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ファクトに注目するスタンスの違い

category - 読者の方からの御投稿
2020/ 08/ 03
                 
今回はブログ読者のジョーさんから頂いた御質問で、

最近話題の国際医療福祉大学髙橋泰教授の「感染7段階モデル」に対して私がどのように思っているかについてお答えしたいと思います。

まずこの「感染7段階モデル」というのはどのようなものかと言いますと、新型コロナウイルス感染症の段階は以下の7段階に分類されると仮定するものです。

ステージ0:新型コロナウイルスに暴露したことがない(身体に入ったことがない)
ステージ1:暴露したが感染したことがない(細胞に入り増殖したことがない)
ステージ2:感染したが自然免疫で対抗する
ステージ3:獲得免疫が立ち上がりはじめる
ステージ4:獲得免疫で戦う
ステージ5:サイトカインストームが発生する(ウイルスが凶暴化)
ステージ6:死亡する
            

そのうちでステージ0に相当するのは国民の7割程度、残り3割のステージ1以降の人達の内訳は、ステージ1−2でだいたい98%、ステージ3-4で1.999%、残りの0.001%がステージ5-6に該当し、高齢になるほど若干だけ確率が高くなるとするモデルです。

これは現実に分かっている新型コロナウイルス感染症にまつわる日本国内の事実(ファクト)を元にして作られた仮説なので、

これは髙橋教授自身が「あくまでも大雑把なシミュレーション」だと述べてはおられるものの、情報がそれほど多くない頃に言われていた将来を予測しようという性質の仮説に比べると当然ながら信憑性が高い内容になっていると思います。

ポイントはやはり「ファクトに基づいて考えれば、新型コロナウイルスは多くの場合、自然免疫で撃退されているとしか考えられない」といったところではないかと思います。この点は私も同意見です。

そもそも私の思考スタイルも「事実重視型思考」なので、事実にそぐわない一切の解釈を許しませんので、意見が一致するのは自然の流れだと思います。

ただ、細かい部分でこのモデルの理由付けについての見解は私と違う部分がいくつかあります。

まず髙橋教授はステージ5ー6の人達が重症化する理由を「獲得免疫が発動しても新型コロナを抑え込めなかった」と述べておられますが、

私の見解は「新型コロナを抑え込めなかったのではなく、新型コロナ感染を契機に自身のシステムが暴走した」です。

つまり新型コロナウイルスが0.001%の確率で凶暴化するのではなく、ウイルスは誰に対しても等しくいつも通り振る舞っているだけで、

それに対抗する身体のシステムがうまく機能していない人が結果として行きすぎた免疫反応であるサイトカインストームを引き起こすという風に考えているのです。

そう考えないと獲得免疫が少ない状況にあるはずの乳幼児に重症化例が少ないというファクトに矛盾します。

それから日本の死者数が欧米の100分の1に相当するという統計データについての理由を髙橋教授は「①暴露率」「②自然免疫力」「③発症者死亡率」の3つの観点で説明しておられますが、

このうち、「②自然免疫力」が日本人で高い理由を、BCGが影響しているに違いないと述べておられ、この点が私と見解が違います。

以前の記事でも述べましたが、もしBCGが自然免疫力に寄与しているというのであれば、以下の2つのファクトとの矛盾が生じてしまいます。

①BCGでオールマイティに様々な病原体への免疫力を一律に高めるはずなのに例えばインフルエンザの流行に関しては新型コロナウイルス感染症と同じ疫学的特徴をとっていない
②BCG日本株を打ったイラクで6月以降急速に新型コロナウイルス感染症による死亡者が急速に増え続けている


どれだけ強い相関関係があろうとも、それは因果関係ではないし、一つでも矛盾ある事実があればそれは因果関係たりえません。

髙橋教授はファクトに基づいた仮説提唱、私は事実重視型思考と似たような思考プロセスで考えているにもかかわらず、

細かいところで差が出てしまうのは、おそらく髙橋教授が新型コロナウイルスにまつわるデータのみをファクトとして捉えているのに対して、

私は森羅万象世の中で観察されている事実すべてをつじつまが合うように組み立てるべき対象と捉えているが故なのではないかと考えています。

要するに髙橋教授と私とでは見ているファクト(事実)が違うということです。

例えば、「日本の新型コロナウイルス感染症による死者数が欧米の死者数の100分の1」という情報自体がファクトではない可能性も私は疑っています。

なぜならば社会の価値観や混乱によって死因判断は変動するからです。見かけの100分の1となってしまっている可能性が年単位の国別超過死亡が判明しない限りはファクトと断定できないと考えます。

もっと言えば、見ているファクト(事実)も異なっていれば、それを判断する価値観も私と髙橋教授とで異なっているとも思います。

というよりも私だけが独特なものの見方をしていると言った方が適切かもしれません。

例えば、多くの方々はウイルスの毒性によって重症化するかどうかの命運が分かれると考えていると思いますが、

私はウイルスとの相性(HLAの相性)と、自身の免疫システムのバランスの取れ具合が重症化するかどうかの命運を握っていると考えています。これはここ数ヶ月私が考察を積み重ねてたどり着いた独自の見解です。


同じファクト(事実)を見ていても、ものさしが違えば見える景色は変わってくると思います。

これからも、事実と解釈を選別し、事実のような見せかけのデータに惑わされないように気をつけながら、

先入観にとらわれずに、すべての事実に合致する解釈(仮説)に注目していきたいと思います。


たがしゅう

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