生存に有利な体質
2014/03/27 00:01:00 |
ふと思った事 |
コメント:10件
1日1-2食の食生活が続いています。
特に最近はほとんど1日1食の事が多くなってきました。
カロリー計算はしていませんが、食べる量としては普通の人が食べる量よりやや多いくらいだと思いますが、
それでも1日3食の人に比べると量はかなり少ないと思います。
だからカロリー理論で考えたら絶対体重が減ってしかるべき状況ですが、にも関わらず私の体重は100kg程度で概ね横ばいか、むしろわずかずつですが増加傾向にあります。不思議です。
また一方で風呂上がりの見た目が筋肉質になってきています。
今日はそんな自分の体質について考えてみます。 そういえば、絶食療法で脊髄小脳変性症を克服された森美智代さんも1日1食の生活でした。
ただし森さんの場合は、1食といっても青汁1杯です。それ以上増やすと森さんの場合は太ってしまうのだそうです。
従来のカロリー理論では到底説明できない森さんの食生活ですが、『炭水化物が人類を滅ぼす』を書かれた夏井睦先生は、腸内細菌が青汁をエサにして森さんのエネルギーを生み出している可能性を指摘されています。
1食食べただけで太るだなんて、太りやすい体質に変わってしまっているじゃないか、と思われるかもしれません。
しかし、1日1食となった代わりに森さんは現代医学では根治不能とされている難病を克服できていますし、
私はと言えば、持久力がつき、うつが治り、脂漏性皮膚炎が治り、フケがなくなり、原因不明の手荒れが改善するようになりました。
私も森さんも体調が良い方向に向かっているというのは明らかでしょう。
ではこのように少し食べただけで太るというのは悪いことなのでしょうか。
現在世の中の多くの人にとっては悪いことだと思われるかもしれませんが、
少し見方を変えれば、現状を維持するために必要最小限の食事量で充分エネルギーを確保できる体質とも言えます。
即ち「生存に有利な体質」だと見ることもできると思います。
私のように肥満から糖質制限を始めた人は私が指導している患者さんを含めだいたい異常な食欲が抑えられて食事回数が減ります。
一方でやせから糖質制限を始めた人が食事回数が減ったという話はあまり聞きません。
食事の回数が少なければ、食事によって受ける酸化ストレスのリスクも当然減ることになりますし、
食欲が出る事は「栄養が足りない!至急栄養を確保せよ!」という身体からの警報装置だとすれば、警報が鳴る回数は人生で少なければ少ない方が良いと思えますし、
ある意味、老化しにくい食生活とみる事ができるかもしれません。
また糖質制限の実践により食事回数が減るかどうかで意見が分かれるのと同様に、
糖質制限して睡眠時間が短くても大丈夫になるか、ぐっすり眠れるようになるかでも分かれる傾向があると思います。私はどちらかと言えば後者です。
一方,脳の領域では最近、グリンパティック系という脳の自浄システムが注目されてきています。
このグリンパティック系は寝ている時に活性化するとされています。
即ち一日の活動の中でたまった老廃物を良質の睡眠がお掃除してくれるというわけです。
この老廃物の中にはアルツハイマー病でたまるアミロイドベータという異常蛋白も含まれていますので、
良質の睡眠を取ることは認知症の予防につながる可能性があります。
私の場合1日の中で1食を食べるのは夜です。その理由は朝お腹がすかない事が多いのと、昼は忙しくて食べられない事が多いから必然的にそうなるからなのですが、
一方で夜に食べると動かないので脂肪が蓄積されやすいとも言われているので、一度この1日1食を朝にずらしてみようと試みたことがありました。
しかし、実際にやろうとすると,どうも身体が拒否をするというか、無理している感が否めません。
それに夜食事したらその後良い感じで眠たくなり、ぐっすりと眠れて翌朝寝覚めがよくてとても心地よいのです。
誰に言われるでもなく自然な形で定着してきた1日1回夜食スタイルですが、
それで現状維持ができ、老化のリスクも減り、さらに良質の睡眠で認知症リスクも減るというのであれば、
今のままでもあながち悪くはないかなとも思えます。
とはいえ自分の都合の良い解釈に傾きすぎている感もあるので、異論反論もあるかもしれませんが,
それでも恐れずこれからも仮説は提示していきたいと思います。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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1日1食で済む体質、羨ましい限りです。
