逆インフォデミックに加担しない
2023/06/28 15:20:00 |
ワクチン熟考 |
コメント:2件
コロナ(あえて俗称で表記します)の感染症法上の位置付けが2類相当から5類へと変更になり約1ヶ月半の月日が流れました。
これで3年余りのコロナ騒動もようやく正常化に向かうかと思われましたが、マスク一つとっても外す人と外さない人との割合が5:5〜4:6くらいでスタンスがはっきりと分かれている印象です。
ワクチンに関しても流石に見直しの動きも散見される一方で、政府や都道府県、地方自治体は高齢者を中心に6回目のコロナワクチン接種推奨の姿勢を崩さずにいるというバランスを欠いた状況が続いています。
少なくとも私には今回のコロナワクチンはもはやかなり有害であるという証拠が着実に集まってきた状況に見えるのですが、
そういう情報に触れることなく、今までと同様にお医者さんにお任せしている人達はさしたる疑問を持つことなくこの有害なコロナワクチンの度重なる接種を受け入れ続けているように見えます。
これだけ様々な人達がコロナワクチンの負の側面を指摘する声を様々な人達が上げていても、多くの人へは権威やテレビに任せる姿勢や反ワクチンなどのレッテル貼りなどが障壁となって聞き入れられないことが残念でなりませんが、
伝えれば伝えるほど分断を助長するような関係しかとれない状況においては、不本意ながらも距離を置きつつ、いつか伝わる可能性を願うより他にないのかもしれません。
ただその事とは別に私自身にも注意しなければならない点があることにも気づいたので、今回はそのことについて記しておこうと思います。
私の知る限りですが、今までにコロナワクチンの有害性としてわかってきたことを抜粋すると次のような内容になります。
・コロナワクチンにより産生されるようになったスパイクタンパク質が血管を傷つけて血栓をつくる
・コロナワクチンの頻回接種により特定の抗原に対する抗体産生ばかりが強化され、全体として免疫が低下しむしろさまざまな感染症にかかりやすくなる(帯状疱疹や梅毒も増えている)
・コロナワクチンの頻回接種により質の悪い抗体(IgG4)の産生が促されている。
・コロナワクチンの頻回接種が自己免疫疾患を誘発している可能性がある。
・健康なスポーツ選手であっても、コロナワクチン接種後の心筋炎や心不全で死亡するケースが見受けられている。
・コロナワクチン接種後にがんが急速に増殖する「ターボがん」と呼ばれる状態が観察されている。
・コロナワクチン接種後にAIDS(後天性免疫不全症候群)様やクロイツフェルトヤコブ病様の状態を示す人がいる。
・コロナワクチン接種者から何らかの物質が伝播され、未接種者への健康を害するシェディングと呼ばれる現象がある。
これらの情報一つひとつに対する真偽の検証については本題からそれてしまうので今回は避けますが、概してこれらの情報の信憑性は高いと私は考えています。
ですが、今回はこれらが真実かどうかは一旦さておき、これらの言説を流布することによる負の側面について注目したいのです。
これらの言説に共通しているのは、コロナワクチンが全ての問題の諸悪の根源だとみなす、いわば「逆・病原体病因論」の視点に立っているということだと私は思います。
私はコロナは、コロナウイルスという病原体によって引き起こされるものではなく、コロナウイルスとの接触はきっかけにはなれど、その本態はその対象を認識して異物として排除するか、それとも自分の延長線上として共存するかを判断する異物除去システムのオーバーヒート状態であるということを当ブログで繰り返し述べて来ました。
それは「病原体病因論」に傾き過ぎた現代医学への批判でもあり、世の中にあるすべての物体を病原体とみなすかどうかは人間の持っている仕組み、すなわち宿主次第であるという「宿主病因論」へ目を向けてもらうための提言でもあります。
そのような考えを持つ私でも、コロナワクチン接種にまつわる様々な有害事象は決して看過できない問題だと考えており、
コロナワクチン、特にmRNA自体に組み込まれた脂質ナノ粒子「ポリエチレングリコール」の物質としての安定性、裏を返せば異物としての除去のしにくさの高さは、この幅広い有害事象の発生に大きく関与しているとも考えています。
