思考の好循環
2014/03/04 00:01:00 |
読者の方からの御投稿 |
コメント:6件
精神科医師A 先生より面白いコメントを頂きました.
「考え続ける姿勢」を持った糖質セイゲニストのグループが各地で出きつつあります。
この集団の特徴は、”かきくけこ”です
か: 考える
き: 決める
く: 工夫する
け: 検討する
こ: 行動する
このポリシーでもって皆が一丸となって前進することを期待します。
綺麗に「かきくけこ」でまとまっていて,印象的な言葉ですが,
確かに言われてみれば,糖質制限の事を知ってからというもの,
私の行いは「かきくけこ」になっているような気がします. 例えば,このブログの運営に関しても「かきくけこ」です.
か:生活の中でブログのネタを考える.
き:面白そうなテーマが見つかったらそれをネタに記事を書こうと決める
く:文章を書きながら,時には伝わりやすいように表現を変えたりして工夫する
け:出来上がった記事に対して頂いたコメントも参考に,記事の正当性や不備がないかについて検討する
こ:得られた教訓を元に次の記事へと活かしていく
まさに知らず知らずのうちに「かきくけこ」をしていた事に気が付かされました.
あるいは,日々の診療に際してもそうです.
か:患者さんの症状の原因を考える
き:一番重要な原因が何であるかを決める(例:糖質,感染,薬剤副作用,など)
く:その原因を詳細に知るために工夫する(例:食生活,推定される感染経路,どういう経緯で薬が増えたか,などについて細かく聞く)
け:原因を取り除くための具体的な方法について検討する(例:プチ糖質制限~糖質ゼロ,抗生剤を使うか否か,薬の漸減・断薬など)
こ:検討した治療法がなぜ良いかについて理解してもらうよう説明(行動)する
この「かきくけこ」は何も糖質制限に限ったことではないのかもしれませんが,
糖質制限を通じて,病気の原因というのをより意識するようになりました.
例えば,高血圧一つとってもそうです.
90%が原因不明とされる高血圧ですが,糖質制限をすると血圧が安定化する例が多いことより,
原因不明であった高血圧の原因の多くは糖質の摂りすぎにあった事を考えさせられます.
原因不明として「思考停止」し,ただ単純に降圧薬を処方しているだけだった昔の私からはかなり前進しています.
もっと言えば血圧が上がっている事の意味についても考えるようになりました.
例えば高齢で血圧が上がっている状態というのは,
血管の動脈硬化が進み,組織の隅々まで血行が行き届きにくくなった状態に対して,
何とかしようと身体が頑張っている結果,血圧が上がっているようにも思えるのです.
従って,高血圧を見ると無条件で降圧剤を処方する,という思考停止した姿勢はおおいに見直さなければならないと思っています.
一方で高血圧も度を超えると,我々の領域で言えば脳出血のリスクとなる側面があるのも確かですから,
その辺りは「高血圧はすべて放置」といった極論に陥ることなく,臨機応変に対応していく柔軟な姿勢を持つことが重要だと思っています.
ともあれ「なぜそうなっているのか?」という
「かきくけこ」の最初のステップ「考える」を意識する事で,
「かきくけこ」は自然とうまく回り,さらに次の「かきくけこ」へつながっていくという
思考の好循環が生まれてくるように思います.
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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糖質と睡眠障害
初めてコメントさせていただきます。
地元ではまだまだ糖質制限の波は弱く、啓蒙ブログやら集まりやら始めたいと思いつつ、なかなか重い腰が上がらない群馬県在住の30代男性です。
糖尿歴は約20年ですが、独り暮らしが長く粗食が幸いしてか現在にいたるまで合併症もありません。ただ結婚してから体重が増え始め、A1cも少しずつ悪化していき悩んでいたところ糖質制限に出会い、それから2年ほど続けています。
インスリンは基礎分泌くらいの量しか出ていませんが、糖質制限のおかげで夕食時速効型2〜3単位のインスリン注射だけでA1cは平均5.5を保てています。その他の検査項目も好調です。
主治医には糖質制限を行うタイミングで話してみたのですが「最近流行り始めたやつね〜。そのうち下火になるんじゃない?」という意見だったので、それ以降その話題は一切出さず、勝手に始めて現在にいたります(笑)その先生はたくさんの患者さんを抱えておられますし、おそらくそんな話はすっかり忘れ、カロリー制限と運動療法をしっかりやって薬を減らせた優秀な患者と思われているのでしょう。診察時間は3分くらいですから(苦笑)
本当は糖質制限推進派の先生と身のある話をしたいのですが、私の知る限り県内には富岡市に1人いらっしゃるだけで、少し遠い上に診察時間も合わず、いまだお会いできていません。一患者として1人でも多くの推進派医師が増えることを願ってやみません。
ところで先日、「TBS夢の扉+」で「テキサス大学・柳沢正史先生」の研究が取り上げられていました。柳沢先生が発見された「オレキシン」の睡眠への関わりと、その治療薬化による「ナルコレプシー」治療への取り組みが紹介されました。
ナルコレプシー自体の患者数は多くないと思いますが、ナルコレプシーも含む「睡眠障害」と広げてみれば患者数は激増すると思います。
遺伝などによる先天的なオレキシン生成能力低下がナルコレプシーを引き起こすとすれば、後天的なオレキシン不足や感受性低下が不眠症などを引き起こす原因になっているのではないかと思うのです。
番組中では語られていませんでしたが、視床下部で作られ生命維持の一部を担うオレキシンにも、おそらく生成リズムがあるでしょうし、それが何らかのストレスで乱れたり、蛋白質の変性によって受容性が鈍ることが睡眠リズムを狂わせるのではないかと考察してみました。
つまり、またここでも糖質が悪さをしているのではないか、と考えたわけです(笑)
たがしゅう先生が以前書かれた「糖質は睡眠導入剤か否か」で触れられていた内容にも通じる部分があると思ったのでコメントさせていただきました。オレキシンが睡眠だけでなく、食欲にも関わっているのも興味深いところです。
所詮は素人の浅はかな考察ですが、少しでも足しになれば幸いです。
No title
丁度2年前、トマトが糖尿ラットのメタボを改善するというのが話題となり、トマトジュースが品切れ続出になりました。それと同じように考えているんですね。
Re: 糖質と睡眠障害
コメント頂き有難うございます.