私は先生とは逆に、自分は燃費の悪い体質かも…と最近思い始めています。
と言いますのも、糖質を1日3回食べていた頃の私は、常にカロリーを控えめにしてないとあっという間に太ってしまうため、太りやすい体質なんだと思っていました。
ところが、糖質制限を始めて1年半になりますが、かなり意識して脂肪や肉をとらないと(バターを1回に50g以上とか)ドンドン痩せてくるんです。
女にしてはかなりの大食いにもかかわらずです。
ここ1年近くは授乳中だったのでその影響もあるとは思います。
ただ、完全母乳ならともかく、母乳は多い時でも2〜3割ほどでしたのでそこまで影響するものかなぁ?と。
これまでの経過をご報告しますと…。
糖質制限開始時は妊娠13週あたりで、156cm49.5kg。
妊娠前は48kg、体脂肪率21.5%です。
妊娠後半はやたら肉が食べたくて、多い時は週3で焼肉へ行き、主人より沢山食べてました。
家でも糖質以外は食べたいだけ食べ、出産10日前まで仕事(調剤)はしてましたが、運動は全くせず。
にもかかわらず、結局52kgまでしか増えず、39週で産まれた赤ちゃんも2300gとかなり小さめ。
あれだけ食べていた肉は一体どこへ消えたのか…。
そして産後ジリジリと痩せ、8ヶ月後には43.5kgまで落ちました。
今月初めに断乳し、現在は45.5kg前後、体脂肪率20%前後です。
ここ3ヶ月は、昼夕の1日2食+間食です。
赤ちゃんを連れてほぼ毎日40分程度散歩しますが、あとはずっと家の中です。
妊娠・授乳中という特殊な状況のせいだったのか、それともやはり私は本当に燃費が悪いのか。
これから更に糖質制限を続けることで、はっきりしてくると思います。
また経過をご報告しますね。
長文失礼致しました。
Re: タイトルなし
貴重なコメント頂き有難うございます.
人によって適正体重は違うところにあると思います.やせ過ぎたと思っていても体調がよければ大丈夫だと思います.
私の体質も良し悪しです.一つの参考程度に思って頂ければ幸甚です.
ご報告
以後2ヶ月、ほぼ64キロの体重維持で現在に至るです。
どこまで体重が減少するか、道中はやや恐る恐るの人体実験でしたが、なんとか64キロ前後で均衡状態に入りました。
この時点でBMIは22前後とまさに理想的な水準になりました。実年齢は58歳ですが、タニタの計量計では肉体年齢43歳を示してくれてます。
この間の症状の変化としてはまず1ヶ月後に完全に喘息症状がなくなり、スタチンの薬は飲み続けると危ないと認識し、自己判断で昨年12月に断薬。しばらく不眠で処方された睡眠導入剤も今年1月末には断薬成功。最後に残った高血圧の薬2月末には断薬。ここ1ヶ月最高血圧120前後最低血圧70前後で推移してます。毎日のウオーキング約1時間はほぼ6ヶ月継続中です。
体調はすこぶる快調です。
先生のおっしゃるように、自分の体調(食欲、睡眠、排泄状態、ウォーキング後の状態、体重変化、そして物事に対する意欲)などを総合的に勘案して毎日の状態をチェックしてます。
2回の糖制限食を開始した折は厳しく糖制限していましたが現在は、2食のうち、1回についてはご飯茶碗1杯程度の白米は食べていますし、週末は家族との団らんの過程で少し糖大目な食事になっていますけど、まあ一日2回に食事制限していますので、、過剰な糖質摂取にはなっていないととらえてます。
むしろ全部制限すると、修行僧みたいになりますので、ここは落としどころかと。
あと、今後の管理としては、3ヶ月に一度、医者に通院して血液管理だけは継続的に行おうと思ってます。(そろそろその時期がやってきます)
ただし、この数か月、ずいぶんと薬の副作用を経験させてもらったので、血液検査によるデータのみでの医者の安易な服用指導には従わないであくまで参考程度にして、健康は自己管理していくつもりです。
マユコデラックス さん.たがしゅうさん
不思議ですよね。私は、糖質制限をして5か月後、一日2食。朝と夕にして、3か月ぐらい続けました。昼食べなければ、それだけすい臓や胃などが休まると思って。
その頃は、お昼を食べなくても平気で、昼休みは、1時間目、一杯、散歩していたのですが、昨年の夏ごろからは、お昼を食べないと空腹感を覚えるようになりました。
一時は、やせないのは、「節約遺伝子」のせいだと考えて、1400Kcalしか摂らなかったのですが、 現在は、2000Kcalくらい食べています。もちろん、「糖質オフ」です。
カロリーという概念が、実は不適切なのでしょうか?
