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コロナ後遺症と肥厚性瘢痕・ケロイドの共通点

category - ウイルス再考
2020/ 12/ 19
                 
「コロナには後遺症がある、だからコロナは普通の風邪ではない」という論法があります。

これに関して私は以前、新型コロナウイルス感染症の後遺症における主病態とされる「間質性肺炎」、及びそこでミクロのレベルで起こっている「線維化」という現象に注目して、

間質性肺炎は内側からしか起こせない」という見解を述べました。

つまりコロナ後遺症の主因とされる間質性肺炎はコロナウイルスそのものによって引き起こされている炎症ではなく、

コロナウイルスとの接触を契機に駆動された自身の炎症反応がオーバーヒートして制御困難になってしまったことに起因するという考え方です。

だからただの風邪をただの風邪で終わらなくさせている要因が患者自身の中に存在していると考えられるわけですが、

ふとこれを似ている状況があることに気づきました。

それは外傷治療における「肥厚性瘢痕」「ケロイド」という現象です。
            

「瘢痕」というのはいわゆる「傷跡」です。

「肥厚性瘢痕」というのは「傷跡が盛り上がり過ぎている状態」、「ケロイド」は「傷をきっかけに傷の範囲を超えて傷跡が盛り上がり過ぎている状態」のことです。

「肥厚性瘢痕」も「ケロイド」も皮膚の組織を顕微鏡的に観察すると、線維芽細胞の過剰増殖が認められ、主たる病態として「線維化」が関わっていることがわかります。

そして「肥厚性瘢痕」も「ケロイド」も治療にはステロイドが用いられます。ドレニゾンテープとかケナコルト注射などで皮膚に直接ステロイドを当てることで傷跡を目立たなくさせる治療法ですが、

いずれも不可逆的な要素があって、完全に傷跡のない状況に戻すことはしばしば困難で、特に「ケロイド」に関してはこれらの治療を行っても改善しないことも稀ではありません。

この現象は新型コロナウイルス感染症の重症症例にステロイド(デキサメタゾン)が一定の有効性を示すという点、間質性肺炎に至って回復したとしても線維化に至り一定の後遺症を残すという点と非常にリンクするのではないでしょうか。

特にリンクしていると感じられるのは次の3点です。

①自身のシステムの過剰応答に由来している現象である
②ステロイドが一定の治療効果を示すが、その効果は限定的
③きっかけは軽いものであったとしても、主たる病巣を越えて拡大してしまっている



これらのリンクから「コロナ後遺症(間質性肺炎)」にしても「肥厚性瘢痕・ケロイド」にしても、

「何らかの原因で自身の内的なシステムが過剰駆動されており、その背景には少なくともストレスホルモン(ステロイド)の枯渇が深く関わっている」ということが言えるのではないかと考えられるわけです。


そもそもコロナにしても外傷にしても「炎症」イベントという点では共通しています。

コロナは非自己分子との遭遇に対して、自己環境の恒常性を維持するために「炎症」反応を起こしているわけですし、

外傷は自己分子の欠損に対して、自己環境の恒常性を維持するために「炎症」反応を起こしているという風に見れば、

両者は本質的に見れば、同じ「自己修復反応を引き出すトリガー」だと言えるのではないかと思います。

ただ不安や恐怖で過剰なストレスがかかっていたり、ストレスホルモンを産生するために必要な材料が調っていなかったり、

生体を維持するために必要は別のシステムの駆動に追われて、自己修復反応に十分なエネルギーを割くことができなかったりすると、

結果的に自己修復反応がいつまでも終わらなかったり、自己修復反応が過剰に起こり続けたりする現象が起こってくるのではないかと思うわけです。

相手が「ウイルスという病原体」だという視点でこの現象を見つめてしまうと、

稀ながら重症化していく患者の姿をみて、どうしても「恐怖のウイルスが私達の身体を重症化させている」というイメージへとつながってしまうわけですが、

「肥厚性瘢痕・ケロイド」の原因はウイルスのような外的要因ではなく、内的要因の欠損に由来していますので、

さすがに「恐怖の物体が重症化させている」という風には解釈されることはありません。

しかし「肥厚性瘢痕・ケロイド」のはっきりとした原因はよくわかっていませんし、「体質のせい」と片付けられている解説がほとんどです。

本当の原因たりうる「ストレスホルモンを枯渇させている何か」には考えが及んでいないのではないでしょうか。

そしてその本当の原因が放置されていると、本人の内側でどんどん肥大化し、抑えきれない過剰炎症へとつながり、

ひいては本来の炎症の範囲を超えて全体を滅ぼす結果へとつながっていくと、

そのような構造があるように思えてなりません。


対処すべきはウイルスや体質などではなく、

無意識にストレスを蓄積し続けている内側の心のクセだということに気づく必要があります。

その視点がなければ一連の騒動は今後もこじれ続けてしまうかもしれません。

しかし心に問題があることは論理的に実証できたとしても、

心の問題は見えないし、本人にしかわからないし、場合によっては本人にさえ気づかれていないものであるので、

見えるものを絶対視する科学的思考のようなものがすっかりと定着してしまった世の中に方向転換させることは容易ではありません。

「本来の科学的思考」が正しく発揮されれば、きっとこの過ちに気づくことはできるはずだと信じていますが、

まだまだ先の長い道のりになりそうです。


たがしゅう

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