環境が食欲に与える影響

2014/07/05 00:01:00 | 素朴な疑問 | コメント:8件

先日は月に4,5回ある当直業務の日でした.

糖質制限のおかげでスタミナがついたので,

当直の日には何も食べずにぶっつづけで働く事が多いです.

一通りの業務が終わった深夜にはさすがに疲れますが,

それでも少し寝たら再びしっかり活動できる状態に回復する事ができます.

そういう当直の時に食べないという生活にも大分慣れてきました.

気づけば私は定期的にプチ断食をしているような状況にありました. そうしているにも関わらず,糖質量もかなり抑えて食事しているにも関わらず.

それでも完全にやせきらない私の身体は「倹約遺伝子」が相当働いているに違いないと思うのですが,

今日はその辺の話はさておいて,もう一つ気が付いた事について書き記します.


私は,今「断食」というものに非常に興味を持っています.

食べるという行為は生きるための基本というよりは,生命を維持するための緊急危険回避システムである,というのが私の考え方ですが,

人類の歴史の中で農耕が始まり食糧の安定供給が可能となるまでは,

生命を維持するための基本は「断食状態」のシステムにあったはずです.

断食状態に生命がさらされる事によって,今まで活動していなかった様々な遺伝子が次々にONとなっていき,

普段は表に現れていない能力が発揮されるようになる,これがいわゆるエピジェネティクス(後天的遺伝子制御変化)です.

そう考えると,断食をする事によって様々な症状が改善する,というのも非常に腑に落ちるわけです.

そんな断食に私はこの数か月幾度かトライしています(当然ながら自己責任です).

何度か繰り返しているうちに,2-3日の断食くらいであれば比較的小さい努力でできるようになってきました.

しかし1週間以上の断食はまだ1回しかやったことがなく,それより先の世界に興味はあるものの,まだその世界に踏み込む事ができていないのが現状です.

さて,断食において辛いのは,経験的には最初の24~48時間です.

前述のように当直で,自分が買い求めさえしなければ周りに食べ物がない,という状況におかれると,

比較的容易に断食する事ができますが,

土日など休みの日に自宅でテレビをつけてぼ~っとなどしていようものなら,

テレビに出てくる食べ物のCM,旅番組でのグルメリポートなど,様々な誘惑に食欲が掻き立てられてしまいます.

それに自宅ではちょっと手を出せば冷蔵庫に保存食材がある状況です.

そのような状況にいると,24時間断食するのでさえ,かなりの意志力を要します.


要するに,環境によって食欲はかなり影響を受けるという事です.

逆に言えば断食を成功させるためには,

環境を整える事がその有効な手段となりうるという事になると思います.

調べてみると断食道場というのがいろいろな所で開かれているようです.

そうした場所に身を置けば,断食のコツや秘訣のようなものを手に入れる事ができるかもしれません.

何事も経験が大事,一度は断食道場参加してみたいですね.

その前にまず環境を整える事から行動してみたいと思います.


たがしゅう
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コメント

No title

2014/07/05(土) 03:39:56 | URL | mina #-
糖質制限で食欲が抑制され、我慢が容易にできるようになって、精神的にも時間的にも非常に気が楽です。食欲が頭の中にあると、作業に集中できませんからね。
血糖値が上がらず食べ過ぎになり~という医師の意見を時々見ますが、まあ、糖質制限してみないとわからない感覚なんだろうと思います。


ところで断食ですが、はたしてどれほど減量につながるのか、と思ってしまいます。
断食すれば減量するとは思いますが、それこそ倹約遺伝子が働き、余計に痩せにくさに拍車がかかるのではないか?と思ってしまうのです。
森美智代さんもほぼ断食みたいなものですが、写真を拝見すると思ったよりふくよかな様子ですし、つまり痩せるのを目的とするのであれば、断食は手法として適切じゃないのではないかと思うのです。(健康法としては十分アリと思います)
一方で、では何のための脂肪なのかという疑問に対しては堂々巡りになってしまう訳なのですが。。
たがしゅう先生はいかがお考えですか。

Re: No title

2014/07/05(土) 07:58:52 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
mina さん

 コメント頂き有難うございます.

> 糖質制限で食欲が抑制され、我慢が容易にできるようになって、精神的にも時間的にも非常に気が楽です。食欲が頭の中にあると、作業に集中できませんからね。


 御指摘の通りですね.

 私も糖質制限をしてからというもの,食事に時間を奪われない分,仕事の能率が向上しています.

> 血糖値が上がらず食べ過ぎになり~という医師の意見を時々見ますが、まあ、糖質制限してみないとわからない感覚なんだろうと思います。

 これも同感です.

 糖質制限は,従来の理論や慣習と食い違い過ぎて,実際に経験しない限りは理解する事は困難でしょう.

> ところで断食ですが、はたしてどれほど減量につながるのか、と思ってしまいます。
> 断食すれば減量するとは思いますが、それこそ倹約遺伝子が働き、余計に痩せにくさに拍車がかかるのではないか?と思ってしまうのです。
> 森美智代さんもほぼ断食みたいなものですが、写真を拝見すると思ったよりふくよかな様子ですし、つまり痩せるのを目的とするのであれば、断食は手法として適切じゃないのではないかと思うのです。(健康法としては十分アリと思います)
> 一方で、では何のための脂肪なのかという疑問に対しては堂々巡りになってしまう訳なのですが。。
> たがしゅう先生はいかがお考えですか。


 鋭い御指摘です.

