妊婦にとってもコロナワクチンが安全だとは思えない
2023/03/08 16:25:00 |
よくないと思うこと |
コメント:4件
医学論文のみを論拠に現実とそぐわない主張をし続ける人は後を絶ちません。
「科学の暴走」とも言えるこの態度は、時に正義感という装いを持って当事者の感情に訴えかけるようなスタイルを示すこともあります。
コロナワクチン接種後に流産してしまった人に対しても、コロナワクチン推進派の医師は「ワクチンのせいではありません」と優しい言葉をかけるでしょう。それは当事者にとっては救いとなる言葉だと思います。
でも妊婦に限らず、多かれ少なかれコロナワクチンが身体に悪影響を及ぼすであろうことはもはや疑いようのない事実です。
もちろんコロナワクチンだけが原因だと断言できる場面はないとは思います。実際には様々な要因が積み重なって流産という事象が起こりえるので、コロナワクチンだけが原因かと言われたらそうではないとは私も思います。
ただこれだけコロナワクチンにまつわる有害事象が集積され、かつてなく副反応が多いワクチンという実感、そしてワクチンが臨床応用されて以降のワクチン接種積極的導入国での例外のない感染者数増加、および超過死亡の増加。
これらの状況を踏まえれば、コロナワクチンは少なくとも妊婦に対して安全だと断言できるようなものでは決してありません。そうだとすれば「(流産は)ワクチンのせいではありません」というのは優しい言葉をかけているようでいて、現実から目を背けさせる言動だとも言えるのではないでしょうか。
しかも推進派は「ワクチンは流産と関係ない」という根拠を、コロナワクチンは妊婦にとって安全だという結論の医学論文を並べ立てることだけで行っています。
現実にどれだけ流産の数が増えても、かつてないほどの副反応が起こっても、超過死亡が増える現実を目の当たりにしても、「死者が増えるのはウイルスのせい、副反応が出るのはワクチンが効いている証拠、医学論文上は妊婦に安全だから大丈夫」だと推奨し続けるのです。
物事に絶対はないと言いながらも、私はもうコロナワクチンの肯定的な効果を謳う論文は、十中八九何らかのトリックがあると考えて妥当な状況だと思っています。 実際に私がコロナワクチン肯定論文を読み込むと、毎回おかしなところが見つかっています。
なのでこどもを守ろうと思ってコロナワクチンを接種した人には不都合な話かもしれませんが、おかしいものはおかしいと声を上げることで世の中が良くなっていくきっかけになると思いますし、
同じトリックでだまされてしまう人が一人でも減るように、今回もコロナワクチンの推進派がとりあげた、コロナワクチンの妊婦への安全性を謳った論文の妥当性を検証してみようと思います。
それがおかしさに気づける立場にいる人間の一人としてやるべきことだと私は信じています。
ひいては今の世の中の歪みを是正し、将来の妊婦やこどもを救うことへつながっていくことを願っています。
これはある意味で医学論文に騙されないようになるための練習、あるいは合理的思考を鍛えるための練習にもなるので、こうしたコロナワクチンを肯定する医学論文を見ても、
あるいはこうした医学論文を推奨する専門家の意見を聞いても、すぐに鵜呑みにせずに一旦は保留にしてよく考えることをおすすめします。
さて本日はひとまず妊婦に対するコロナワクチン肯定論文を2つだけ紹介します。
とはいえ、2つの論文は紐づいていて、1つ目は「コロナワクチン接種後の早産や先天性奇形の発生率は自然発生率と変わらないという最初の報告」で、
もう1つ目のものは、1つ目の論文へのLetters to the Editor(すでに投稿された論文について反論あるいは賛成の意見などを手紙の形式でまとめた小論文)で、
流産率を調査した他の医学論文と比べて「コロナワクチンを接種した女性の6〜20週の流産率は、自然発生率と変わらない」という結論を示したものです。
LH Zauche, et al. Receipt of mRNA Covid-19 Vaccines and Risk of Spontaneous Abortion. October 14, 2021
N Engl J Med 2021; 385:1533-1535. DOI: 10.1056/NEJMc2113891
まず前者の医学論文はアメリカで行われた研究のようですが、v-safeというスマートフォンによる自発報告システムの登録者の中で、
妊娠6〜20週目の妊婦でかつ妊娠前か妊娠20週までにコロナワクチンを接種した歴があるという患者の流産率を調査しています。
その結果、上記の条件を満たしたコロナワクチン接種妊婦の妊娠20週目までの累積流産率は14.1%(95%信頼区間[CI]、12.1〜16.1)、年齢標準化した分析で12.8%(95%CI、10.8〜14.8)でした。
