断食施設第一印象
2014/08/03 15:54:46 |
断食レポート |
コメント:6件
私は今回の断食体験を、
「医師目線」と「滞在客目線」の二つで評価していこうと思います。
それなりに高い料金を支払って参加した今回の断食です。
それに見合った質のサービスが提供され、なおかつ効果が出てくるかという点は重要です。
もしも適当な事をされるようなら、それも正直に書かせていただきます(笑)。
まず13時に駅に到着し、駅から施設まで送迎バスが出ていました。
私以外にも参加者が10数名、女性8割、男性2割といった印象でした。
年齢は30代~60代くらいと見受けられました。
荷物は部屋まで運んでくれるというウェルカムサービス、第一印象はまずまずといったところです。 荷物を各人の部屋に運んでもらっている間に30分程度施設の案内を受けました。
ここが洗濯室、ここが大浴場、屋上に露天風呂があります、といった感じです。
中に治療室という部屋もあり、そこでマッサージなど、その人に応じた施術を受ける時間があるそうです。
また図書コーナーもあり、健康関連本から漫画本、哲学的なものから雑誌まで幅広い本が置かれており、これらは自由に読んでいいそうです。
その中にはここの施設長の書かれた断食関連の本もありましたし、大柳珠美先生の糖質制限食ハンドブックも一冊ありました。
その後、食事やヨガをするための大部屋に移動し、大まかなスケジュールの案内があり、
いろいろなお茶があって、それらは自由に飲んでいいという事、自室内にもハブ茶があり、足りなくなった場合は大部屋にポットを持参して継ぎ足してほしいという説明を受けました。
さらに月に1回くらい稀に断食によって頭痛・嘔気などの低血糖症状を訴えられる人がいるので、そういう人は別で生姜湯を飲むようにとの事でした。
これはマイナートラブルへの事前の対応策ということでなかなかいいですね。
続いて問診票というのを記入する事になりました。
そこには食生活のこと、過去の病気のこと、何か相談したいことはなにか、今つらいことは何かなどを3ページに渡って記入していきます。
書き終わったら、15時までの時間を部屋で自由にということであったので、一旦部屋に戻ってこのブログを書く事にしました。
ベランダの外が自然に囲まれた快適な空間、外はそれほど暑くなく心地よい空間です。部屋の中にはマッサージ器や大きなテレビもあります。
空いた時間は自由にお風呂に入ったり、外を散歩したりしていいそうです。
とりあえず時間を過ごしていると、15時過ぎに部屋の電話が鳴り、治療室に呼ばれたので、
行ってみると施設長がおられ、先ほど書いた問診票を元に簡単に私にいろいろ質問をされます。
糖質制限の知識はお持ちのようで、一つ前の記事で書いた体重停滞期の話を交え、話はスムーズに進みました。
糖質制限はカロリー制限ではないから身体が慣れていってしまうんですね、というコメントも頂きました。
そしてやはり回復食が難しいというお話もあり、男性は特にそれが難しいんです、という事も教えていただきました。
断食で体重停滞の壁を打破できないかと聞いたところ、またやせていく可能性はあるとおっしゃっていただきました。
ただ滞在中は今までと違う刺激を与える事が大事で、朝・夕2時間ずつ歩いてみるという事を勧められました。
あと、成長ホルモンを出すために十分に眠るようにとも指導を受けました。
その後、一般でよくみる体脂肪計で体重と体脂肪を測定されます。
私の現在の体重は服を着た状態で100.2kg、体脂肪率は28.1%とやはり肥満の範疇でした。
その後、「東洋医学的な診察で自律神経機能をみます」と断りを受け、打腱器よりも小さいハンマーのようなもので、手首と手背にあるといわれるツボを軽く押されます。
その小さいハンマーと小型の機械とがつながっていて何かを計算しているようでした。
少なくとも私は見たことのない機械でしたが、
その診察の結果、私は全体的に機能が低下しており、身体年齢が55歳だと言われてしまいました。実年齢よりかなり上です・・・。
さらに腎臓が悪いというお話もありました。東洋医学的な腎という意味なら「腎虚」という事になるのでしょうが、
腎虚とは頻尿、性欲・精力の減衰、耳鳴り、身体のだるさ、手足のむくみなどが現れるとされている概念なのですが、私には全く自覚がありません。
断食をする事でこれがどう変わるのかをみていきましょう、と締めくくりの言葉があり診察は終わりました。
うーむ、本当だとしたら55歳はショックですが、医学的な妥当性はどうなのでしょうか・・・。
ともあれ、あまり文句は言わずにこちらのルールで1週間は従ってみようと思います。
あと、施設長は回復食でのお粥は身体にスイッチを入れるためある程度の糖質は必要だという御見解もおっしゃっていました。
