肉食で健康寿命を延ばす
2014/05/20 00:01:00 |
偉人に学ぶ |
コメント:4件
2014年6月の文藝春秋に,
「医療の常識を疑え」という特集が組まれていました.
その中で,『90歳でも「現役女性」の生活習慣』という記事があり,
漫才師の内海桂子さん(91),百メートル走世界記録保持者の守田満さん(90),現役最高齢ピアニストの室井摩耶子さん(93)という3名の様々な事について書かれていました.
その中でまず世界的ピアニストの室井さんは「集中力はいいお肉から」とおっしゃっているのです. その室井さんに関する部分の記事を少し抜粋してみたいと思います.
(以下,引用)
「元気の秘訣はわからないけれど,集中力を長続きさせる秘訣ならあります.
それはお肉.それも”いいお肉”じゃなきゃダメなのよ」
これは二十数年に及ぶヨーロッパ生活の中で身についたことだという.
圧倒的に体格で勝る欧米人の中で,小柄な日本人が対等に競うにはピアノの技術以前に体力と集中力を付ける必要性を痛感したという.
そして色々と試していく中で,最も効果が顕著だったのが”肉”なのだ.
「和食だと頑張っても1時間,お肉も安いスープ用の肉だと2時間が限界.
指は鍵盤を叩いていても,頭の中では別のことを考え始めてしまうんです.
でもタータルビーフステーキ(牛の生肉料理)に使うような最高級のお肉を食べると,4時間きっちりピアノに集中できる.
こればかりは見事に値段と連動しているのね.
だから私は,若くてお金のなかった頃でも,演奏会が近づくと無理して高級なお肉を買って食べていました」
(引用,ここまで)
室井さんのピアノの腕前はYou tubeなどで動画で観る事ができますが,
90歳を超えているとは思えないほど素晴らしい演奏をなさいます.
そのこともさることながら,動画でみる室井さんの語り口調は,
とてもはきはきとしていて脳がしっかり働いている感じが伝わってきます.
もう一人,90歳の現役アスリートである守田さんの食事に関しては
次のように書かれています.
(以下,引用)
(前略)
そんな守田さんのスタミナの源は,うなぎと生卵.
うなぎは大会の前日に必ず食べる”勝負食”.
一方の生卵は毎朝1個,疲れを感じる時には2個を,ご飯にかけたりせずにそのまま飲む.
「うなぎも卵も,誰かに言われたわけではなく,自分で勝手に始めたこと.
でもやってみると調子がいいからやめられないんです」
守田さんの好物はもう一つある.
ピアニストの室井さんと同じ”肉”.
特に好きなのが牛肉の脂身だ.
「孫や曾孫たちと一緒に食事すると,母の脂身好きを知っているからみんなが脂身を譲るんです」
と話すのは長女の恭子さん.
真夏でも背中に扇風機を当ててすき焼きを食べるのが楽しみだという彼女の体重は,
この20年以上,40~42kgの範囲内.
食生活で心がけていることは,毎食後に果物を食べること.
みかん,りんご,梨など,必ず果物は食べるし,食べないと落ち着かないという.
(引用,ここまで)
糖質制限がこれだけ世間に認知されるずっと前から,
守田さんは肉,卵の重要性を自身の体験から実感されています.
まさに「自分の頭で考える力」を備えている様子が伺えます.
最後の果物の記載に関しては,依存症を示唆する内容である感も否めませんが,
それにしても,二人に共通する「肉食」が,健康で長生きするための大きな秘訣である事が伺えます.
最後に漫才師の内海さんの食生活に関してですが,
該当箇所を読むと,「食べ物に好き嫌いはないが,”強い味”を好む」とあります.
内海さんはお酒も好きだそうですが,そうなると肉や酒のつまみ系のものがお好きである可能性も高そうです.
このように,ただ長く生きるだけではなく,
「健康に長く生きるためにどうすればよいか」という命題に対して,
実際に結果を出しておられる人達の言葉には重みがあります.
全てを鵜呑みにするというわけにはいかないにしても,
こうした人達の言葉には非常に価値があると思っています.
大いに参考にして,自分の人生にも活かしたいですね.
たがしゅう
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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コメント
No title
Re: No title
コメント頂き有難うございます.
No title
ところで果物についてですが甘みの主成分である果糖の血糖上昇はブトウ糖に比べ緩やかだと聞きました。
炭水化物依存症というよりはベースで糖質制限している高齢者が体が欲している糖質を健康的に摂取しているように感じます。
Re: No title
コメント頂き有難うございます.
> ところで果物についてですが甘みの主成分である果糖の血糖上昇はブトウ糖に比べ緩やかだと聞きました。
御指摘の通り,果糖自体は血糖値をほとんど上昇させないのですが,
果物には果糖とブドウ糖が両方含まれており,やはり血糖値を上昇させますので,中毒性も形成する可能性があります.
他にも注意点があるので,現時点の私の考えとしては,果物は季節のものを少量楽しむ程度に留めておくのが無難ではないかと思っています.
2013年11月16日(土)の本ブログ記事
「果物の甘い罠」
http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-89.html
も御参照下さい.
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