「ウイルスが感染する」という見方で生じる矛盾

2023/11/01 18:00:00 | ウイルス再考 | コメント:2件

前回は、ウイルスを人工的に操作し強毒化させる試みは失敗しているという意見について書きました。

今回はそこからさらに踏み込んで、ウイルスが感染するとはどういうことなのかについて、主体的医療の目線から見える世界を説明してみようと思います。

今更何なのかと思われるかもしれませんが、実は私は今回この世界を説明しようと思う明確な目的があります。

私はこの私に見えている世界を示すことで、特に今ひとつまことしやかにワクチン慎重派の間でささやかれているとある言説に対して、別の見方を提示したいと思っているのです。

そのとある言説というのは「コロナワクチンを打った人が、スパイクタンパク質を産生し続けている」というものです。

mRNAは細胞内に入っても短時間で分解されるというふれ込みだったので、コロナワクチン接種推進派の人は決して認めようとはしませんが、

どうやらコロナワクチン接種後、mRNAが入ったことで産生されるはずのスパイクタンパク質が、

2-6ヶ月程度経過したコロナワクチン接種者の血液検体からスパイクタンパク質の検出が確認されたという基礎研究論文が発表されているようなのです。 基礎研究なので、根底からデータを捏造されていない限りは、比較的ごまかしがきかない結果だと思いますので、一旦この話を真だと受け止めて考えますと、

ワクチン推進派の「mRNAは短時間で分解される」という主張に説得力がなくなるというのはもちろんですが、

一方でワクチン慎重派の中では「スパイクタンパク質は毒」という言説もまことしやかにささやかれています。

もしこの言説だけを絶対的真実のように受け止めていれば、今回の基礎研究論文自体が不安・恐怖をもたらす元になってしまいかねません。なぜならばコロナワクチンを接種したら、体内で毒を産生し続けてしまう状態に陥るという話になってしまうからです。

私はその言説には否定的なのですが、その理由を説明するためには、主体的医療の視点では「ウイルスが感染する」という現象をどのように捉えることができるのかを知ってもらう必要があります。

まず私はスパイクタンパク質はただのタンパク質の一種であって、必ずしも毒だとは思っていません。

ただし何らかの原因で自律神経過剰刺激状態にある人にとっては、まるでスパイクタンパク質が毒であるかのようにしか見えない状況は起こりうるとは思います。

さて、一般的には「ウイルスが感染する」という現象は、医療者から次のように説明されているのではないかと思います。

親ウイルスから子ウイルスへ?

(※画像はこちらのページより引用)

図のように、親ウイルスが何らかの仕組みを使って見事に人間の細胞を乗っ取って、遺伝情報からタンパク質を作り出すことに成功し、その工程によって生み出された子ウイルスがまた細胞外へとスムーズに排出されて、次の感染の場を探していく、この一連の流れで「ウイルスが感染する」という現象が理解されているのではないでしょうか。

以前、このようなウイルスの増殖の在り方を、私は「まるでプロレスのようだ」と表現したことがあります。

つまり相手がまことに協力的でない限りは、このような見事な乗っ取りは不可能なのではないかという見方です。

そして私がこの「ウイルスが感染する」という見方でもっとも納得がいかないのは、「重症ウイルス感染症患者であっても、一度としてウイルス塊を見たことがない」という点です。

ウイルスに感染されて、しかも重症で、その重症の原因が子ウイルスが体内に溢れかえっているのであれば、

一度はウイルスの塊を見て然るべきですが、私は今までの約20年の医師としての臨床経験の中で、一度たりともウイルスの塊を見たことはありません。

細菌塊であれば見たことはあります。正確には細菌の死骸の塊と言うべきでしょうが、細菌が感染するメインの病巣に膿という形で細菌塊を観察したことはいくらでもあります。敗血症の患者であれば、血液を培養することで細菌の存在を証明することもできます。

一方のウイルスは一般的には細菌の10分の1の大きさだとは言われていますが、そもそもウイルスは指数関数的(2→4→8→16→32→64→128→256→512→1024→…)に増殖するとされていますから、最初の大きさに10分の1くらいのハンデがあるからと言って、塊が見えなくなるほどの差ではないはずです。もっと言えば、細菌と同じくらいの大きさのウイルスだっています。

