いかんともしがたい世界でどう生きていくか
2023/11/15 18:00:00 |
主体的医療 |
コメント:4件
残念ながら医療も政治も、もはやいかんともしがたいレベルまでこじれてしまっているように私は感じています。
医療費が高騰し続けても健康に寄与していないどころか、コロナワクチンやレカネマブのように有害なものさえ承認されてしまっているわけだから、
たとえば「一旦新薬の開発をストップし、薬を使わない方向へインセンティブが発生する方向へ医療の仕組みを変えていきましょう」などと言ったところで、
もはや薬の処方や入院での集中治療で経営が成立しているような業界の人達に受け入れられるはずもありません。
政治についても同じで、税金は財源ではなくて、国債でお金を生み出して世の中に周り過ぎたお金を調整するために税という仕組みがあるのだから、
「財源を確保するような発想で全国民から均一に徴収する消費税は、上げれば上げるほど低所得者が苦しみ、高所得者(特に海外輸出するような大企業)が恩恵を受ける不平等な仕組みとなってしまっているので廃止して下さい」と政府に頼んだところで、
大企業から巨額の政治献金を受けてWin-Winの関係になっている政治家にはとても大企業に不利になるような税制改革はできませんし、
また政府のお金を管理しているはずの財務省は消費税を増税したい強力なモチベーションがあり、その財務省の意向に政治家は従わざるを得ないという構造まで強固に出来上がってしまっているので、改革はまさに困難を極めます。
なぜ財務省がそこまで消費税を上げたがるのかについてはこちらの動画に納得感がありわかりやすかったので参考までに共有しておきます。
もっと言えば、実は教育業界にもいかんともしがたいこじれ構造があると感じていますが、本題から逸れるのでひとまずここでは深くは触れないことにします。
ともあれ、今の世の中にいかんともしがたい構造が出来上がっていることには違いないでしょう。 私たちはこのようないかんともしがたい世界の中で、どう生きていけばいいのでしょうか。
政治や教育の問題は一旦脇におくとして、私が生業としている医療業界について考えるならば、
私はなるべく現代医療から距離をおくことに尽きると思っています。
そんなことをすれば、病気になった時に苦しむことになるし、保険料を支払っているというのに医療を使わないのは保険料の払い損だという考えだってあるかもしれません。
でも、まず後者に関しては、保険料を支払っているのに自分が保険医療を使わないということは、
まず自分が払った保険料が他の誰かを救うことに使われる可能性が高くなるという見方もあると思います。
個人の保険と違って、みんなが関わる保険ですから、お金の払い損には必ずしもならないと私は思います。
ただその支払われた保険料が本当に病気の人を救うために使われているかどうかというのが問題なんですよね。
薬の処方や入院によって収益の恩恵を得るのは医療機関の特に経営者でしょう。あるいは製薬会社も巨額の利益を得ていると思います。
その結果、患者は救われているのかと言われたら、私にはどうもそうには思えないのです。
むしろ真綿で首を絞めるようにジリジリと追い詰められているにも関わらず、それに気づかずに結果的に自分を苦しめるものに対してせっせとお金を払い続けているような状況に思えます。
だから例えば私が保険医療を使うことを節約したからといって、その分、私ではない別の人が病人として搾取されるだけ、ということになりかねません。
だから私のように保険医療を使わない人口がもっともっとたくさん増えるべきだと私は思っています。
結局、病院の論理に従わなければ、そしてなぜ病院の論理に従わなくて大丈夫なのかを心底納得できる人達が増えれば、
不安や恐怖にさいなまれることなく、満を持して病院に頼らないで済むようになり、
結果的に最小限の病院利用で幸せな人生を歩むことができる人が増えていくのではないかと私は考えています。
要は、既存の病院の論理に従う人が多数派だから搾取することができるのです。
例えば国民の7割くらいが、「ちょっとやそっとで病院に行かない方がいいし、ましてや薬をずっと飲み続けるようなことは極力しない方がいい」という理解が広まれば、
保険医療を日常的に利用する人口は最大でも国民の3割程度となってしまうので、
保険医療で搾取しようにも、搾取する対象が少なければ搾取できないという状況を作ることが理論上は可能です。
そうなれば初めて、「このままの医療体制ではマズい」ということを考え直す必要に迫られるわけですが、
その時には7割の国民は日常的な病院医療を必要としない感覚に至っているので、
病院の数は最小化されて、本当に必要な医療だけが残るという世界へとつながっていくのではないかと私は考えます。
そのような世界を一日でも早く作るために、私は主体的医療の文化を育て広めて行こうと思っています。
ちなみに、政治の方はどうでしょうか。
医療以上に改革は困難だと思います。お金の力は絶大だからです。
ただまず医療の改革が先に起これば、医師会という巨大な利権団体の影響力が小さくなります。
それがどのくらいの影響力を持っているのかは私には計りかねますが、多少なりとも政治家が医療に関わる利権に群がる意欲を削ぐことには寄与するかもしれません。
でもまぁそうなったとしても政治家には他にも多種多様の利権があるでしょうから、
ましてや消費税ともなれば、もし医療が改革されたとしても、きっと関係なく続けられていくことでしょう。