それにカロリーはかなり少ないのでそれほど心配はなく、回復食が終わったらまた普通に糖質制限食に戻していいともおっしゃいました。
もしそれで体重減少期が本当に来たら、私にとってはすごい事ですけどね。
というわけでここまでのところ、
医師目線でみると、ちょっと怪しいところはあるけど、
客目線でみると、丁寧な対応で満足度はそれなりに良いのではないかと思いました。
引き続き厳し目の視点で評価をしていきたいと思います。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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コメント
No title
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
> 準リアルタイムの体験記なのですね。
初の試みです。どうなるかわかりませんが、記憶の新しい内にその時の想いを書き記したらどうなるか、こちらもある意味実験ですね。
No title
それにしてもその診察?とその器具がすごく胡散臭く感じますね。
最初に「体年齢が高い」「腎臓が悪い」と言って、帰る時には「よくなりましたよ」というパターンではないかと想像してしまいますが。。
といっても断食は医療とはまた違う物だし、異なる視点から見るとそう言えるのかもしれませんが・・・。
とにかく、非常に興味深いレポートになりそうなので楽しみに待っております。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
はい、あくまで初心者向けの断食でございます。
> それにしてもその診察?とその器具がすごく胡散臭く感じますね。
> 最初に「体年齢が高い」「腎臓が悪い」と言って、帰る時には「よくなりましたよ」というパターンではないかと想像してしまいますが。。
私も正直そう思ってしまいましたが、
でもいきなり全否定はせず、とりあえず受け入れてみようと思います。
No title
断食、苦しいと思いますが頑張ってください。
私も現在の体スペックは先生と同じですので、秘かにもの凄く期待しています(^^;
>糖質制限はカロリー制限ではないから身体が慣れていってしまうんですね、というコメントも頂きました。
自分もそのように感じていました。
ただ「身体の慣れ」にも色々な作用があると思いますが、その中の一つと言えますでしょうか、「腸内環境の変化」についてどのようなお考えか聞かせて頂きたいです。
痩せの大食いは善玉菌が多いとか、痩せてるラットの腸内細菌を肥満ラットに移植したら痩せたとか、
胃を摘出すると腸内細菌叢が変わって痩せるとか、色々聞きますが、
思い起こせば自分が太りだしたとき、中三頃から良くお腹を壊すようになり、社会人になってからは下痢と便秘を繰り返す体質になったりとお腹には悩まされ続けていました。
食事の内容から生活習慣まで様々な要因が複雑に絡み合ってのものであると思いますが、この時代にあっても未だ解明されていないこのもどかしさ。
何時の何が悪かったのか?何時のタイミングでどうすれば良かったのか?等々良く思いにふけったり。
糖質制限を始めたときも最初はお腹の調子が激変に耐えられず苦戦させられました。
今は毎食のようにゆで卵を食べても何ともありません(笑
しかしながら、自分もまだ旺盛な食欲を堅持していますし、とはいえ断食という手段は考えもしませんでしたが、断食の期間で腸内細菌叢がどのように変化し、もしかしたら痩せ形の腸に変身できるのではないか?との思いもありますし、そういう意味でも先生の貴重なご体験にはとても期待している次第です。
Re: No title
応援コメント及びご質問頂き有難うございます。
> 「腸内環境の変化」についてどのようなお考えか聞かせて頂きたいです。
食事は腸内細菌に密接な影響があり、太りやすさにも関与していると考えています。
2014年1月3日(金)の本ブログ記事
「腸内細菌叢が太りやすさを決める」
http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-140.html
も御参照下さい。
ただ糖質制限とはいえ、食事の質を何かしら変えるというだけでは、本人の持つ固有の腸内細菌叢を変えるのは難しい印象ですね。
宮入菌入り整腸剤を連用した時期もありましたが、私には無効でした。仮に有効であったとしてもずっと飲み続けなければならないかもしれません。
一方で、絶食には腸内細菌叢を変化させる可能性があると思っており、1日1杯青汁生活の森美智代さんはその1例だと考えていますが、まだ確証には至っていないのが実情です。
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