もちろん、ウイルスは生きている細胞に感染していないと生きられないという話もありますが、それでも細胞の外に出た瞬間に死ぬわけではないでしょうし、死んだとしても塊を作ることくらいはできるはずです。

あるいは重症ウイルス感染症では、ウイルスをやっつけるための免疫が働き過ぎてもはやウイルスはいないけれど、免疫の暴走が起こっているという捉え方もありますが、

それでも常に免疫がウイルスを押さえ込んでいるとは限りませんし、むしろ重症細菌感染症のように免疫が抑え込めないくらいにウイルスが増殖しているからこそ重症化すると考える方が自然ですし、少なくとも理論上はウイルス増殖を免疫が抑え込めていない時期は存在しうると言えます。

それなのに、私の知る限り、世界中の誰も患者から直接ウイルスの塊を報告したことがないのです。

ただ誤解のないように言えば、敗血症のように細菌が血液の中に確認される状態は、ウイルスの場合「ウイルス血症」と呼ばれており、この状態は医学的に観察することができます。

ただこの「ウイルス血症」という状態はどのように確認されているかと言いますと、

患者の血液検体にPCR検査を行うとか、ウイルスの一部のタンパク質を検出するなどの方法で、間接的に「ウイルスが血液中にいるのだろう」ということを推定した状態に過ぎません。

なぜ、ウイルス塊は一度も人間によって観察されたことがないのでしょうか。

私は上図の「ウイルスが感染する」という現象の解釈が現実を歪んで捉えているからではないかと思っています。

言い換えれば、「ウイルスは病原体である」という前提でウイルスにまつわる現象を眺めているからこそ上図のような解釈になるのだとも言えると思います。

私の主体的医療の目線で見れば、「ウイルスが感染する」という現象は遺伝子の水平伝播の一型です。

同じようなことだと思われますか?

全然違います。何が違うかと言われれば、子ウイルスができないんです。

遺伝子の水平伝播という現象は、ウイルスの遺伝子であろうと他の外在遺伝子であろうと、何らかの原因で人間の遺伝子と近接した際に一定の確率で起こりうる現象です。

またどの遺伝子であっても、均一の確率で発生するわけではなく、必然性のある塩基配列がある場合に、挿入されたり、組み替えられたりといった現象が起こり得ます。

俗っぽい表現で言えば、ある遺伝子断片と親和性の高い人間細胞の遺伝子が近接した際に遺伝子の水平伝播という現象が起こりえます。

とにかくとある外来遺伝子が、これと親和性のある人間細胞の遺伝子に一部が組み込まれると、

これが「ウイルスが感染する」と解釈されている現象のもう一つの捉え方です。

そう捉えると、人間の細胞からすれば、少し設計図の遺伝子が変わっただけなので、基本的には通常通り必要なタンパク質を作り続けます。

別に子ウイルスのようなものができるわけではありません。ただ組み込まれたウイルスの遺伝子がたまたまスパイクタンパク質という無機能なタンパク質を作るようにコードされているものであれば、

通常運転に紛れてスパイクタンパク質が産生されることはあるかもしれません。

ただそれは曲がりなりにも人間細胞に組み込まれており、つまり人間細胞と親和性のあるウイルス遺伝子であるわけなので、

毒を作るということにはなりません。ただ単に無機能なタンパク質がついでに作られてしまうだけのことです。

なぜそう思うかと言えば、コロナワクチンを接種した人達の大半が元気に過ごされているからです。

確かに副反応の度合いは過去最大でしたし、重篤な副反応や後遺症をきたしたという方々がいることも知っています。

それでもやはり全体として多数派はコロナワクチン接種後、無症状と今までと変わりなく仕事とか生活できている人だと思います。

もしもコロナワクチン接種後2-6ヶ月経過してもスパイクタンパク質を産生しているということが事実であったとしても、ほとんどの人が平気なのであればスパイクタンパク質は毒として機能していないということになります。

そしてコロナワクチン接種後に重篤な副反応をきたした人達の宿主側(ウイルスに感染される側)の要因として何かあったかもしれないという可能性をやはり考えざるをえないということになります。

