たがしゅうさん

カロリー理論というのは考えてみると雑すぎますよね。砂糖も澱粉もオリーブオイルも豚の背油も旬の秋刀魚も牛すじもカロリーに応じて太る。
内燃機関に例えると目茶苦茶オールマイティで何でも同じように燃やせるという夢のエンジンです。そんなものあるわけないと考えるべきなのは自明の理だと思うのですが。
Re: No title
SLEEP さん

いつもコメント有難うございます。

> 内燃機関に例えると目茶苦茶オールマイティで何でも同じように燃やせるという夢のエンジンです。そんなものあるわけないと考えるべきなのは自明の理だと思うのですが。

そうですよね。やっぱりおかしいです。

カロリー理論は物理の「エネルギー保存の法則」をよりどころにしているのだと思いますが、

未知のブラックボックスの多い人体へ、なおかつ体質差を考慮せずに当てはめようとするから矛盾が生じているのではないかと思っています。
消費カロリー
始めまして、しんといいます。
そうですね。
食べ物の質や量によって代謝がかわることを無視してますからね。
Re: 消費カロリー
しんさん

 はじめまして,コメント有難うございます.

 そうなのです.変動する変数の部分を考慮しようとしたら個体差を加味した何らかの新たな計算式を考案しなければなりませんが.おそらくそれは一人ひとり違うはずです.

 そういう所まで解明される日はかなり先のことになるでしょうし,それまでずっとカロリー理論が横行するのかと危惧する次第です.
ネゲントロピー
たがしゅう先生

小生工学系機械屋です。
物理学(特に熱力学)上での生体系に関わる概念として「ネゲントロピー」というのがあります。
シュレーディンガーの唱えた理論(後に否定されましたが、この概念は生き続けていて、生物理学の世界で研究されてるようです)です。

生態系は外界に対して開かれた系ですので、単純なエネルギー保存則思考ではとても解明出来るものではないと、少しでも熱力学をかじったことのある人でしたら直感的に分かります。
とは言っても当方生化学的な話にはとってもついて行けませんが・・(笑)

SLEEPさんがおっしゃてるように内燃機関に例えるとよく分かりますが、ガソリン(食事)の発熱量よりガソリンエンジンの出力(代謝)の方がはるかに大きいです。
進化の過程で変温動物が恒温動物になったことを考えると、外燃機関より内燃機関の方が効率がいいので頷けます。

「ネゲントロピー」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%B2%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%94%E3%83%BC
Re: ネゲントロピー
Yamamoto_maさん

 コメント頂き有難うございます.

 ネゲントロピーとは初めて聞く概念でした.
 工学系に詳しい方に理論的なサポートを頂けるとは頼もしい限りです.

 こうした他職種の方とも交流できるのもブログの魅力ですね.

 これからもいろいろと教えて頂けると嬉しいです.