コロナ禍総括、ではどうする?
2022/02/24 12:55:00 |
ウイルス再考 |
コメント:2件
約2年間のコロナ禍についてここで一旦私なりに総括しておこうと思います。
私が自分の頭で考えて導いた「コロナ禍」に対する重要な意見は、以下の3点です。
・世間で「コロナ」や「COVID-19」と呼ばれる状態は「T細胞活性化症候群」の一種である。
・症状との因果関係を証明しないPCR検査が、従来医学の慣習に従い確定診断のための唯一の検査として採用されてしまったため、無数の「T細胞活性化症候群」が「コロナ(COVID-19)」とラベリングされ、「T細胞活性化症候群」が発生しやすい時期を中心に見かけ上の「コロナパンデミック(感染者数拡大)」が統計学的に表現されてしまうようになった。
・「コロナ(抗原)」が症状の原因であるという前提で、ほぼ全ての感染対策(手洗い、マスク、消毒、ソーシャルディスタンス、ワクチンなど)が組み立てられているが、その前提で行った感染対策が世界中どこの国でもパンデミックを押さえ込めていないという統計学的データを踏まえると、「コロナ」が症状の原因であるという前提が間違っていた可能性が高い状況だが、「コロナ」が症状の原因である、というのがあまりにも強固な常識的価値観であるが故に、ほとんどの人がこのパンデミックを抑え込めない原因を「感染対策の不完全性(本当は完全に感染対策を実行できたら完全に抑え込めるはずだが現実的にそれが不可能であるが故に抑え込めていないだけ)」に求め続けている。故に前提を疑えない限りはコロナ禍は永遠に終わらない
つまりまとめると「T細胞活性化症候群」の一部として「コロナ」を捉え直し、全ての感染対策を根本的に見直した方がいいというのが私の意見です。 では「T細胞活性化症候群」とは何なのでしょうか。
これは一般的な概念ではありません。あくまでも私が作り出した造語であり、新しい概念です。ですが既知の医学的「事実」を踏襲しているので荒唐無稽な発想ではないと考えてもらえればと思います。
そもそも「T細胞」とは血液におけるリンパ球の一種です。厳密に言えば、ヘルパーT細胞や細胞傷害性T細胞、NK-T細胞など様々な種類がありますが、枝葉末節に入り込みすぎて全体を見失わないように、ここでの「T細胞」は大まかに見て「自己と非自己を区別して自己を保つ生体システムの中の中心的存在」だと理解してもらえればと思います。
従って、「T細胞活性化症候群」というのは、「自己を保とうとするために異物除去システムを活性化させている状態の総称」だと言えます。
いわゆる「風邪」も、今私たちが「コロナ」と認識する状態も、いずれも「T細胞活性化症候群」の一種ですが、「T細胞活性化症候群」の範疇に入るのは「感染症」だけではありません。
もともとは自己の状態を一定に保つという目的のために働いている異物除去システムも活性化の度合いが高まっていくに連れて次の順番で様相が変わっていきます。
⓪「自己」と「非自己」が丁寧に区別されている(無症状)
①「非自己」を過剰に攻撃してしまう(有症状・ステロイド有効が多い)
②少量の「自己」までも過剰に攻撃してしまう(有症状・ステロイド有効〜無効)
③大量の「自己」までも過剰に攻撃してしまう(有症状・ステロイド無効が多い)
④自己崩壊(死亡・無秩序化)
「T細胞活性化症候群」というのは基本的には症状を有する①〜③の全てを包含する概念です。基礎状態の⓪や終末状態の④も含めて、広義の「T細胞活性化症候群」と捉えてもいいと思います。
そう考えると、実は「T細胞活性化症候群」という概念の中には西洋医学における多くの病気が広く含まれることになります。
例えば、①に相当するのは「感染症」だけではなく、花粉を過剰に攻撃する「花粉症」をはじめ、何かに被れたり、過敏に反応する「アレルギー性疾患」も該当してきます。
また②は「関節リウマチ」や「潰瘍性大腸炎」などの「自己免疫疾患」や「自己免疫機序が関わる疾患」などが広く含まれます。
「がん」は元々「自己」細胞なので、そこにあるだけの状態であれば実は⓪に近い状態です。ただし「がん」細胞が増大し続けることで他の自己細胞で構成される自己システムが圧迫されれば、「T細胞」はこれを次第に「非自己」的に認識するようになり、特に終末期においては①〜②の状態になってきます。
ちなみに免疫チェックポイント阻害剤やエフェクターT細胞療法などの「がん免疫療法」は、がん細胞という「自己」を、しっかりと「非自己」として認識させるようシステムを改変するアプローチです。
そして③はいわゆる「サイトカインストーム」の状態です。「自己」を保つために有益なシステムの駆動が少なくなり、相対的に自己崩壊へとつながるシステムの方が過剰駆動している状態なので、