正直言って政治を変えるのに正攻法以外の方法は私には思いつきません。
でも変えられるところを変えていくしかできないし、
一人では思いつかないことであっても、人数が集まれば打開策が見つかっていくこともあるでしょう。
変えていく途中で新たな可能性が見えてくることもあるかもしれません。
とにかく可能性を捨てずに、できることを繰り返し積み重ねていくこと、
そのプロセスの中で、変幻自在に社会への働きかけ方を見直し続けていくこと、
これしかないのかなと今は思っています。
そのために対話的に仲間を増やしていこうと思います。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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医療問題と経済問題
それに比べると、経済記事に関するコメントは意外に分かっている人が多いなという印象です。体感ですが半分近くはそれなりにまともなコメントですかね。ネットなどで積極的に情報収集する層にはある程度正しい知識が広まっているのかもしれません。ただテレビ、大新聞などの大手マスコミの情報はほぼ全滅なので、それらにしか触れてない層は厳しいですね。
Re: 医療問題と経済問題
コメント頂き有難うございます。
> ネット記事やそれに付けられているコメントなどをよく見ているんですが、最近も糖質制限について、江部先生や福島先生の記事に対して圧倒的に批判的なコメントが寄せられていて、さらにそのコメントに大量のいいねが付いているのを見て嫌な気持ちになりました。
> それに比べると、経済記事に関するコメントは意外に分かっている人が多いなという印象です。体感ですが半分近くはそれなりにまともなコメントですかね。ネットなどで積極的に情報収集する層にはある程度正しい知識が広まっているのかもしれません。
興味深いご指摘です。
糖質制限については理解度の強弱はあるものの、存在自体はかなり周知されてきた印象です。
2013年〜2015年頃には私のような中小ブログにも批判的なコメントが多く寄せられていた時代がありましたが、最近はそれもほとんど見られなくなってきていたので、随分落ち着いてきたのかと思っていましたが、矢面に立たれている先生方のところには未だに批判的なコメントが寄せられてきているのですね。
一方で経済のことに関しては糖質制限以上にわかっている人が多いのに、世の中が一向に良くなっていかないという状況のように思えます。それだけ既得権益が強大で、声を上げる手段が極めて限られているということも関係しているのかもしれません。
両者の違いとしてパッと思いつくこととして「個人の体験に落とし込めるかどうか」ということがあります。
糖質制限を批判する人は、かなりの確率で自分では実践していない人(もしくは1ヶ月未満の実践でやめた人)だという個人的な体感があります。逆に糖質制限を実践し、その恩恵を肌で感じられた人は糖質制限を否定する理由がありません。逆になぜ常識では糖質制限食を推奨していないのかについて深く考えていくことになります。つまり、糖質制限食が社会的に認められていようがいまいが、自分の生き方を貫いていくことができます。勿論、常識の壁は立ちはだかりますが、自分さえ強く持っていれば実現可能な道です。
ところが経済の方は、いくらわかっていても変えられない辛さがあると思っています。どれだけおかしなことが展開されていても、現状政治家の思うがままです。特に与党のみならず、野党でさえも根本的に経済の理解が間違ったまま論戦が繰り広げられているのですから絶望的です。全く生産性のない、それどころか国民が搾取され続ける方向へ導くような議論が、多大な時間とお金をかけて繰り広げられ続けていることを考えると、絶望以外の何者でもありません。しかもたとえ正しい経済の理解をした人が政治の世界に入ったとしても、それを全力で潰しにかかる利権構造が確固としてあるわけですから、まるで社会は不可逆的な病に侵されているかのようです。
それでも小さな範囲からでも伝え続けていくことしかできないと思っています。少しずつでも状況が好転していくことを願うばかりです。
エイリアンインタビュー
たまたま興味本位で読み始めたエイリアンインタビューという本に、何故地球人はこのように愚かで互いに傷つけあっているのか説明されてます。宇宙のごみ捨て場とさえ言われてショックでした(全員がゴミではないのですけど)。理に叶っていて衝撃的な内容が書かれており、「ああ、だから人類はこうなんだ。。。」と納得。ただ、今はここ地球で生きている以上、状況を受け入れて最善を尽くすしかないですね。
Re: エイリアンインタビュー
コメントいただき有難うございます。
頂いたコメントを読んで、相田みつを先生の「うばい合えば足らぬ わけ合えばあまる」という言葉が頭をよぎりました。
客観的に見てわけ合った方がいいに決まっているのに、なぜ人類はわざわざ同じ状況で「うばい合う」という選択をするのか、と考えずにはいられません。そこに至る必然的な理由が書かれているということなのでしょうか。
一方できれいごとでは世の中を生きていくのは難しいだろうということも確かにあるだろうとも思うのです。その中間のちょうど良いところがどこなのか、こんな世の中でどう生きていくのが一番収まりが良いのかについては、諦めずに考え続けて生きていきたいと思います。
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