「コロナ騒動は陰謀ではない」とする見方
2020/08/31 16:45:00 |
読者の方からの御投稿 |
コメント:3件
ブログ読者の方から多くの新型コロナウイルス感染症に関する情報を頂きました。
こうした情報でも明らかなように、最近は新型コロナウイルスの騒動がすべて創作された陰謀論的なフェイク情報によるものだったという意見や情報がネット上でよく聞かれるようになってきました。
その気持ちは非常によく理解できますし、実際にそう思ってしまうのも無理もない状況になっているように思います。
しかしながら私のスタンスは基本的に「陰謀論は一番最後に考える」というものです。
多くの陰謀に思える出来事は、実際には各所ではいたって真面目にやるべきことをやっているだけの結果として起こっていることが多いです。
例えばよく医者と製薬会社が共謀して薬を使ってお金儲けをしているという類の陰謀がまことしやかにささやかれていますが、
現場を知る医師の立場から言えば、あれもほとんどの医者や製薬会社関係の人達は、自分の職務を全うしている結果に過ぎないと考えるのが妥当です。 医者は真面目にその患者さんにその薬が必要と判断して薬を処方していますし、
製薬会社は本当にその薬がよいと思って医者に宣伝し、自社の薬をたくさん使ってもらえるように働きかけています。
ただ問題なのは、その背景となっている医療の価値観です。血圧は何が何でも下げた状態を保たねばならないとか、コレステロールは低い状態を保っていた方がよいという価値観が強く影響しているのです。
そしてその価値観は「科学的根拠」という殺し文句によって、強固に固められてしまっている実情があります。
新型コロナウイルス感染症に関してもおそらく同じ構造が当てはまっているのではないかと私は思っています。
国や厚生労働省、感染症専門家、メディア、ワクチン開発に関わる製薬会社など、それぞれはただ真面目に従来からの価値観に従って職務を全うしているだけではないかと思っています。
しかしながらどうして各所がはたから見るとどう考えても陰謀論にしか思えないような政策や戦略を執っているのかに関して、
今回は完全なる私の想像でしかないですが、あえて陰謀論ではないという視点から、それぞれの立場の純粋なる気持ちがどうなっているのかについて想像してみたいと思います。
頂いた様々な情報のエッセンスを私なりにまとめてみると次の部分が陰謀論的に思えるのではないかと思います。
①国や地方自治体が単なるPCR検査陽性者を「感染者」と表記し、真の感染者たる「有症状者」と「無症状者」の区別はおろか、重症者、死亡者の年代別の割合など詳細状況が分からないように統計データを隠蔽している【事実隠蔽論】
②厚生労働省が死因を新型コロナウイルスのPCR検査の陽性者であれば、厳密な死因を問わず「新型コロナウイルス感染症による死亡」として処理するように促す事務連絡を行っている【死因ねつ造論】
③新型コロナウイルスの遺伝子の配列を持ったウイルスが、本当にそれ自体で病原性を持っているかどうか、コッホの4原則を経て検証がなされていないまま、武漢からの症例報告を元にして病原性未確認のままPCR検査が運用されて話が進められてしまっている【ウイルス非存在論】
④メディアは新型コロナウイルスの情報に関して不安/恐怖情報ばかりを優先的に紹介する偏向報道を行い国民の不安/恐怖感情をあおっている【メディア恐怖発生装置論】
⑤三密回避、マスク着用、頻回消毒、ソーシャルディスタンスといった有効性に関して科学的に決着のついていない方法を「新しい生活様式」として問答無用で採用し、またその見直しが一向に行われることなく推奨し続けている【国民強制奴隷化論】
⑥有効性の明らかでない治療薬やワクチンを正式な手続きを踏まずに緊急で通そうとしたり、特に議論がなされることもなく国民全員のワクチンを入手しようとしたりしている【ワクチン大儲け計画論】
まず①についてですが、おそらく公的期間は統計情報を上げる時に「慣例に従う」という性質があるのではないかと思います。
言い換えれば、最初に定めた一定の統計情報収集ルールに基づいて作業を続けているのであろうと思います。
今でこそ重症化の要因や、年代によって死亡率が全く変わってくるという疫学的な特徴がかなり明らかになってきましたが、
この騒動が始まった当初は文字通り未知のウイルスで、海外の限られた情報から急ピッチで診断の目安が突貫工事的に作成され、
その診断の一番中心に位置付いていたのが「PCR検査」でした。これが唯一の「新型コロナウイルス感染症」と診断する最大の意義を持った検査であり、逆に言えばこのPCR検査なくして「新型コロナウイルス感染症」と診断するのは不可能な状況にありました。
