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抗体検査は似ている別のものを区別できない

category - ウイルス再考
2020/ 05/ 18
                 
引き続き、岩田健太郎先生が突貫工事的に執筆された「新型コロナウイルスの真実」という本について気になったポイントを取り上げます。

(以下、p36より引用)

抗体検査について、ぼくが気にしていることがもう一つあります。

すでに説明したように、これまでに6種類のコロナウイルスが人間の体に感染してきたのですが、

どれもタンパク質が似ているんです。だから時々こんがらがってしまう。

つまり、この方法では、従来の風邪の原因になるコロナウイルスに反応してしまうことがあるんです。これは偽陽性の問題ですね。

この検査の手法で、普通のコロナウイルスと新型コロナウイルスを精度よく区別できるかどうか、まだ十分な検証がされてないので、ここは注意のしどころです。

(引用、ここまで)

            

私がずっと感じている旧型と新型のコロナウイルスを区別できていないのではないかという問題を、

実は感染症のスペシャリストたる岩田先生も指摘されているというのです。

またこの本の中ではありませんが、先日、東京で日本赤十字社が献血をしに来た人500名に対して新型コロナウイルスの抗体検査を行ったところわずか0.6%が陽性になったというニュースが報じられましたが、

このニュースの注目すべき点は集団免疫に向けてすでに新型コロナウイルスに対する抗体を持っているという人が予想外に少なかった、という話ではなく、

同じ記事内に書かれていた「比較のために行われた去年採血した献血からも2検体の陽性反応があった」というところにあると私は感じました。

去年の採血の残血清で新型コロナウイルスの抗体検査して陽性になるということは、岩田先生が指摘されているように旧型のコロナウイルスに対する抗体を「新型コロナウイルス抗体陽性」と判定している可能性が高いように思えます。

PCR検査でもありえた問題ですが、ここに来て抗体検査においても同じような不正確性が現実味を帯びてきました。

しかし世の中では、大規模な抗体検査を実施して、新型コロナウイルスの抗体の証明を経済活動再開の指標にしようという風潮も出てきているように思います。

けれどもここは絶対に看過できない問題です。「レムデシビル」緊急承認の時にも感じた大きな違和感ですが、

いくら緊急事態だからといって精度の低いものを急いで現場に投入しようとするスタンスはおよそ科学的な態度とは言えません。

一般的に抗体検査というものは、他のウイルスにおいて、非常に特異度の高い検査として私は認識していました。

要するにその検査が陽性と出れば、それはターゲットとしているウイルスに対する抗体でまず間違いない検査だ、ということです。

ところが今回の新型コロナウイルスの抗体検査では、似たようなウイルス、似たようなタンパク質でも陽性になるという問題が現実に現れているというわけですから、

この問題が未解決のまま、抗体検査を急いだら、その検査結果は一体何を示しているのがわけがわからなくなり、

しかしながら数字だけは一人歩きしてしまって、さらに世界に混乱を巻き起こすことになりかねません。

ですから、この抗体検査は、もっと言えばPCR検査にも同じことが言えるのですが、極めて精度が高いことが求められるということになるので、

決してここを疎かにしてはいけないと思いますし、ここが確認できなければ抗体検査の結果を私達も鵜呑みにしてはいけないように私は思います。

逆に言えば、やはり新型コロナウイルスというのは、それくらい旧型のコロナウイルスと似た存在だということが示唆されます。

本当に新型コロナウイルスのウイルス側の何らかの特徴が宿主の重症化へとつながっているのでしょうか。

実は新型コロナウイルスの特徴は今までと大差はないけれど、それを受け止める宿主側の状況が不安/恐怖情報によって大きく修飾されたのではないでしょうか。

やはり私はそのように考える方が様々な謎につじつまが合ってくるように思うのです。

これから抗体検査の数値だけが一人歩きして、世の中の流れが今以上に歪んだ方向に進んでしまわないことを心より願いつつ、

この結果を受け止める皆様におかれましても十分注意してもらえればと思っています。


たがしゅう

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