何回でも丁寧に伝え続けていく
2022/08/24 18:55:00 |
ふと思った事 |
コメント:6件
「臨床医は目の前の患者を救い、研究医は未来の多くの患者を救う」という言葉を聞いたことがあります。
医学部に入って医師国家試験に合格した人の多くは、いわゆる一般的な医者、病院や施設で働く「臨床医」と呼ばれる医師になりますが、
中にはそうした医者の道を進まずに、基礎医学の研究者としての道に進まれる医師もいます。
「患者を診る」という典型的な医師の仕事に進まずに研究に進む人達に、冒頭の言葉は意義ややりがいをもたらすメッセージであるように思います。
ただ私は最近、「未来の多くの患者を救う」という役割をはたすのは、何も研究だけではないように感じてきています。
私が今、人生をかけて取り組もうとしている「医学というものを抜本的に再構築する」という営みも、未来の多くの患者さんを救う可能性を秘めていると思います。
私は一般的な臨床医で、研究医ではありませんが、臨床医の立場で本当に救えている患者さんは、正直言って今の医療全体ではごく一握りであるように感じています。
具体的には脳梗塞や心筋梗塞の患者さんに緊急で血栓溶解や血栓除去術を施す医療は確かに患者を救っているでしょう。1型糖尿病の人へのインスリン注射も救っていると思います。
残念ながら、それ以外のほとんどの患者さんはむしろ医療が悪化させている、医学の勘違いによって期せずして患者さんを「治る」という状態から遠ざける方へ向かわせてしまっているように私には思えています。 だから私は、そんな医学の勘違いを是正し、医学そのものの解釈を抜本的に変えることで、結果的に多くの患者さんを「治る」という状態に導くことができるのではないかと考えているわけです。
考えてみれば、そもそも1人の医師が出会う患者にできることはたかが知れています。
自分がその患者さんの問題を正そうと何か提案をしたところで、聞き流されることだってしばしばですし、
うまく意見がフィットして取り入れてもらったとしても、また何か別のトラブルに遭遇して意見のことも忘れて元通りになるかもしれません。
ましてや今の薬中心の医療だと、医者がやっていることは患者を薬を通じて病院につなぎ止めるようなことしかできていません。
しかもその薬を飲み続けるという行為が、自分で治す力を衰えさせている可能性さえある始末です。
だったら私は技術を磨いて目の前の患者さんを救うスキルを高めるよりも、
そうしたスキルは別の長けているドクターに任せるとして、1人の患者を「治す」のではなく、多くの患者に気づいてもらうという工夫を行い続けることで社会に貢献していきたいと思います。
そうなれば、一体何から始めればいいのでしょうか。
今一番わかりやすいのはワクチンの問題です。私は当ブログでもさんざんワクチンには問題があることを語ってきましたが、
現実には「ワクチンは大事」と考える圧倒的大多数の医師達によって、コロナワクチンは世界中の人達に打たれてしまいましたし、
その結果、コロナは終息せず、むしろ積極的に打っている国ほど感染者が多いという皮肉な自体に陥り、
それでも「感染者が増えたのは変異株のせいだ」「人流増加のせいだ」などと説明され、「ワクチンに問題がある」と見直されることがほとんどありません。ごく少数の医師はこの問題を認識していますが、多勢に無勢、今も多くの人が「ワクチンは大事」という多数派の医師の意見を信じて疑わない状況です。
もちろん、「ワクチンは大事」という考えは今まで歴史の中で脈々と受け継がれて、疫学的にも説得力を持ち続けてきた考えなので、これを修正するのは至難の業です。
だから専門家を中心にその考えを見直せない人がいても不思議ではありません。なので私は全ての人間の考えを「ワクチンには問題がある」に置き換えたいわけではありません。
少なくとも「ワクチンには問題がある」という意見を一つの意見として多くの人にフラットに受け止めてもらえる世界にしていきたいと思います。
そのために今私が思いつくアプローチは、つきつめると以下の2つです。
①今までの医学の問題点を丁寧に指摘する
②新しい医学の考え方を受け入れてもらえるよう丁寧に説明する
やりがちな誤ったアプローチは「今までの医学を批判する」だと思います。
批判も大事かもしれませんが、批判には感情が混ざり込みやすいので、空中戦になってしまいがちです。
そこはあくまでも事実確認、問題提起というあたりに留めて、今までの医学を推奨してきた人、および推奨者の意向に従ってきた人達にも聞く耳を持ってもらえるように努力した方がいいと思っています。
そしてより難しいのは②なわけですが、これは多分、私が一生をかけて行う必要があるレベルのボリュームがあるように感じています。
全ての医学の常識を「病原体病因論(病因外在論)」から「宿主病因論(病因内在論)」の視点で捉え直し、再解釈していく必要があるので、これは大変に骨が折れる作業です。
なおかつ、従来医学の常識を持っている人にも聞く耳を持ってもらうためには、丁寧さや論理性、時には長い時間をかける必要さえありますので、少なくとも一朝一夕にできることではありません。
その中でも私がまず①として優先的に行った方がいいと思うのは、
ワクチン推進派の医師がその主張に拠り所にしている「医学論文の問題点」を丁寧に説明することかもしれないと思っています。
「ワクチンは大事」という考え方は疫学的にも説得力を持ってきたと言いましたが、逆に言えばそれが「ワクチンは大事」という考えを強固に信じる最大の根拠になっていると思うのです。
考えてみれば、自分がワクチンを打ってそれが効いたのかどうかは誰にもわかりません。