とは言え、打ったコロナワクチンがどうやら均一ではなく、ロット番号ごとで違う性質のものがありそうだという話もあるので、一概に宿主だけが要因だとも言えないとは思いますが、

それはウイルスの遺伝子が入ったことが原因ではなく、mRNAワクチンに入っている非常に分解されにくいLNP(脂質ナノ粒子)が要因となっている可能性も十分考えられますので、

やはりスパイクタンパク質自体が毒であるという考えには賛同しかねます。

もっと言えば、コロナワクチン接種者の人で、今はスパイクタンパク質を産生しているという状況であっても、もしかしたらそのうちそのような無機能なタンパク質を産むだけの遺伝子は他の親和性のある外在遺伝子の水平伝播にとって代わられてしまうかもしれません。

このように「ウイルスが感染する」という現象を捉え直すと、前回考察したウイルスを人工的に操作し強毒化するという行為が成功しないことも当たり前だと言えるかもしれません。

なぜならばどのようにウイルスの遺伝子配列を操作したところで、ただ親和性のある部分には組み込まれ、親和性のない部分には組み込まれないだけだからです。

ただ野菜などの遺伝子組み換え食品では、大きくしたり甘くしたりある程度自在に操作できることを考えますと、

強毒化には成功できずとも、既存のシステムを高めたり、弱めたりすることについてはひょっとしたら操作されうるのではないかという可能性は考えられますが、

植物と違って動物は動き続けますからね。そしていつどのような遺伝子と接触するかわかりませんから、

人工的に操作したとしても、また予想外に別の遺伝子に組み換え直される可能性も十分にあるので、なかなかコントロールは難しいのではないかと思えます。

そして戻るようですが、「ウイルスが感染する」という現象を、「遺伝子の水平伝播」的に捉えることによって、他にも説明がつくところが多くなります。

まずウイルス塊が出てこないことにも説明がつきます。ウイルスの遺伝子が水平伝播しても、基本的に細胞の働きは通常運転のままだからです。

それから、よくウイルスでは潜伏感染と呼ばれる状態がありますね。ヘルペスウイルスとか、ヒトパピローマウイルスがずっと感染し続けているというやつです。宿主が弱ったら急にウイルスが再活性化すると言われています。

これはずっとおかしいと思っていました。まず「なぜ宿主が弱るまでその場で潜伏して続けることができるのか」

ウイルスには意志はないと考えられています。そこに細胞増殖装置がある限り、増殖し続けるのがウイルスというものであるはずです。なのに、なぜ宿主に攻撃されることなく、その場にとどまり続けることができるのかというのが、すごい疑問なわけです。

それに免疫力が落ちているという理由づけで、ウイルスが再活性化して激しい炎症が起こるというのもおかしな話です。免疫力が本当に落ちているのなら、発熱という防御反応をむしろ起こしにくくなるはずですし、

それどころかウイルスにとってより過酷な環境になって初めて増殖し始めるという状況に矛盾があると言えます。

しかしこの矛盾も、「ウイルスが感染する」という現象を「遺伝子の水平伝播」的に捉えれば説明がつきます。

つまりウイルスは潜伏したのではなく、単に親和性のある遺伝子が組み換えられただけです。免疫力の低下とは発炎反応と終炎反応のバランスが発炎反応寄りに崩れた状態のことであり、

その状態にあると自己の中の非自己的な存在を攻撃し過ぎたり、高じると自己組織さえも攻撃する状態へ進展しうると考えれば、

帯状疱疹や子宮頸がんがウイルス(の遺伝子が水平伝播した)のせいではなく、自己システムがオーバーヒート(発炎反応>>終炎反応)することに付随して起こる事象であるという見方ができます。

そう考えれば、帯状疱疹の治療にステロイド(終炎反応をサポート)を使って良くなることにも合点が行きますし、実は抗ヘルペスウイルス薬は自分の細胞を攻撃しているだけかもしれないという考えにも至ります。

