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ウイルス感染症と細菌感染症は本質的に異なっている

category - ウイルス再考
2020/ 11/ 05
                 
ウイルスの干渉とは自然免疫の持続刺激状態によってもたらされる他のウイルスの難感染状態であり、

BCGワクチンはウイルスと同様の細胞性免疫を中心とした自然免疫システムを刺激し続けることによって、ウイルスに対しての防御状態を作ることができる
」という意見があります。

今回はその意見に対する反論をまとめてみたいと思います。

まず何度も当ブログで繰り返している意見ですが、BCGワクチンの新型コロナウイルスに対する効果が自然免疫の賦活なのだとすれば、

なぜ今までは他のウイルス感染症に対して同じ疫学的特徴を取っていなかったのかという矛盾を解消することができません。

自然免疫とは広く様々な病原体に対して「自己」「非自己」の区別を通じて平等に効果がもたらされるはずのシステムです。
            

BCGワクチンが自然免疫賦活を介して新型コロナウイルス感染症を防いでくれているのだとすれば、

インフルエンザウイルスも、アデノウイルスも、コクサッキーウイルスも、麻疹ウイルスも、風疹ウイルスも、

同じように防いでくれていないとつじつまが合わないのです。

もし新型コロナウイルスだけをたまたま防御するという病原体特異的な仕組みが発動しているのだとすれば、それはもう自然免疫賦活のせいではないということになります。

だから、BCGワクチンが自然免疫を賦活して新型コロナウイルス感染を防いでいるという説は、どうしても事実に合致しないのです。

だからその矛盾が説明できない限り、どれだけもっともらしく聞こえる説であったとしても私は疑いの姿勢を崩しません。


それと「ウイルスの干渉という現象が自然免疫の持続賦活状態だ」という意見に関しても、もう一つ思うところがあります。

それは「干渉という現象はウイルスについては起こるけど、細菌については起こらない」という事実をきっかけに考えることができます。

もしもウイルスの干渉という現象が自然免疫の持続賦活状態なのであれば、細菌も干渉して感染を防いでくれないと話が合いません。

しかし実際には、ウイルスと細菌の重複感染は起こります。むしろ重症化のきっかけにさえなります。

なぜウイルスの持続感染状態は、他のウイルスの感染だけは防ぎ、他の細菌の感染を防いでくれないのでしょうか。

それはあるウイルスの感染状態において、他のウイルスが感染しない理由が自然免疫の賦活によるものではないからではないかと私は考えます。

私の意見は、「ウイルス感染症というのは自己反応のオーバーヒート状態」というのがベースです。

それは一見自然免疫システムが賦活しているようにも見える現象ですが、本質はそこではありません。

ウイルスはそもそも地球上のすべての生物、動物も植物も細菌も含めたすべての生物に共通しうる不完全な遺伝情報の断片です。

この不完全な遺伝情報は時として時としてある生物には「自己」として取り込まれて、進化に一役買ったりだとか、

また別の生物には「非自己」と認識されて、生物に対してストレスを与える存在として機能して、場合によっては病気と呼ばれる状態へと発展したりだとか、

そうした相互作用を繰り返しながら自然界の中で関わり合っているものです。

一方である動物の中で「自己」と判断されていたはずの状況であっても、

同じある動物の恒常性が乱れ、恒常性を維持するシステムの精度が低下してしまっている時にウイルスと遭遇してしまうと、
それを誤って「非自己」と認識してしまうエラーが発生し、そのエラーが中途半端に残存し続けてしまうと、

そこに異物は実質的に存在していないのに異物排除システムが持続駆動されてしまうという皮肉な事態が起こりえます。

このエラーによってもたらされた自己システムのオーバーヒート状態が、私達がウイルス感染症と称する現象の正体であって、

他の細菌感染症のように完全なる「非自己」となる生物とのせめぎ合いによって起こる現象とは異質のものだと私は考えています。

その自己システムのオーバーヒートはある切り口からみれば、まるで自然免疫が刺激され続けている現象であるかのように感じられてしまいますが、

実際にはそれはそのように見えているだけで、本質的には恒常性を保つためのシステムが総合的に過剰駆動されているだけの状態で、その一部に自然免疫を動かすシステムの一部が巻き込まれているというだけだと思うのです。

そう考えれば、BCGワクチンによって自然免疫が刺激されるという事実、

ウイルス干渉が他のウイルス感染は防ぐけど、細菌は防げないという理由、

そしてBCGワクチンが新型コロナウイルス感染症は防ぐ(ように見える)けど、他のウイルス感染症を防がない理由、

すべてが矛盾なく説明できるように思います。

異物が侵入した際に自然免疫が刺激されるのは言わば当たり前の話です。

それをBCGワクチン特有の効果などと解釈してしまうと本質を見失ってしまうので注意が必要です。


たがしゅう

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