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体調を騙す物質

category - ふと思った事
2020/ 06/ 26
                 
今まで当ブログでさんざん「体調をみる」ことの重要性について語ってきた私ですが、

この「体調をみる力」には大きく2つの視点があることに気づかされます。

一つは「短期的に体調をみる力」、もう一つは「長期的に体調をみる力」です。

先日、私のYouTubeチャンネルで食品添加物研究の第一人者、安部司先生へのインタビュー動画を公開しましたが、

そのインタビューの中で私が実感を持って感じたのは、「添加物は味覚を破壊する」という事実です。

より具体的には「添加物によっておいしくないものがおいしいと感じさせられてしまう」ということです。
            

例えば、ものすごくしょっぱいものに添加物を加えると普通においしいスープとして飲めてしまうということであったり、

ものすごく甘いものに添加物を加えると、すっきりとした炭酸ジュースに早変わりするとか、そういうことですね。

これは言わば「体調というバロメータ」が人為的なものによって崩されているということに他なりません。

バロメータがしっかり機能してさえいれば、不味いと感じてその物質を遠ざけていたはずなのに、

むしろ逆にその物質をおいしいと認識して、積極的に摂るよう行動してしまうという結果へとつながるわけですから。

生物として最も信頼のおけるバロメータである「体調をみる力」を大きく歪められてしまっている、ということになるのではないでしょうか。

このような構造は添加物以外でも観察されるところがあって、

例えば、添加物の有無に関わらず糖質過多の食品は、その瞬間においてはおいしいし幸せになるし、元気にもなると思いますが、

その後胃もたれがしたり、咳や痰が絡んだり、異常な眠気がやってきたりすることってあるのではないかと思います。

しかしそうした後で起こる現象と糖質過多食品との関連に気づかなければ、「糖質過多食品は体調をよくする食べ物だ」という認識となって、

逆に胃もたれ、咳・痰、眠気といった現象は年齢的なものだとか、原因不明だがたいしたことはないのでスルーされるものとして認識されてしまい、

長期的にみればだんだんと体調が悪くなっていくことに気づかずに、繰り返される瞬間的な体調の改善に惑わされて大きな流れを見失うことへとつながってしまいます。

タバコを吸う行為にも同じ構造があります。タバコを吸い続けると先日もCOPDという肺の病気の話を持ち出したばかりですが、

その強力な酸化ストレスを介して、徐々に体調が悪化していきます。タバコの害は決して肺がんだけに留まらず全身に及びます。

その現実が明らかであるにもかかわらず、多くの喫煙者がタバコを止められないのはなぜでしょうか。

それは瞬間的に元気になるからです。瞬間的にストレスが和らぐからです。

つまり「短期的に体調をみる力」が惑わされて、「長期的に体調をみる力」が損なわれていく、という構造が存在するということです。

この構造を見逃してしまうと、「体調をバロメータ」に身体を整えているはずなのに、知らず知らずのうちに体調が悪化していってしまうという皮肉な事態へとつながってしまいます。

さて、どうすればよいのでしょうか。「体調」は当てにならないということになってしまうのでしょうか。


ここで私は「長期的に体調をみる力」を大事にすることを提案したいと思います。

添加物にしても、過剰糖質にしても、喫煙にしても、短期的には体調をよいと感じさせ、長期的に身体を害する元となる存在です。

けれどいくら短期的に体調が良くとも、そのような構造にあるものを続けていれば、いつかは必ず体調の悪さに気づくはずです。

もしも体調の悪さに気づかないのだとすれば、それほど体調が悪くないか、もしくは体調をみる力が完全に失われてしまっているかのどちらかでしょう。

たまに話を聞くタバコを吸い続けているけれど、なぜか健康長寿を成し遂げられている人は前者のパターンでしょう。それはそれでいいと思います。

しかし、原因はともあれ体調の悪さが途中で自覚されている場合は、自分の中で見過ごしてしまっている何らかの体調悪化要因が存在するという事実を受け止める必要があると思います。

そのときに「短期的に体調をよくするが、長期的には体調を悪化させる」という外部要因の存在を考慮しなければなりません。

添加物、過剰糖質、喫煙に共通するその外部要因の特徴は、やはりその「人為性」の高さです。

添加物の人為性は言うまでもありませんが、糖質は自然界に存在するも、今のように一気に過剰に摂取できる状況は人間の手が加わってこそですし、

喫煙に関しても火を加えることに始まり、様々な人為が加わったことによってはじめてできるようになっている行為です。

こうした人為的なものが身の周りにいつの間にか溶け込んではいないかということを考える必要があると思います。

一番トリッキーなのは、サプリメントです。サプリメントは確かに短期的に体調を改善させる効果があるのは明らかです。

しかし同時にたくさんサプリメントを飲んでいるにも関わらず一向によくならないという人も稀でなく見かけます。

サプリメントにもその商品を安定化させるために必ず添加物が含まれています

それが人体にどのような影響をもたらすかということまではわかりません。添加物には様々な種類のものがあり、その人体における影響をすべて把握することは困難です。

たいして人体に影響のないものかもしれないし、実は今わかっていないだけで人体に悪影響をもたらすものかもしれない、それははっきり言ってわかりません。

ただし人為性の高いものが入っているということだけは間違いありません。

もしも飲んでいて短期的には良いことが起こっているけれど、結局じりじりと身体は悪い方向へ向かってしまっているという時は、

こうした高い人為性のものによって「短期的に体調をみる力」が乱されている可能性を考えてもよいかもしれません。


そしてもしもそうした外部要因を取り除いたとしても、体調がよくならないのだとすれば、

このタイミングで何らかの把握できていない内部要因が原因となっている可能性を考えていく必要があります。

そもそも「体調がよい状態」というのは、少々の外部要因が加わったところで、それでも恒常性を維持できる状態のことを指すと思いますので、

考え得る外部要因をすべて除いてそれでも体調が悪いのであれば、残る可能性は内部要因しかありません。

「体調」という優れた内部システムを乱す内部要因として、私は心の在り方に注目をしてきています。

ここが崩れると「長期的に体調をみる力」さえ崩れて、ひいては体調をみる力そのものが破綻してしまう結果へとつながってしまいます。こうなるともはやお手上げです。

だからこそ、たとえ未認知の人為性物質によって「短期的な体調をみる力」を不本意に崩されたとしても、

「長期的な体調をみる力」だけは最後の砦として決して崩されてしまってはいけないと思うわけで、

そのためにストレスマネジメントを健康を守るための基本的指針として持っておく必要があるのだと私は考えています。

現代医療の体調を軽視させる病名絶対主義や検査中心中心主義は、その最後の砦を崩す一助となってしまっているとさえ思えます。

「短期的な体調は人為によって乱される。しかし心の在り方さえ整っていれば長期的な体調は適切に評価することができる」

こじれた病態に悩まされている人はこのことを参考にしてもらいたいと思います。


たがしゅう

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