しかし私の考えでは、それでもコロナワクチンやその核部分となっているポリエチレングリコールだけがコロナ犯人だとは思っていなくて、やはりコロナは宿主を中心に異物除去システムがオーバーヒートするかどうかで起こることだという見解は変わりません。
たとえどれだけ固い異物であろうと、異物除去システムがきちんと機能すれば、あるいはきちんと機能できるだけの時間的猶予が与えられれば、コロナと呼ばれる異物除去システムのオーバーヒート状態に至らなくて済むと思うのです。
しかし高齢や基礎疾患と呼ばれる形で人体の持つシステムの恒常性維持に支障をきたしている方や、そういった要件が当てはまらなくても不安や恐怖感情によってシステムがオーバーヒートさせられやすくなった方においては、同じ異物との接触でも異物除去システムがオーバーヒートしてしまう結末へとつながってしまうと考えることができます。
例外があるとすれば、輸血後GVHDのように血管内に大量の異物を一度に注入された場合とか、水俣病のように除去に時間がかかる異物(この場合は有機水銀)を比較的短いスパンで何度も繰り返し摂取させられるような場合であれば、
どれだけ人間のシステムが整っていてもオーバーヒートが引き起こされてしまい、「病原体病因論」での説明に矛盾のない状況はあり得ます。ただこれらの場合にもやはり宿主のシステムは無関係ではありません。
だから、どれだけ病原体に問題があると思える状況においても、基本的には宿主の状態がどうであるかによって表現型が決定するという考えに立てば、コロナワクチンの有害性に対してもコロナワクチンだけが原因だと考えるのは論理に一貫性を欠くことになってしまいます。
ところが前述のコロナワクチンの有害性を示す言説には、この「宿主」の観点が抜け落ちていて、まるでコロナワクチンがすべての不調の原因であるかのような言い方になってしまっているように私には見えます。
おそらくコロナワクチン接種者の大半が上記のようなトラブルを経験していないであろうことも(もし経験していたら今頃社会は機能していないはず)、コロナワクチンだけではなく宿主の状態も有害事象の発生に関与していることの傍証になると思います。
以前私はなるべく「コロナワクチン後遺症」という名称を使いたくないという意見を述べましたが、それも患者さんに「コロナワクチン」が原因のすべてという考えにとらわれてほしくないからです。
ただこのように言ってしまうと、今度は本人の基礎状態が原因であってコロナワクチンを打ったかどうかは決定的ではないと思われてしまいそうですが、それもまた私の本意ではありません。
コロナワクチンの接種が大きなきっかけになったことは明らかですし、それを政府が専門家がメディアが推奨したことで本来受ける必要のなかった有害事象を被ることになってしまった人達がいるということは十分に理解しているつもりです。
けれどそれでもコロナワクチン接種だけが原因だと思ってしまうと、もはやそれ以外の宿主要因が全く見えなくなり、心情的にも「あの時ワクチンさえ打っていなければ」という負の感情のスパイラルに入ってしまい、そのこと自体がシステムを整えることを困難にしてしまうと考えているので、
ひどいワクチン(もはやワクチンと呼べるものでさえない)ということは認めつつも、宿主部分にも注目してもらうことで、その負のスパイラルから抜け出せるスタートラインに初めて立てると私は思っているのです。
しかし、ブログ読者の方はともかく、私の文章の一部だけに触れる人にすればそのような私の真意などは知る由もなく、
例えば上記の言説を私が支持する様なコメントをすれば、そのことがコロナワクチン接種のみが原因とする「逆・病原体病因論」を助長することに、私が加担してしまうことにもなりかねません。
丁寧に伝えるのであれば、例えばコロナワクチン接種によって産生されたスパイクタンパク質が血栓を作っているのではなくて、
コロナワクチン接種後にこれをうまく異物除去できなかった人が、あるいは遺伝子がmRNAレベルで改変されたとしてその改変遺伝子をエピジェネティクス(後天的遺伝子制御変化)で無効化できなかった人が、