それが故にこの絶対的な重要性を持つ「PCR検査」の陽性者を「感染者」として認識して、その数を正確に把握するという職務が公的機関にとって重要な意味を持つ、ということからスタートしたのであろうと思います。
それでも途中で様々な疫学的情報が新たにわかってきたのであるから、それを踏まえて統計情報を修正していけばよいではないかと思うかもしれません。
しかしここで「慣例に従う」体質が深く関わってきます。そもそも最初の統計情報収集ルールに問題があるとは当事者としては認識していないかもしれません。なにせそのルールは正しいことを言うはずの専門家集団によって作成されているわけですから。
それでも細かい部署の現場の人の中では疑問に感じている人もいるにはいるでしょう。しかし、「慣例に従う」のが体質の組織の中においてはそうは思っていてもとにかく「前例に従って職務を全うする」ことこそが善とされていて、多少おかしいとは思っていながらも通常業務として従来型の統計の挙げ方を続けている、そんなことが実情なのではないかと私は思います。
②につきましても、明らかに理不尽で死因のねつ造だと捉えられても不思議ではないと思えるやり方ですが、
これに関しても世間で「新型コロナウイルスが恐怖で未知の感染症ウイルスである」という認識が多数派を占めていることが影響してくるように思います。
そういう価値観の中では、一人でも新型コロナウイルス感染症の可能性のある患者を見過ごしたら、それこそ責任問題が問われるような事態に発展しかねません。
そこで厚生労働省は、見過ごしの可能性を最小限に抑えるべく、厳密な死因診断によって新型コロナウイルス感染症の患者が見過ごされるくらいなら、多少過剰診断になったとしてもとにかく見過ごし例をなくそうとするための方法論として件の事務連絡に至ったのではないかと思われます。
世間の多数派価値観からの非難から逃れようとするためにとった苦肉の策とも言えるかもしれませんが、それが科学的に不公平な態度であることについては異論の余地はないように思います。
要するにこの度の騒動は公的機関にそれくらいおかしな決断をさせてしまうほどに混乱を巻き起こしているということだと思います。
③については、おそらくは緊急性が先立ってしまい、それが見直されなかったことによって世界中をパニックを陥れてしまった結果として起こった現象であるように思います。
SARS、MERSの前例もあり、変異したコロナウイルスは驚異的なウイルスとなりうるという予備知識があった上で、武漢での重症肺炎症例のクラスター論文です。
これは緊急的に遺伝子解析に持ち込み、これ以上被害が世界に拡大しないようにいち早く情報を公開することが先決だという判断に至る医療従事者の心境は理解できるものではあります。
しかしながらこれもまたパニックにより冷静な判断が下されていないと考えざるを得ない現象だと思います。
真に科学的な態度をとるのであれば、直ちに病原性を確認するために症例の検体からウイルスの遺伝子を読み取る作業だけではなく、ウイルスの単離を試みて、そのウイルスを別の生物に感染させることで同様の症状が再現されるかどうかを確認するプロセスが必要でしたが、おそらくパニックによって早計な判断に至ってしまったのでしょう。
そのパニック的判断が未だに修正されることなく世界中の医療者をパニック的に動かしてしまい、今に至るまで軌道修正されずに来ているというのが実情です。
私が知る限り、医者という人種は「あれは間違っていました、すみませんでした」となかなか言えない存在です。
本来科学的に正しいことを行うのであれば、病原性の検証は今からでも行われなければなりません。
しかし仮に病原性がないことが確認されたとしても、その立場にいる人は誰もが「ごめんなさい」と言えない状況にあっても不思議ではありません。
ひょっとしたら医師(研究者)のつまらないプライドも今回の騒動に一役買ってしまっているのかもしれません。
④に関して、よく言われることは「不安や恐怖をあおる方が視聴率が上がるので、メディアは意図的に不安/恐怖情報をあおっている」というものですが、
もしも陰謀ではなければ、メディアの人達は大真面目に不安/恐怖情報を伝えようとしているということになります。
そこに意義があるのだとすれば、危険な情報をいち早く国民に伝え、とにかく危険から身を守ってもらおうとする気持ちから動いている結果なのかもしれません。
そこに「このように表現すればより視聴者の心に残る形となるかもしれない」とか「このように情報をそぎ落とせば大事なメッセージがダイレクトに伝わるかも知れない」という細かい工夫も涙ぐましい努力の下に成り立っているのかもしれませんが、