 御指摘のように断食を痩身法ととらえるのは少し違うと思っています.

 例えば,やせ体質で太れないと悩んでいる方でさえも断食の意義があると考えています.

 この辺りの私の考えについては,後日まとめて記事にさせて頂きたいと思います.

断食中の生命維持のしくみ

2014/07/05(土) 22:37:18 | URL | #-
長期の断食でも生命が健常に保たれるしくみは、推測ですが遺伝子ONに引き続いて、核エネルギー、生体内常温原子転換、オートファジー、腸内細菌、でいつか科学的に説明されるかと愚考します。

Re: 断食中の生命維持のしくみ

2014/07/06(日) 00:05:07 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
同感です.

糖質制限の理論の延長線上に断食(絶食療法)の科学があると考えています.

断食の理由は、

2014/07/07(月) 11:23:34 | URL | #-
私にとって霊性向上のためです。

先には霊性の科学があります。(物質科学を内包したもの)

No title

2014/07/07(月) 21:46:27 | URL | k #-
まず、先生の当直はいい形で間欠断食できていいな~!です…。
糖質量を厳しくカットしていた頃は、私もそんなふうに出来ていたんですよ-!
やはりスタミナアップ状態なので、すご~く短い仮眠だけでも、朝まで元気に働けますし。
でも今は・・・患者さんや同僚からの差し入れ、旅土産(レアだったり素敵感あふれる糖質)をついうっかり誘惑に負け、、或いはお義理で摂取いたすことになる事が増えました。当直以外でも。

しかし、糖質オフ生活で改善された体調の良さは、大きく崩れません。それは不規則な食事のお陰、と考えています。
たしかに先生と同じで、どんどんスリムに・・・はなっていきません(失礼)
ちょっと残念レベルでキープな感じ…。(全然検査もしてないので、持病がどう変化しているかも定かではありません。)
ワタシも倹約型なんだわ~…これが私の恒常性なの~?。と残念になったりしますし、きっと長年の高糖質摂取のせいで、ミトコンドリアの量も少なくて小さくて、機能も良く無いんだ~!とか考えていたりします・・・。

毎日たいてい朝食なしで、(たまに摂っても卵のみとか)そのまま忙しくて食べずに夜遅くまで残業になったり(作業効率もいいし、ラッキー!と思いつつ)することで、上手くいってるんだと思っています。先生のように2~3日は実行出来てませんが。
体調がいいので油断もあってちょびちょび糖質摂取・・・の状態が嫌になりわざとそのあと1日半食べない、くらいが最長です。

私も長めの断食に再挑戦したいと思っています。
断食らなくても、間欠的なモノで体調キープならそれでいいじゃない、という考えも自分の中にはまだありますが、やっぱりちゃんとやって、やった頃の良い変化を体感したいし、何よりDATAとってみたいので。項目のベストチョイスやどのように後天的遺伝子制御変化を実感できるのか、数値からどう読み取ればいいのかなんて私には詳しくわからないですが。
前回は先生の期間よりも短くなりましたし、細かいデータは取れませんでしたので、前中後の準備をしてから、ですね。私は自分の院内ではやりにくいので、準備というのはまず検査を頼めるところへの相談です。(多分I先生に…)

私の周りにも、きいてみると自宅ファスティング、道場経験者が結構います。去年外来見学をご一緒した方もでしたが、女医チームにも多いです。
ただ、皆様高糖質からの実行なので、前日までの準備や勇気がいるし、辛かったし、復食のスムージーを飲み過ぎてしまった、とか話します。
そう、だいたい酵素ジュースを飲みながらとか、スープや果物、おかゆ、と糖質摂取がセットになっているんですよね・・・。前日まで肉は摂らないとか、復食も糖質とか・・・。
で、初期のアシドーシス症状については、「断食での好転反応で…」、「デトックスの解毒状態」などと説明にあったりしますね。私の場合クエン酸持参かな・・・。出されるものを控えればいいのでしょうが、やはり見れば摂ってしまいそう。お金出して参加したいものはないです・・・。今の所。

自力で気合入れて普段の生活を送りながら、は誘惑もPOチャンスも有るのでやっぱり困難だから、休暇とって何もないところで(観光地は名産などを食べたくなっちゃう)実行してみたいです。女性だからよりいっそうビジュアルに弱いし。

糖質制限者同士での宿坊籠り、とかなら可能かな~なんて思ったり…。
出来たら痩せ過ぎの家人を連れて、が理想です。
(実は来月の決行を考え中です…。)
先生は、いいところを見つけられたのでしょう?環境をを整えることから、とは具体的にどのようなことなのでしょう?知りたいです・・・。

Re: 断食の理由は、

2014/07/07(月) 23:19:05 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
> 私にとって霊性向上のためです。
> 先には霊性の科学があります。(物質科学を内包したもの)

 コメント頂き有難うございます.

 断食についてはいろいろな捉え方があるのですね.

Re: No title

2014/07/07(月) 23:23:27 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
k さん

 コメント頂き有難うございます.

 思考停止に陥らないよう日々考え続けている次第です.

> 環境をを整えることから、とは具体的にどのようなことなのでしょう?

 例えば,部屋を掃除して身の周りに食べ物をおかないようにする,スーパーに買い物に行く頻度を減らす.無駄にテレビをつけない,などになります.

 でもなかなか今までの習慣がこびりついていて,こうした事を変えるのも「言うは易し,行うは難し」ですけどね.諦めずに挑戦し続けたいと思っています.

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