がんとウイルスの本質的な共通点

2020/04/23 10:30:00 | ウイルス再考 | コメント:0件

2020年4月1日に日本外科学会の方から「新型コロナウイルス陽性および疑い患者に対する外科手術に関する提言」として、

緊急性の低い手術に関しては延期するように求める勧告がなされるようになり、これを受けて多くの手術を扱う病院での予定手術が延期となるという事態が全国各地で発生しているようです。

テレビのインタビューに答えていたとあるがんの予定手術が延期になったという患者さんは、

がんで死ぬか、コロナで死ぬかという気持ちですごく不安です」というようなことをおっしゃっているのが印象的でした。

しかし、がんと新型コロナウイルス感染症、全く別の病気であるように見えて、

自分のシステムがオーバーヒートした状態という観点でみると本質的には同じ状態であるように私には思えます。 がんは「遺伝子異常によって発生した一刻も早く除去しなければならない凶悪な細胞」ではなく、

がんは私にとって「糖代謝が過剰駆動されてエピジェネティクス(後天的遺伝子変化)により糖に特化した処理機構を発達させようとするが余り秩序を失って増殖し続けて肥大化してしまった自分自身の細胞」です。

あるいはウイルスは「他人に感染することによって全身の臓器に炎症を引き起こし人を死に至らしめる病原体」ではなく、

ウイルスは私にとって「自分と共通する成分を持っているが故に自分の細胞内に取り込むことができ、一方で自分と違う要素も持っているために自身の異物除去反応を駆動しうる認識のされ具合によって適切な免疫システムが認識のされ方に応じて適切に処理されうる複製エラーによって生じた小さな自分の細胞の断片」です。

回りくどい表現になってしまいましたが、増殖するがんとウイルス感染症、両者の共通点は「自分の持っているシステムが過剰駆動されている」ということです。

がんは糖代謝しか利用できないので、血糖値が急激に上昇する糖質摂取はがん細胞にとって格好のエサです。

それと同時にストレスも血糖値を上昇させ、しかも糖質と違ってストレスは一時的ではなくストレスの内容が慢性持続性であればずっと血糖値を上昇させ続けるような状態をもたらします。

一方で糖質の過剰摂取状態はウイルスは勿論、細菌や真菌など様々な病原体と称される外敵な生物(無生物?)が感染しやすい状態(易感染性)をもたらします。

易感染性の背景には免疫力の低下があるわけですが、前回の記事で紹介しましたように、私の考察では「免疫力低下とは発炎反応過剰」です。

いずれも自らの持っている細胞増殖システム、炎症発動システムが過剰駆動されており、その火種としてストレスが介在しているという構造があるように思います。

そしてここで私が注目したいのは、「自分自身のシステムが過剰駆動し続ければ、究極的には自分自身が死ぬ状況にまで至る」ということです。

「がんで死ぬか、コロナで死ぬか」というコメントはくしくも自分自身のシステム暴走が行き着くなれの果てを表現しているようですが、

これは言ってみれば、無意識の構造に気付かなければ自分自身を自殺に追い込むような事態に発展しうるという警鐘でもあるように私は思います。

現に末期がんで亡くなる人は後を絶たないし、新型コロナウイルス感染症でもあらゆる医療手段を尽くしても亡くなる人がいるということがあるということはよく知られている所だと思います。

その本質的な原因が自分自身のシステムのオーバーヒートにあるのだとすれば、

がんを手術したり、ウイルスを必死に避けたりするよりも前に、私達自身の中でまずすべきことがあるのではないでしょうか。


がんの領域においては、心の在り方を抜本的に変えることによって偉業を成し遂げた方の存在を当ブログでは紹介して参りました。

ウイルス感染症という自分自身のシステムのオーバーヒート状態においても全く同じことが当てはまると私は思います。

増殖するがんとウイルス感染症との違いは、経過が遅いか早いかだけことで、そこに本質的な違いはないように思います。

がんやウイルスを「敵」だと思う強固な価値観の中にいる限り、逃れることのできない慢性持続性のストレス、その不安や恐怖の感情を外すことができ、

そして自分自身のシステムが過剰ではなく適切に働くことができる環境を整えることができれば、

がんにしてもウイルスにしても、もはや敵とは思えない友好的な存在となっているのではないかと私は考える次第です。

自分も含め、人の価値観を変えることは確かにたやすいことではありません。

しかし自分が死んでしまうような価値観を大事にし続ける道理はないように私は思います。

解決のきっかけは外にある何かではなく、常に自分の中に存在する何かだと思います。


たがしゅう
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