また感度分析といって、結果が不透明な登録者も全て流産したという仮定で行った最大限リスクを多めに見積もっても累積流産率は18.8%(95%CI、16.6〜20.9)、年齢標準化後も18.5%(95%CI、16.1〜20.8)でした。
そして後者のLetters to the Editor論文では、他のコロナワクチン非接種者における自然経過での累積流産率を引用し、それらと比べて今回の流産率の数値はさほど変わらないと主張されているのです。
その主張を端的に示したのが後者の論文に掲載されていたこちらの図です。

真ん中のグレーの線グラフが前者の医学論文の累積流産率14.1%、その上の黄色い線グラフが最大リスクを見積もった感度解析での18.8%です。
そのすぐ上にほぼ重なっているオレンジ色の線グラフは、アメリカのヴァンダービルト大学のMukherjee氏らが2012年に報告した白人女性と黒人女性の合計4070人への調査で、累積流産率21.3%が表されています(※グラフ上は20%を下回った位置にあるように見えますが、その理由は不明です)。
そして一番下にある青色の線グラフは、アメリカ、カリフォルニア州のカイザー・パーマネンテという非営利の医療保険団体に所属するM K Goldhaber氏とB H Fireman氏が著者の医学論文に書かれていた9055人の対象者で計算された累積流産率11.1%が表現されています。
つまりコロナワクチン接種後の妊婦の妊娠6週から20週までの累積流産率は14.1%、多く見積もっても18.1%であり、それは自然の累積流産率として報告されている11.1%〜21.3%の範疇に入っているので、コロナワクチン接種は妊婦の流産は増やさないという結論を導いているということです。
なお蛇足ですが、この2つの医学論文はいずれも医学界で最高峰として名高いNew England Journal of Medicineという医学雑誌に掲載されています。
またCDC(Centers for Disease Control and Prevention:アメリカ疾病予防管理センター)というアメリカの感染対策のメッカのようなところから資金援助を受けて書かれている論文でもあります。
さて、私がこの医学論文のおかしいと思う点を重要な順に3つ挙げたいと思います。
①観察期間3ヶ月の論文結果を、観察期間1年と観察期間9年の結果とで比較されている。
②コロナワクチン接種妊婦の流産率は自然経過に比べて、妊娠6〜9週の時期に流産率が急上昇するグラフの形状を示している
③コロナワクチン接種妊婦の流産調査がスマホでの自発報告だとコロナワクチンが原因だと思いたくない心理により過小報告になる可能性が否定できない
累積流産率の下限11.1%を示すGoldhaber氏とFireman氏の論文の観察期間は1981年から1982年までの1年間です。
また上限の21.3%を示すMukherjee氏らの論文の観察期間は2000年から2009年までの9年間です。かなり念入りに調査がなされていますが、論文を読む限りはどうやら一般的に流産率が高いとされている黒人女性への流産リスクを正確に割り出そうという意図があったようです。
そして今回の2つのコロナワクチン肯定論文の観察期間は、2020年12月14日から2021年2月28日まで、つまり3ヶ月弱の期間だけです。
人数で言えば下限が9055人、上限が4052人(調査が念入り)、コロナワクチン肯定論文が2456人となっています。
さすが全世界で接種が推進されたワクチンだけあって、わずか3ヶ月弱でもかなりの対象者を集めることができていますが、他の研究に比べて大雑把でかつ短期間の調査です。
つまり1年かけて調べた自然な流産率よりも高い流産率が3ヶ月だけで観察されており、かつ9年かけて念入りに行った流産のハイリスク集団における流産率よりは低いという結果が示されているのです。
これってコロナワクチンの接種は妊婦にとって安全と言い切れるでしょうか。
しかもスマホでの自己申告ですから、ワクチンへの心理面も考慮すると、他の調査よりも過小報告になっている可能性が否定できません。
それにグラフの形状が6〜9週あたりで傾きが急になっていることも無視できない話です。
流産の8割以上は妊娠12週までの時期に起こると言われています。妊娠12週までの流産リスクの上がり方の傾きが他の自然経過よりもコロナワクチン接種後妊婦の方で急峻に上昇しているのだとすれば、
その時点でコロナワクチン接種が流産リスクの上昇に寄与している可能性が否定できませんし、その後の累積流産率の少なさは観察期間の短さと自己申告による過小報告が関与して実際よりも少ない数値として表現されてしまっている可能性も否定できません。