大元のストレス源が外部からコントロールできる対象でない限り、外部から何をしても自己調整には向かわないという非常に厳しいステージです。そして調整できない結果として④となり、新たに自然の仕組みの中で再構成されていく(いわゆる「土に還る」)ということになります。
ここで私は、元々は「自己」を保とうと存在していたシステムが、行き過ぎると皮肉なことに「自己」を崩壊させる方向に突き進んでしまう構造があるという点は注目に値すると思います。
そしてもう1つ重要なこととして、⓪から④へは誰もが遅かれ早かれ進んでいくもので、その速度には個人差が大きいということです。⓪から③へ一気に進む人もいれば、⓪から①に進んだ後、②にはなかなか進まないという人もいます。
従って、「T細胞活性化症候群」は一つの疾患概念のように提示したものの、言わば人生の表現方法の一つとでも言えるような概念です。
そしてその個人差には外部環境、内的要因が複雑に関わっており、少なくとも「非自己と接触するかどうか」だけで決まるわけではないということも認識しておく必要があると思います。
さて、異物除去システムである「T細胞」が活性化するためには、確かにきっかけとして「非自己」が存在することは必須でしょう。その意味で「コロナウイルスが症状の原因である」という解釈は一つの考えとして合理的だと思います。
ただ問題は、全ての人間や生物が「コロナウイルス」という「非自己」と接触したら有症状化するとは限らないという点です。「コロナウイルス」という「非自己」と接触しても⓪の状態をキープする人はいくらでもいます。コロナの「無症状感染者」という概念に入り、その後有症状化しない人がそこに相当すると思います。
またウイルスの潜伏感染や常在ウイルスという観測結果があることも踏まえますと、「ウイルスとは本当に非自己なのか(自己と判定しているからこそ無症状で共存できているのではないか)」という疑問も出てきます。
当ブログでの考察により私は「ウイルスとは自己と非自己の中間体である」という見解に至っています。それなりに合理性のある結論と思っていて、ここではその理由をあえて詳説しませんが、
もしそうだとすると「コロナは症状の原因である(病原体病因論)」という解釈には一定の合理性はあるものの、他方で「自己と非自己を区別するシステムの不具合がコロナと呼ばれる症状を引き起こしている(宿主病因論)」という解釈にも一定の合理性があると言えるのではないでしょうか。
多分これはどちらか一方が正しくて、他方が間違っているという問題ではありません。おそらく立場によってどちらにも合理性があると思われます。どちらも正しいように見えてしまう側面があると思います。
ですが、今の世の中には「病原体病因論」の方が圧倒的に正しくて、「宿主病因論」は「病原体病因論」のおまけのように扱われている状況が大勢となってしまっているように私には思えます。
今、世界を席巻し続けるコロナ感染対策は「病原体病因論が圧倒的に正しい」という前提で構築されています。
だからこそ病原体を排除しようとする「手洗い、マスク、消毒、ソーシャルディスタンス」が金科玉条の如く正しいとされて、感染症の専門家やそれに追随する政治家やマスコミが主導となって推進され続けている構造となっています。
ワクチンだって、病原体が原因だと思っているからこそ、病原体を特異的に攻撃するシステムを賦活する方法として積極的に推奨されているわけです。
でもこの前提が正しいにしては、世の中の感染対策はあまりにも功を奏していなさすぎではないでしょうか。
この前提とそれに基づく対策の結果が大きくずれた大きな原因は、病原体病因論によって生み出されたPCR検査の拡大解釈だと私は考えます。
PCR検査は標的遺伝子の断片を非常に正確に検出する方法です。それは認めます。しかし症状のある人で行ったPCR検査が陽性になることと、その症状がPCR検査を陽性にする遺伝子構造を持つ抗原によって引き起こされることは、イコールではありません。
特に今「コロナ」のせいだと認識されている症状のほとんどは非特異的、すなわちコロナ以外が原因でも起こりうる症状だからです。気道を中心にT細胞を活性化させるきっかけであれば何であっても同じ状態が起こりえます。
しかも相手は世界に無数に存在するウイルスです。さらにウイルス学の中で有害だと認識されているウイルスだけではありません。無害だと思えるウイルスも宿主の「T細胞」を活性化させるシステムの如何によっては「T細胞活性化症候群」が駆動されてしまう可能性は十分にあります。さらに言えば原因はウイルスではなく、咽頭に付着した埃や花粉、化学物質かもしれません。
