貧困の真の問題

2014/07/26 00:01:00 | 医療ニュース | コメント:0件

今,世界中で肥満が増え続けています

世界肥満実態(GBD)調査によれば,過体重と肥満の人の数は,

1980年に8億8,500万人だったのが、2013年には2.5倍の21億人にまで急増しているようなのです.

中でもその増加に寄与しているのは発展途上国や先進国の貧困層(低所得者層)であるようなのです.

糖質制限を理解したものから見れば,

貧困層で肥満が増える真の原因は,「価格が安い高糖質食中心の食生活」にあるのではないかという考えに合点がいきます.

一方でこんなニュースもありました.

貧困がてんかん発症のリスク
提供元:ケアネット公開日:2014/07/22

 てんかんの疫学について経済的な側面から考察を行った結果、貧困がてんかんの罹患率および死亡率増加のリスク因子であることを、イタリア・IRCCS Mario Negri Institute for Pharmacological ResearchのEttore Beghi氏らが報告した。また、貧困問題を解決することで、てんかんによる死亡を防ぐことも可能であると指摘している。Epilepsia誌オンライン版2014年6月25日号の掲載報告。



てんかんの発症が貧困層で多いという内容の記事です.

糖質制限を理解していれば,この問題の本質も,

上述の肥満急増の問題も同じところにあるということがわかると思います.

なぜならば糖質を制限する事によって生じるケトン体にはてんかん抑制効果があり,

高糖質食の食事はそのケトン体の産生量を最も少なくする食事であるからです.



ところが記事の中では,「なぜ貧困層でてんかんが増えるのか」という事について,

「貧困者は経済的な事情から治療の継続率が悪く,服薬コンプライアンスが悪い(≒薬の飲み忘れが多い)」

という事を問題視しているようです.

しかし,それでは仮に貧困から抜け出せて高所得になったとしても,

抗てんかん薬を中心とした治療を継続して受けたとしても,

高糖質食を放置したままだと問題の解決には程遠いのではないかと思います.

問題の本質を見失わないようにしなければなりません.


たがしゅう
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