なぜならば自分がもう一人いて、ワクチンを打たなかった自分と比較することなんてできないからです。
ワクチンを打って感染を抑えられたとしても、それはワクチンを打たなくても抑えられたことかもしれません。
逆にワクチンを打っても感染した場合、ワクチンを打たなければもっと悪化していたのか、あるいは逆に同じように感染するだけなのかを検証することは不可能です。
それでも「ワクチンが大事」と推奨派が信じて疑わないのは、疫学データがあるからです。もっと言えばワクチンが有用を支持する医学論文があるからです。
実はすでにこのワクチン肯定論文の問題点は当ブログで取り上げてきていますが、
1回だけではなく何度でも、できるだけ多くの人に伝わるように丁寧に、この作業を繰り返していく必要性を強く感じています。
この作業はがん医療についても同じ必要性を感じています。現在のがん医療の中で標準医療とされる治療法の根拠は、これまた医学論文です。
ここに関しては先日も取り上げた近藤誠先生が丁寧に、何度もその問題を指摘されてきたと思います。
その作業を、その意見に賛同する私が引き継いで、引き続き何回も丁寧に伝えていく必要があるということも感じています。
そうやって声を上げ続けていれば、きっと耳を傾けてくれる人も増えてくると信じたいです。
①も②もはてしなく大変な作業に思えますが、
幸いにも私は医師で、それができる立場にいる人間に思えます。
そうすることでたとえ今は救うことができなくとも、
未来の多くの患者さんを救える世界へ一歩ずつ近づけていきたいと思います。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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コメント
ワクチン
それどころか基本的にワクチンはデメリットの方が大きいとわかりましたので、今風疹のワクチンを打てなどの案内が来てますが、勿論無視します。
夏井先生の炭水化物は人類を滅ぼすという著書に触発されて糖質制限を始めて以降は一度も軽い風邪すら引かなくなったので、自分の健康に過信は禁物ですが、とりあえずワクチンなどは無用です。
夏井先生がたがしゅう先生の名前を出されていたこともあったので、もっと早くこのブログを見ておけば良かったと後悔!せめてあと2年ぐらい前に。
Re: ワクチン
コメント頂き有難うございます。
> ワクチンに関しては、子供の頃に打たれたワクチンで一度も体調が悪くなったことなどないのに、今回のワクチンを打たれた人の多くが体調不良を訴えたり、ましてや直後の死亡例まであるというので怪しいなと感じて打たないという選択はしましたが、たがしゅう先生のブログを見るまでは理屈的にわかっていたわけではないので、読んでそれが正しかったなと確信できて感謝しています。
そのように言ってくださると、本当にブログを続けてきてよかったと誇ることができます。有難うございます。
直感的におかしいと思うことも、理屈がわからないと気持ち悪いと思います。
逆に常識的な価値観が直感的なおかしさを抑圧してしまう構造もよく見受けられます。
もちろん、直感が全て正しいとまでは言えませんが、少なくとも直感は考えるタネだと思います。
直感をきっかけにして、世の中の歪みを認識することができれば、それは素晴らしいことと思います。
なぜならば歪みを認識できれば、それを整えていく方向へ向かうことができるからです。
これからも私が考えたことを積み重ね、世界を広げることに一役買っていきたいと思います。
1型DMのインスリン
Re: 1型DMのインスリン
ご質問頂き有難うございます。
ご指摘のように1型糖尿病の方でも糖質制限を組み合わせてインスリンの投与量を最小化することは可能です。
実際にそのように取り組まれている1型糖尿病患者さんを何名か知っています。
具体的には24時間以上効果のある持効型のインスリンを1日1回だけが基本で、どうしても血糖値の上昇が気になる時だけ超速効型インスリンをごく少量だけ適宜頓用的に追加投与するというやり方で良好なコントロールを維持しておられます。
それぞれのインスリンを何単位にするかについては自己血糖測定器の数値なども参考にしながら、検討していく必要があると思います。不明な場合は糖質制限に理解のある医師と相談しながら検討していくのがよろしいかと思います。
Re: タイトルなし
コメント返し頂き有難うございます。
インスリンは多過ぎても少な過ぎてもダメなのだと思います。そのちょうどいい所が人それぞれ違うし、同じ人の中でも一定ではないという所が難しい所だと思います。
> 糖質制限に理解があってインスリンを使う医者が全国的には数名程度ではないかと思います
おっしゃる通り、その問題は厳然としてありますね。私もオンライン診療専門で注射薬を扱うことは基本的にできませんし。
次善の策としては「糖質制限に理解がなくてもいいからインスリンを扱える医師とうまくコミュニケーションを取り、自分が主導権を持ってインスリンを扱えるように協力してもらう」という選択肢があります。本来、これは医療の中で当たり前に行わなければならないことですが、現代医療はどうしても医者が主導権を持つ文化が根強いです。今のところ患者が主導権を持つためには、患者側にもコミュニケーションスキルと強い意志が求められてしまう実情があると思っています。そんな文化を少しでも良い方向に変えていきたいと私なりに奮闘しています。
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