体脂肪は11%です。
個人差が大きいし、私個人に関しては、自分自身の体質が、変化しているようです。
人間の体は、思っているより複雑なのかも知れませんね。
No title
糖質制限に成功すると、色々自分の体がわかってきますね。今の時期花粉でクシャミが出ると昨日の炊き込みご飯のせいだな、とか。
自分は長時間ぐっすりで一日二食派ですが、そもそも生活習慣が全然違う一人ひとりに夜食べずに朝飯食えとか7時間以上寝ろとか言うのが傲慢だと思うのですよ。厚生労働省も年金の件で明らかなように責任なんぞ取る気は全然ないんですから黙ってればいいと思います。薬の副作用をインフォメーションするとか、寝たきり老人を減らすべく筋トレのやり方を研究するとかそういう方面に注力して欲しいものですね。
Re: ご報告
コメント頂き有難うございます.
> 自分の体調(食欲、睡眠、排泄状態、ウォーキング後の状態、体重変化、そして物事に対する意欲)などを総合的に勘案して毎日の状態をチェックしてます。
非常に総合的な視点で素晴らしいと思います.特に意欲など高次脳機能にも留意している点がいいですね.
そこまで多様なポイントを患者さんで毎回チェックできている医者はおそらくどこにもいないと思います.しかし自分自身であればそれが可能です.それこそが自分が自分の主治医であるべき所以だと思います.
Re: マユコデラックス さん.たがしゅうさん
コメント頂き有難うございます.
細かい部分を見ていくと糖質制限の効果は人それぞれ多様性がありますね.故に「自分で考える力」が重要になってくるのだと思います.
Re: No title
コメント頂き有難うございます.
> そもそも生活習慣が全然違う一人ひとりに夜食べずに朝飯食えとか7時間以上寝ろとか言うのが傲慢だと思うのですよ。
私もそう思います.一律な指導は管理側の立場はそれで楽かもしれませんが,とてもではありませんが多様性に対応できないと思います.
それぞれの適正体重
私は163cm45Kgで痩せの大食いタイプ。糖質制限を始めたころはついつい前のめりになりすぎて一気に3Kgほど痩せてしまいました(うまく脂質を摂ることができてなかったのだと思います)今思うと糖質+カロリー制限状態になってたのかも。今は意識して脂質を摂るよう心掛けています。
人生で一番よく食べていたときが20歳ころ。ほとんどどんぶり飯状態(食後の眠気が尋常ではないくらいでした)「自分の体が重い」と思う瞬間がありました(そのときで53Kg)
今は一日3食しっかり摂って体重キープってところ。今の体重が私にとって一番いいのかもと思い始めています。
Re: それぞれの適正体重
コメント頂き有難うございます.
私とは真逆のパターンですね.1日3食食べて現状維持という状況にも何か理由があるのだと思います.あるいはもしかしたら長く糖質制限を続ける事で体質が切り替わっていくということもあるかもしれません.
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