少なくとも「コロナワクチン接種は妊婦にとって安全だ」と主張することの根拠として使うにはあまりにも問題のある医学論文であるように私は思います。
でもこれらの問題がある医学論文も「コロナワクチンは有効である」という立場から読むと、違和感なく受け入れてしまえるということ、しかもこれを科学的根拠と称して絶対的な事実のように誤解したままコロナワクチンを推奨し続けてしまうことができるという構造に怖さがあります。
もう医学論文というものは、正しく手順を踏まれた研究を上手にピックアップすれば正解にたどりつけるような信頼のおけるものではなくなっているのです。
書いた人の価値観、スタンスが如実に反映される、科学的根拠のような顔をしているだけの主観的な主張の変化型にすぎないという視点で向き合ったくらいがちょうどいいと個人的には思います。
だってこんなにも効いていないどころか、人類史上最大の薬害へと発展しつつあるとしか思えないワクチンにまつわる事象が、
医学論文の世界ではこんなにも有効だと主張され続けてしまうわけですから。
私の価値観を押し付けるつもりは毛頭ありませんが、それにしてもこんなにおかしさが目立つ状況はかつてありませんでした。
「医学論文とは著者の主観を科学風に表現する程度のものでしかないかもしれない」と一人でも多くの人が考えるきっかけになればと願います。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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コメント
本当にそう思います。私は2020年1月からずっと違和感だらけです。最初は感覚的、直感的な違和感でしたが、こういった先生のブログなどで裏付けられるので助かります。
ブラジルではワクチン接種を拒否すると投獄されるそうです。ワクチンの効果を否定する発言をしても投獄。子供にワクチンを打たないと育児給付金を打ち切られるとか。ここまでして打たせたいワクチンって何なのでしょうか?(そもそも8割が打てば集団免疫ができるという話はどこに?)
ところで先生、ちょっとお聞きしていいでしょうか?
精神疾患についてなんですが、私の周囲に異常に多いんです。父は自己愛性、姉は統合失調症、夫の兄も自己愛性っぽい。店のスタッフの夫と義父はアスペ、もう一人のスタッフは妄想型。知り合いの家族もアスペ。人口の1%とか言われますが、私の感覚的には2割か3割いるのでは?と思ってしまいます。
Re: タイトルなし
コメント及びご質問(ご意見)頂き有難うございます。
> ところで先生、ちょっとお聞きしていいでしょうか?
> 精神疾患についてなんですが、私の周囲に異常に多いんです。父は自己愛性、姉は統合失調症、夫の兄も自己愛性っぽい。店のスタッフの夫と義父はアスペ、もう一人のスタッフは妄想型。知り合いの家族もアスペ。人口の1%とか言われますが、私の感覚的には2割か3割いるのでは?と思ってしまいます。
精神疾患と判断する基準がそれだけあいまいだということを表している話だと私は感じました。
精神疾患は稀で適切な治療を届けるべき対象だという人が調査すれば1%という数字が算出されたり、社会の中で求められている「普通」の概念が厳しくてそこから少しでも外れたら精神疾患だと判断するような医師が身近にいたら、2割とか3割に感じられる世界が生み出されたりするのかもしれません。
「精神疾患」の基準があいまいであるのと同時に「普通」という概念もあいまいなところがあると私は思っています。
それなのにそのあいまいさが特定の社会の中では絶対的なものとして扱われてしまう、そしてそこから外れた人が苦しい思いをしてしまうという困難さがあるようにも思っています。もっとあいまいさがあいまいなまま受け入れられればより良いのではないかと私は思います。
確かに「普通」という概念自体が矛盾しており、誰も完璧な人などいないと思います。
>そしてそこから外れた人が苦しい思いをしてしまうという困難さがあるようにも思っています。
私は逆のことを感じてました。姉が統合失調症を発症した時、当時の家族の主治医が「治療すべきはお父さんの方なんですよ!」と怒っていたのが印象的でした(父の病的な暴言と暴力は酷いものでしたので)。
Re: タイトルなし
コメント返し頂き有難うございます。
> 私は逆のことを感じてました。
なるほど、そうだったのですね。
確かにそのように強く諭してくれる先生の姿勢が救いとなることもあるのでしょうね。
違う意見を載せて頂き、心より感謝申し上げます。
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