それなのに、咽頭を中心に発生した「T細胞活性化症候群」の原因をたまたまコロナPCR検査が陽性だったというだけを理由に「コロナのせいだ」と断定するのはどうなのでしょうか。
コロナのPCR検査の陽性化は、咽頭においてT細胞活性化症候群を起こす「非自己」だと認識されうる無数にある物質の中で、たった一つの物質がそこ(咽頭)にあるということが証明するだけに過ぎません。
この不確実性が解決されないまま確実的だと突き進んでいる感染対策は明らかにバランスを欠いていると思えないでしょうか。
少なくとも私には種々の考察の結果、そのような結論に達していません。だから私は今世界で順守が求められている感染対策をあまり重視しません。
私が考える「T細胞活性化症候群」である「コロナ」への対処は、「T細胞」システムのメンテナンス、過剰適応があれば意識的な休息、無意識の酷使があれば酷使要因の観察や見直し、具体的には食事療法(糖質制限や断食)やストレスマネジメント(種々の内省作業)だとまとめることができます。こちらの方を私は重視します。なぜならば病原体となりうる物質は無数にあり、排除はほぼ不可能だからです。適当にしか排除しない方針です。
ですが、特に医療関係者を中心に伝統的に「病原体病因論」が絶対的だという前提で生きてきた人達が、その現実を認められないことは理解できます。ただ私はその人達の考えとは違うということは言っていきたいですし、
一方で「病原体病因論」が絶対的だとしか考えられない人の価値観も尊重はします。価値観の違う人とでも社会として一緒にやっていかなければならないこともまた事実です。
八方美人になる必要はなく、尊重はするけれどあまりにも違う人とは一緒にやらない、しかし今後一緒にやっていくかもしれない可能性は完全には排除せず、
時間の経過とともに、変わりゆく関係性の中で違いを尊重し続けた結果、一緒にやれそうだと思えたら声をかけてみたり、声をかけられた時には応答してみればいいと思うのです。
敵とも味方ともみなさずに、ただ「私とは違う人」として認識し、どれだけ違っていてもその違いに応じたその人との距離感を測りながら決して分断することはせず、
あいまいさをはらんだままこの社会を構成するすべての人達と対話を続けていくことに、この分断深まるコロナ禍社会の秩序を取り戻す唯一の希望があるように私には思えます。
私も既知の感染対策を重視する人の気持ちを尊重するので、
感染対策を重視しない私の気持ちとその理由も尊重してもらえると嬉しいです。
それでも一緒にやっていける方法を、一緒に考え続けていきたいです。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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コメント
いつも勉強になります
冒頭文、とても印象に残る総括でした。
何かの仮説や前提を立てた時、現実の事象がそれを踏襲しなかった場合、その仮説や前提を疑い、見直すのが実態を把握する上で重要に思います。
しかしながら、現実に行なわれている各種の施策では、そういった前提批判を避け、原因を他者の行動に求める他責思考になっている事が過ちの主因だと感じます。
今ですと、「スパイク蛋白生成用mRNA(と表現するのが適当かは分かりませんが)大規模投与は最高の収束の道」などもそうですね。
私たちは今、歴史本に刻まれる過ちの1ページを彩っているのでしょう。
Re: いつも勉強になります
コメント頂き有難うございます。
前提を疑うことはなかなか難しいですよね。
私も例えば「あなたがやっている医療は患者を幸せにしていませんよ」などと言われたら俄に認めがたい所があります。
ただ誰かにそう言われるのと、自分で気づくのとではまた違ってくるように思います。
事実が仮説にそぐわない時は前提を疑うチャンスであるわけですが、
前提が強固だとそぐわないこと自体になかなか気づかないという問題もありますね。
これだけ世界中でmRNAワクチンが打たれて、厳しいロックダウンを敢行した国さえ稀でなかったのに、全く収まりを見せない感染状況を見れば前提を疑ってしかるべきだと私は思うのですが、どうやらワクチン推奨派の人々の中で考えの変化は生まれていないように見受けられます。
自分もいつ同じ落とし穴にはまるともしれない不確実性を認識しながら、それでもバランスのよい世界を創り続けていくために、矛盾を見逃さず整え続けていきたいと思っています。
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