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「集団免疫」理論の矛盾

category - ワクチン熟考
2020/ 06/ 14
                 
新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの積極的接種が望まれる背景、

あるいはスウェーデンのようなロックダウン(都市封鎖)せずに経済活動を回していく戦略が成立する背景には、「集団免疫」理論というものがあります。

これがどういうものかといいますと、「ある感染症に対して集団の大部分が免疫を持っている際に生じる間接的な保護効果であり、免疫を持たない人を保護する手段」と定義されています。

すなわち集団において、「大多数の人に免疫があれば、免疫のない人も守ることができるので、みんなで免疫をつけましょう」という話へつながる理論です。

ここでいう免疫というのは主に「抗体」の有無、すなわち獲得免疫が機能しているかどうかという意味になってくると思いますが、

私はこの理論には大きな疑問を感じています。
            

日本でも最近新型コロナウイルス感炎症に対する大規模な抗体検査があって、その集団における抗体保有率が0.4%とか0.6%しかないという少なさが話題となりましたが、

現実問題としては、PCR検査によって同定される感染者が全国に広がっている状況かつ日本人のほとんどが抗体がないにも関わらず、軽症または無症状で経過しています。

となってくると、いわゆる集団免疫が成立しない状況において、すでに感染拡大が防止されているという事実があるということになりますが、この矛盾は集団免疫理論においてどう説明されるのでしょう。

集団免疫理論の元となっている麻疹についてのアメリカの医学論文があるのですが、

ここには1930年代に麻疹の多くの人が自然感染で免疫を獲得したことで、その後の増加で感染者数が一時的に下がったという集団免疫理論の自然発生が示されていたり、

1963年に開始された麻疹ワクチンのおかげで、その後の麻疹罹患者が圧倒的に少なくなっているというデータがグラフとともに示されています。

しかしながら確かにワクチン接種後に感染者数は著しく減少しているものの、麻疹の死亡者が激減しているのはワクチンが導入される前の1930年代頃からとなっていることがグラフを見ればわかります。

ということは「1930年代〜1963年までの麻疹死亡者数の著しい減少はワクチン以外の何らかの要因によってもたらされた」ということになりますし、

また、この時期の麻疹というのは「かかりはするけれど、死亡には至らない」というものだいうことがわかります。

一方で麻疹ワクチンを打つことで麻疹の感染者数は減れど、死亡者数の減少にはあまり寄与していないということもわかります。

「それでも麻疹感染のような激しい症状を防ぐことができて、その後の後遺症をきたすリスクもなくなるのであれば、十分意義があるではないか」と思われるかもしれませんが、

その一方で無視できない有害事象のリスクを請け負うことになるのであれば、「意義がある」という理屈だけで押し通すことはできないと私は思います。

そしてここで一番問題にしたいのは、「みんながワクチンを打ったおかげで、本来なら麻疹にかかっていたであろう人がかからなくて済んでいたというのは本当なのか?」という疑問についてです。

ワクチンを打ったからといって、感染自体が不成立となるわけではありません。そこにウイルスは存在するけれど発症はしないという状態が作られる(とされている)だけです。

だったら周りがワクチンを打っていようといまいと、ウイルスは自然界のルールに従って接触した人に感染し、免疫(自然免疫+獲得免疫)が整っていない人は発症し、免疫システムが乱れている人は重症化するというシンプルな理屈に帰結するのではないかと私は思うのです。


そのことを示す傍証となっているのが、結核という感染症の再興です。

結核という細菌感染症に対するワクチンは、新型コロナウイルス騒動でも話題になったご存知BCGワクチンです。

BCGワクチンは新型コロナウイルス感染症の重症化予防に効果がないであろうと私が考えていることは以前も記事にしましたが、

このBCGワクチンに多くの日本人が期待を寄せている背景として、その接種率がほぼ100%であることにあろうと言われています。

いわゆる集団免疫理論が間違いなく効力を発揮するであろうとされる状況です。にも関わらず、です。

BCGワクチンの本丸のターゲットである結核は皆がBCGワクチンを打っている状況にも関わらず、1996年〜1997年頃にかけて増加に転じるという出来事が起こりました。