陰謀論という視点に立てば、その行動はメディアの悪意ある情報操作にしか思えないでしょうね。同じ現象も視点が違えば全く違う印象になるということは世の中でよくあることだと思います。
⑤に関しては、科学的に決着が書いていないと書きましたが、感染症や疫学の専門家達からはすでにこれらの「新しい生活様式」が科学的根拠を紹介する医学論文とともに主張されている場面が多いと思いますので、
科学的に決着がついていないとするのはおかしいのではないかと思われる読者の方もおられるかもしれませんが、
実際には医学論文というのは自分に都合のよい結果だけを持ってくることはいくらでもできる世界ですし、同時に主張する結果とは逆の医学論文も無数に存在しているという状況もざらにあります。
ですのでそういう意味で真に科学的な態度を全うするのであれば、「科学的に決着がついていない」とするのが誠実な態度だと思うわけですが、にも関わらず世の中ではその決着がついていないはずの内容が一方的に推し進められてしまっている状況です。
それは何故かと尋ねたら、「専門家がそう言っているから(専門家の言うことが正しいという絶対的な風潮があるから)」だと私は考えます。
そして専門家が陰謀を持ってそのように誘導しているのではなく、本気でそれが正しいと心底思ってそのように推奨しているのであって、世界中の人々の多数派もそれを信じて疑いません。
よって決着のついていないはずの問題が、あたかも解決済みのような形で進んでいってしまうのだと私は思います。
最後に⑥についてですが、ワクチンの問題に関しては冒頭の医者と製薬会社の癒着の一例として近年よく話題になっているように思います。
しかしこれとて医学界には厳然として「ワクチンは医学において絶対的に重要な価値がある」という価値観が圧倒的主流派であるが故に起こっている起こるべくして起こっているムーブメントであって、
各医者、各製薬会社は世界中の人々の命を救おうと必死になって動いている結果だと私は思います。
そこにおそらくや悪意や金儲けの感覚はありません。それぞれが自分達の立場でできることを考え最善を尽くそうとしているだけではないかと思います。
ただそれぞれの行動を促す大元となっている価値観が「ワクチンは善」という前提で動いているものですから、
ワクチンの欠点などを科学的に公平に見ようとする立場からすると、あまりにも偏った問題のある行動に見えるのも無理はなく、
それがあたかも医者と製薬会社が共謀して図った陰謀であるように思えるのでしょう。
私は何も「それぞれが真剣に考えて陰謀なく頑張っているのだからいいじゃないか」となだめたいわけではありません。
むしろ自身の前提を疑わず思考停止的に自らの正義を遂行しようとする姿勢に「凡庸な悪」とも言えることの本質的な問題が潜んでいるとさえ思っています。
私はここ数ヶ月、ウイルス、ワクチンというものを大きく見直して、その本質が世間で思われているような実存とは全く違うものであるという見解に至りました。
つまり私の中でこれらに対する前提が変わったのです。前提が変われば取るべき行動が変わります。
要するに世界中の人々の中で、ウイルスやウイルス感染症、ワクチンに関する既存の前提に問題が潜んでおり、それが多くの人にとって変えられないというところに問題の本質があるように思うのです。
単に陰謀として処理して、陰謀論者と戦うという構図で解決するような問題ではないと私は思います。そもそも陰謀でなければ、そのようなアプローチは全くお門違いで、不要な闘争を生み出してしまうだけです。
ただここまで構造がわかったところで、はてどうやって解決への一歩を踏み出していけばいいものか私は明快な解決策を持てずにおります。
一つ確かにできることは、それが最善の方法かどうかわかりませんけれども、
私が気づいたこの騒動の本質的な問題について気づきをひたすら声として上げていくことなのだと思っています。
皆様におかれましても、陰謀と片付ける前に陰謀ではない可能性も模索して頂き、
その上でどうしていけばよいかという視点で考えてみることをおすすめいたします。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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No title
右往左往することしか出来ない人たちが陰謀を企てられるはずもない。
・・・削除されてもいいです。・・・本当にそう思っています。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
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