だからHPVワクチンは私の視点で見れば効く道理がないのですが、

コロナ禍でどんなに効かないものであっても、ワクチンである限り医学論文上はものすごく有効だと演出することができてしまうということがよくわかったので、

HPVワクチンが効くという理由も、医学論文だけが根拠だけなのであれば、眉に唾をつけまくって受け止める必要があると個人的には思います。

さらに言えば、インフルエンザやコロナをはじめ抗ウイルス薬が全般的にことごとく効かない(むしろ有害)ことにも説明が付いてしまいます。

なぜならばウイルスが感染した細胞は、もはやウイルスというよりは自分の細胞が少し変わっただけのものであって、

ウイルスを攻撃しようとすると、必然的に自分の細胞を攻撃することになってしまうからです。抗がん剤と同じ誤解の構造を持っていると私は思います。


私は事実重視型思考です。

ウイルスの塊が観察されないという事実がある限り、

ウイルスという病原体が細胞に感染して、細胞の働きが乗っ取って、子ウイルスを産生し続けるという解釈には納得することができません。

理想的な理論があるのだとすれば、どの事実にも矛盾することはないはずです。

もちろん、一つの理論が全ての自然現象を説明すること自体が無理ではありますが、

1つでも事実に矛盾することがあるのであれば、その理論は疑ってかかるべきだと思っています。

アミロイドβが認知症の原因だと思っていたけれど、除去する薬を使ってもほとんど症状が良くならないどころかむしろ悪化するのであれば、

「アミロイドβが認知症の原因だ」という理論自体を疑うのが事実重視型思考です。

事実を中心に考えれば、疑わしいという理論は、

残念ながら今の医学の中にはたくさんあるように私には思えます。

カロリー制限理論しかり、コレステロール悪玉説しかり、抗体絶対説しかりです。

これからも事実を見失うことなく、矛盾を許すことなく、

主体的医療の考え方を育てていきたいと思います。


たがしゅう
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コメント

老爺の日本語論

2023/11/02(木) 09:31:39 | URL | 種田拓(タネダ ヒラク) #ksqFmK0Y
糖質制限歴11年の71歳の男です。7年くらい前(?)福岡市での糖質制限オフ会に参加した際、先生とも言葉を交わしたことがあります。福間駅前に住んでいて、今は古賀市におりますが、おそらく先生とはご近所だと想像して勝手に身近に感じております。
いつも先生の深い思考には考えさせられ愛読しており、深い敬意を表します。大変面白いです。
さて、つまらぬ言葉上の引っ掛かりについて一言。「ウィルスが感染する」の表現ですが、「感染する」という動詞は本来、受動的な動詞であって、「ウィルスに感染する」ではないでしょうか。感染という状態は被感染者が主体となって成立するのであって、ウィルスが主語的主体的な立場に立つのであれば「ウィルスが〇〇に侵入し感染させる」となるのではないでしょうか。
つまらぬ言いがかりのようですが、以前新聞社を経営しておりましたので気になりました。
ご返信は不要です。これからも目の覚めるような思考に触れさせて頂ければ、これ以上の喜びはございません。ぺこり。

Re: 老爺の日本語論

2023/11/02(木) 10:10:17 | URL | たがしゅう #Kbxb6NTI
種田拓(タネダ ヒラク)さん

 コメント頂き有難うございます。
 その節はお世話になりました。

> 「ウィルスが感染する」の表現ですが、「感染する」という動詞は本来、受動的な動詞であって、「ウィルスに感染する」ではないでしょうか。感染という状態は被感染者が主体となって成立するのであって、ウィルスが主語的主体的な立場に立つのであれば「ウィルスが〇〇に侵入し感染させる」となるのではないでしょうか。

 確かに日本語としては「ウイルスに感染する」という表現の方がよく使われているように思います。
 私も「病原体病因論」の立場で考え過ぎて、いつの間にか「ウイルスが感染する」の表現を何の疑問も持たずに使ってしまっていたようです。

 要は私は「感染する」を自動詞として用い、種田さんには「◯◯に感染する」という他動詞の用法をご指摘頂いたのかなと思いました。また「結核に感染する」とか「インフルエンザに感染する」などのように、◯◯が病気(感染症)の名前の場合は、私も「感染する」を他動詞として使っているように思いました。つまり「ウイルスに感染する」という用法を使う場合、このウイルス自体を感染症のように解釈しているということなのかなとも思いました。細かい話かもしれませんが、考えさせられます。気づきを与えて頂き感謝申し上げます。

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