以降、それまでは結核は「過去の感染症」として位置づけられていた状況から、以前の感染症が再び流行するという「再興感染症」として位置づけられるようになりました。

一方でどんな人が1996年以降に結核に罹患しているのかと言いますと、

高齢者や社会的経済弱者(ホームレスなど)の人に多いということがわかってきています。奇しくも新型コロナウイルス感染症で重症化しやすい人とと同じ傾向があります。

結核再興の理論として、昔ほど結核が蔓延することがなくなり、若い人が結核に対する免疫を持たなくなってきたからだとか、

高齢者に多発していることから、結核蔓延時代に結核を潜伏感染させてきていた人も高齢となって免疫力が下がってきたが故に結核菌が再活性化してきたためだと言われていたりしますが、

これらの説にも矛盾があります。前者の説のように若者が結核の免疫を持たなくなっているのだとすれば、やはりBCGワクチンの効果は結核の感染を予防しないことになってしまいますし、

後者の説だと最近になって再び高齢者での結核患者数が急に増えてきた理由にもなりません。

私自身は戦前から戦後にかけて改善された栄養と生活環境の改善が結核減少の真の要因であって、

結核再興の要因は過栄養と情報過多に伴う食事とストレスの観点における身体システムのオーバーヒートにあると考える方が妥当ではないかと思っています。

つまりワクチンの効いた効かないとは全く独立した現象だということです。ワクチンがあろうがなかろうが、集団免疫があろうがなかろうが、「かかる人はかかるし、かからない人はかからないということです。

もっと言えば、感染症にかかること自体は身体システムの乱れを是正するチャンスなので、必要あり必然的に起こっているイベントだとも考えられます。

だから集団のために、打ちたくないワクチンを打つ必要もないと私は思います。

ワクチンが効くと思う人がワクチンを打ち、効かないと思う人は打たない」、それでよいのではないでしょうか。


たがしゅう

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コメント

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ウィルス・細菌によって違いはありますか?
ワクチンによって
・完全に感染を食い止め、ウィルスの排出を防ぐもの
・発病は食い止めるが感染は防げず、ウィルスを排出してしまうもの
があります。
家畜の場合、前者にはニューカッスル病ワクチン、豚コレラワクチンなどがあり、後者には鳥インフルエンザワクチン、口蹄疫ワクチンなどがあります。
これらの違いにより集団免疫の有効性は変わってきますでしょうか?

日本人の新型コロナウィルスの抗体保有率の低さですが、これだけ低いという事は日本人は自然免疫で防いでいるというよりACE2に結合するのを何らかの方法で防いでいると考えた方が良さそうですね。それがマスクなのか納豆なのか、あるいは塩分過剰摂取なのかは分かりませんが。
Re: ウィルス・細菌によって違いはありますか?
KAZ さん

 御質問頂き有難うございます。

> ワクチンによって
> ・完全に感染を食い止め、ウィルスの排出を防ぐもの
> ・発病は食い止めるが感染は防げず、ウィルスを排出してしまうもの
> これらの違いにより集団免疫の有効性は変わってきますでしょうか?


 完全かどうかは別として次回の感染への抵抗力を高めるのは不活化ワクチンより生ワクチンの方だと思いますが、
 それはもはや病原体を前もって感染させるに近い行為ですから、少なくとも獲得免疫は強化されると思います。

 ただそれにしてもそれはあくまでもワクチンを打った人だけに起こる現象であって、ワクチンを打っていない人の感染リスクが下がる集団免疫効果はおそらく起こらないだろうと私は考えています。
 
> 日本人の新型コロナウィルスの抗体保有率の低さですが、これだけ低いという事は日本人は自然免疫で防いでいるというよりACE2に結合するのを何らかの方法で防いでいると考えた方が良さそうですね。それがマスクなのか納豆なのか、あるいは塩分過剰摂取なのかは分かりませんが。

 日本人の「自己」「非自己」を定める分子であるHLA(MHC)の適合性が新型コロナウイルスと適切に離れていれば、自然免疫によって排除されるということは十分考えられると私は思います。ACE2に関してはそれこそメカニズムの一端を担っているに過ぎないというのが私の考え方です。

 2020年4月6日(月)の本ブログ記事
 「新型コロナウイルスとACE2に関する私の意見」
 https://tagashuu.jp/blog-entry-1736.html
 もご参照下さい。