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従来の常識を捨てきれない人達

category - よくないと思うこと
2014/ 03/ 28
                 
糖質制限を知ってからというもの,

私は自分の患者さんの栄養指導を栄養士に頼らなくなりました.

というのは栄養士の方の多くは糖質制限に否定的な姿勢だからです.

私の病院の栄養士も相変わらず炭水化物50-60%を基本とした栄養指導をし続けています.

しかし糖質制限に理解のある栄養士さんも着実に増え続けているのも事実です.

この間コンビニに立ち寄ると,次のような本を見つけました.



監修されているのは管理栄養士の伊達友美さんです.

「食べやせ」という事で興味深かったので購入して読んでみました.
            

本の中には「食べやせ」のエッセンスとして次のような事が書かれていました.

~食べてやせる8つのルール~
①赤身肉で脂肪を燃やす
②青魚の「脂」で不要な「脂」を排出する
③質のよい油をとればやせやすくなる
④主食はご飯を選ぶべし
⑤スープと薬味で体を冷やさない
⑥生の食品で「酵素」をとる
⑦食べやせ順に箸をつける
⑧「空腹こそ正しい食べどき」と知る



この栄養士さんが言っている事の多くは賛同できますが,

糖質制限をテーマに扱う当ブログと致しましては,やはり④はどうしても気になります.

どういう事をおっしゃっているのかもう少し詳しく見てみます.


④主食はご飯を選ぶべし

ダイエットのため炭水化物を抜く人がいるようですが,じつはやせたいならば主食は不可欠!

とはいえ軽めにするつもりでパンやパスタを選ぶのはNGです.

パンやパスタなどの小麦系の主食は身体を冷やし,代謝を下げやすいので,「食べやせ」には向きません.

日本人のダイエットにぴったりなのは,やっぱりご飯!

消化しやすく,体を冷やさないご飯は,脂肪を燃やすためにもぜひ食べるようにしましょう.

忙しくてご飯を炊けない日のために,切り餅などを常備しておくのも便利です.

イタリアンなどを食べるときもパスタでなく,お米を使ったリゾットがベター.

ちなみに麺類なら小麦粉でできたうどんやラーメンより日本そばがおすすめで,小麦粉が使われていない十割そばならベストです.



栄養の専門家である管理栄養士がそのように言えば,信じてしまうのは普通の感覚だと思いますが,

糖質制限の観点でみると,これが非常におかしい事を言っているという事がわかります.

特にパンやパスタ,ラーメンなどの小麦系は身体を冷やし,ごはんやそばは身体を冷やさないという点が納得がいきません.

なぜならば糖質そのものが冷えの原因となるからです.

やはり残念ながらこの栄養士の先生も,炭水化物50-60%を中心とする従来型栄養指導の理論に立脚していると思います.これでは,いくら良い事を言っていても水の泡です.



栄養士の皆さんは,この炭水化物50-60%に何の科学的根拠もなかったという事実をもっと直視すべきだと思います.

ではどうしてこの炭水化物50-60%が基本だと決まったのかと言いますと,

1960~1970年代の国民の平均的な食生活の内容が炭水化物50-60%であったというだけの事なのです.

体に良いから炭水化物50-60%なのではなく,「みんながそうしていたから炭水化物50-60%」だったのです.

糖質制限の理論を知れば,炭水化物50-60%に科学的根拠がないばかりか,それがいかによくない比率であるかがよくわかります.

そこを見直せない限り,正しい栄養指導をするのは不可能です.



また一見糖質制限を理解しているようでも,

よくみると従来の栄養理論と両立させようという栄養士さんもいたりします.

例えば「糖質は重要なエネルギー源」などと考えていると,本当の意味で糖質制限を理解しているとは言えないと私は思います.

なぜなら糖質を摂らなくても,というよりも摂らない方がヒトは血糖値を一定で維持できるし,いざと言う時のためのグリコーゲンだって糖新生で十分貯蔵できるからです.

糖質を嗜好品として楽しむのはアリだとは思いますが,少なくとも重要なエネルギー源だとは私には到底思えません.


世の栄養士さんが糖質制限の事をきちんと理解してくれる事を祈るばかりですが,

残念ながら栄養士さんが理解してくれるまで待つ時間はありません.患者さんには待ったなしの状況の人もいるからです.

だから私は引き続き栄養士さんに頼ることなく,

自分の頭で考えて栄養の事を考えていきたいと思います.


たがしゅう
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コメント

非公開コメント
        

No title
そもそも冷えって何なんでしょう?

糖質制限を始めて確かに手足の指先が冷えなくなりましたが、感覚的な事以外の明確な定義ってあるんでしょうか?
具体的な検査方法とか(笑)

曖昧さが全ての元凶だと思うんです。
Re: No title
ヤシロ さん

 コメント頂き有難うございます.

 確かに冷えを客観的に検出する検査は意外と乏しいです.サーモグラフィーがそれに近いですが,触って冷たいかどうかと,それを不快に感じているかどうかで冷えを認識するのが基本ですね.

 検査で検出できない症状は現代医療では「不定愁訴」などと言って軽視されがちですが,それらもただ検査で検出できないだけであり,「確かにそこにあるもの」と認識できるかどうかが重要です.
栄養士さんの事情
糖質制限食を理解して広めようとする栄養士さんの活動があるのですが、その講師を務める管理栄養士さんに聞いたことろ せっかく栄養士さんに講義をしても生かす場が少ないということです

そもそも栄養士さんのニーズは 大病院(栄養指導と入院食の献立作りを兼ねる)、給食や社員食堂のある施設の献立作り、企業の食品開発などに限られているようです

せっかく糖質制限食に賛同して学んでも、組織全体が糖質制限食に賛成しないと実行できない!という悩みがあります
また 小さなクリニックでは 一人の栄養士さんを雇うことが大変難しい状況です

そのような状況ですが、いつか糖質制限食が多数派になるように少しずつ地道に続けていくしかないですよね
大規模病院で 入院食に糖質制限食を選べるようになると 恩恵を受ける人 多数と思います
Re: 栄養士さんの事情
TrueLife 先生

コメント頂き有難うございます。

> せっかく糖質制限食に賛同して学んでも、組織全体が糖質制限食に賛成しないと実行できない!という悩みがあります

確かに「医師の指示の下に」栄養指導を行う関係上、医師が自由に行動するのと栄養士さんが自由に行動しようとするのではかなりハードルが違うのかもしれませんね。本当は糖質制限指導がしたいけど、医師や組織が認めないためにできないという歯がゆい思いをされている栄養士さんもきっといらっしゃることでしょう。

しかし、インターネットや書籍での個人活動において栄養の専門家が無根拠に糖質制限批判をするのは、それとは意味合いが異なってきます。その発言によって多くの患者さんが誤誘導されるわけなので、その責任は重大です。これは見過ごすことはできません。