御指摘のようにオレキシンは睡眠との関連で注目されている神経ペプチドです.糖質摂取による眠気やその後の異常な空腹感にもオレキシンが関わっているのでしょうか.そうだとしたら確かに興味深いですね.また勉強してみたいと思います.
ちなみに,近々「オレキシン受容体拮抗薬」という新薬も世に出てくるみたいです.
Re: No title
コメント頂き有難うございます.
> 丁度2年前、トマトが糖尿ラットのメタボを改善するというのが話題となり、トマトジュースが品切れ続出になりました。
特定の食品や商品に頼る健康法は,現実的に一生継続していくのが難しいですから,一過性のブームで終わってしまうのでしょうね.糖質制限はその点全く異なります.
難病
そらママと申します。
いつも、ブログ、楽しみにしています。
娘が難病のクローン病と診断され、2年が経とうとしています。
医師からは、「治らない」と言われましたが、治ると信じて、漢方、鍼、気功…と、いろいろ試してきました。その間、2回、大学病院に入院しました。
今回の入院中、絶食から始まり、徐々に食事をしていくようになる中で、やはり、難病は、体が糖化していたのだ!という確信を持ちつつあります。
というのも、CRPという炎症を表す数値が、絶食1ヶ月ほどで、ある程度落ち着き、食事を出してもらえるようになった時、病院には内緒で糖質となるものは口に入れないようにしました。そして、だんだん体調も良くなったところで うどんが出て、うどんが好きな娘は食べてしまいました。すると、CRPが上昇!
やばい!と思い、ご飯類、イモ類等、食べさせないようにしていたのですが、如何せんまだ子供。口さみしく、飴をいつも舐めていました。
糖質制限なのだから、それじゃダメなことはわかっていましたが、好きなものを何も食べられない娘に、あまり無理強いはできずにいました。私の中で、グルテンに含まれるグルアジンが悪いのかもしれない…という考えもあったので、飴には目をつむっていましたが、娘は飴を一袋いっきに食べてしまうほど、ひっきりなしに食べていました。
そして、CRPが、ある数値から下がらないけれども、他に治療方法ももうないから、退院して良い、ということになりました。
これを機に、飴、やめなさいと言い、飴をやめた1週間後、CRPが急降下。
やはり難病の原因は糖質だったのだと、確信しつつあります。
ただ、クローン病の人たちが食べて良いとされているのは、ご飯類、うどん、イモ類で、まさに、糖質制限とは真逆。そして、食べてはいけないとされているものは、肉、脂質。
なので、恐る恐るです。
大変なことになってしまったらどうしようと思いつつ、白身魚、豆腐から始めています。ただ、私がMEC食なので、クローン病にはタブーなチーズや卵もたくさん一緒に食べていますが、数値は下がるばかりで…。こうなってくると、クローン病や潰瘍性大腸炎の人たちが食べてはダメだとされている肉等は、ご飯類と一緒に食べたからそういう結果になったのか?とか、一体誰が、それがダメだと言い始めたのか?とまで疑うようになり、今はただただ、娘が、糖質制限により、この病気を治す日が来れば、本当に医療のパラダイムシフトが起きてしまうかも…と、思っています。
たがしゅう先生の、糖質制限賛成派、反対派どちらの意見も聞きながら、ご自分の意見を伝えられているブログが、読んでいて気持ちが良いです。
これからも、がんばってください。
Re: 難病
貴重なコメント,また応援のお言葉を頂き有難うございます.
娘さんの症状改善,本当に良かったですね.
> クローン病の人たちが食べて良いとされているのは、ご飯類、うどん、イモ類で、まさに、糖質制限とは真逆。そして、食べてはいけないとされているものは、肉、脂質。
> クローン病や潰瘍性大腸炎の人たちが食べてはダメだとされている肉等は、ご飯類と一緒に食べたからそういう結果になったのか?
同感です.「脂がダメ」というのは原因と結果を取り違えている可能性があります.
現在医学の常識とされている様々な事柄には糖質制限の観点がありません.糖質制限の観点を持って全てを見直していかなければならないと私は考えています.
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