さらに自身の異物除去システムで産生されたスパイクタンパク質を無効化できなかった人が、システムをオーバーヒートし続けた結果の一部として血栓(血液凝固システムの過剰適応の産物)が形成される、と表現することができますし、
あるいは例えばコロナワクチン接種によって質の悪い抗体(IgG4)が産生させられているのではなくて、
コロナワクチン接種後に異物除去システムがオーバーヒートして、その結果抗体産生システムも過剰適応となり、多くの正常抗体(IgG1)が作られる最中で一部不完全な抗体(IgG4)も産生してしまっている、と表現することもできます。
後者は好中球を活性化させるシステムのオーバーヒートで、不完全な好酸球も一部産生してしまうという以前の私の考察とも似ています。
このようにコロナワクチンが悪いとしか思えない状況においても、宿主のシステムの問題が必ず関わっています。
石にコロナワクチンが付着してもコロナのような症状が出ないように、コロナワクチンのトラブルを発生させるために人体の関わりは必要不可欠なのです。
「コロナワクチンだけが悪い」と考えてしまうと、打ってしまった以上後戻りはできないと不安になったり、何とかしてコロナワクチンを除去しなければ、という発想だけに偏ってとらわれてしまい、そのとらわれが皮肉なことにさらに自分を苦しめる負のサイクルを促してしまいかねませんが、
常に宿主の要素に注目することで、たとえどんなきっかけで自分のシステムが乱されたとしても、それを整えるために自分にできることはたくさんあるという希望の見える世界に気づくことができるのではないかと私は考えています。
「ワクチンだけが悪」という世界で生きるのか、「善悪などはなく宿主の乱れがあるかどうか」という世界で生きるのかを選ぶのもまた自分自身です。
以前私は、インフォデミックという言葉には3つ意味があるという意見を記事にしました。
「ワクチンは怖い」という偏った情報が拡散することでもなく、「コロナは怖い」という偏った情報が拡散することでもなく、
情報によって不安・恐怖感情が駆動され続けることで実際に人々が本来持っている恒常性維持のためのシステムがオーバーヒートさせられてしまうことが私が考えるインフォデミックの本質だと述べました。
私は個人的には「コロナが怖い」という前提を是正したいと強く願っているのですが、
その作業を安易に行なってしまうと「ワクチンが怖い」という言説の流布に偏り過ぎてしまい、
今や8割の国民が接種者となっている状況で、期せずして8割の国民に不安・恐怖を植え付ける情報の発信者となってしまいます。
当然ながらそれは私の本意ではありませんし、接種済の人が取り返しのつかないことになるとも考えてはいません。
取り返しのつかないことになるかどうかはその人の考えや行動によって決まるところであって、
何をどうしようと人生は自然のリズムの中で移ろい変化していくはずです。そこだけは変わらないという確信を私は持っています。
とにかく私はインフォデミックを是正しようとするが余り、
気づかないところで逆インフォデミックに加担しないようにしなければならないと、
気持ちを新たにした次第です。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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コメント
先生が展開される宿主論についてはものすごくわかりやすく、腑に落ちるお考えなので日頃からその立場で考えるようになりました。
今回のワクチンに関する先生のお考えも改めてすごいと思いました(素人なのにすみません)。
私自身は未接種ですが勤務先の関係で私の子供が2度接種しており、ずっと気に病んでいましたが先生のお話で希望が見えた気がします。
いつもありがとございます。
Re: タイトルなし
コメント頂き有難うございます。
私の記事が少しでも参考になっていればとても嬉しいです。
何かの拍子に困難な状況に追い込まれてしまったとしても、一旦基本である自然の発想に立ち返ることで、もともと備わっている素晴らしい仕組みに気づき、そこからまた前に進んでいくという発想は大切なのかもしれませんね。
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