新型コロナウイルスを怖がらないためのストレスマネジメント法
2020/04/20 10:25:00 |
ウイルス再考 |
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世の中がこれほどまでに新型コロナウイルスに対して警戒する風潮になっても、
それでも私自身は新型コロナウイルスを怖がる必要はないと考えています。
それは自分の心の在り方を整えることによってストレスマネジメントができているからです。
ただその結論だけを取り入れようとしても、多くの人にとっては怖いものは怖いので、到底受け入れられないかもしれません。
そこで今回は新型コロナウイルスを怖がらないための秘訣として、
私が普段から意識していることについてお話しし、ブログ読者の皆さんのストレスマネジメントの参考にしてもらえればと思います。 そもそも、人が「怖い」と思うものにはどういうものがあるでしょうか。
分かりやすいのは高所恐怖症とか、閉所恐怖症などですが、自分の死を意識させられる時にまず人は怖さを感じると思います。
死というのは、輪廻転生とか魂の世界といった概念を除けば、一般的には不可逆的な変化と捉えられていますので、一度行ったら引き返せないという怖さもあるでしょう。
あるいはおばけや幽霊が怖いというのは、死への意識もあると思いますが、得体の知れないもの、予想がつかないことに対する恐怖おいうのもあるように思います。
あとは、人と話すのが怖いとか、意中の相手に告白するのが怖いなど、「○○してしまったらどうしよう」という言葉に置き換えられる怖さ、これは「自己否定感」に由来するものが多いと思います。
結局その行動をとることによって自分が傷つけられるリスクを怖がっていることになるので、死のみならず自分へのネガティブな影響の回避行動として人は怖さを感じているとまとめることができるかもしれません。
新型コロナウイルスに対する一般的な恐怖感もまさにそうで、感染者はどんどん広がり、しかもその様子が見えなくて、一部の人が重症化しており、いつ自分がその身になるか分からない不安感を感じながら日々を過ごしているという心持ちがこのウイルスに対する恐怖感を生み出しているのではないかと思います。
ということは、ある対象に対する恐怖を感じないようにするためには次のようなポイントが挙げられることになります。
①ネガティブなものをポジティブに捉えなおす
②予測不能の要素を極力減らす
③自己肯定感を高める
まず、「死」というのはおそらく誰にとっても大なる小なり怖いし、身近な人の「死」は親密度が高ければ高いほど悲しいし、
ネガティブ界の王様とさえ言える存在なので、これをポジティブに捉えるだなんてことはあまりにも無理矢理感が出てしまうかもしれませんね。
宗教というのは、ある意味でそうした「死」への恐怖感を和らげるために発展してきた価値観の体系だという見方もあります。
ただそれは事実に基づいていない話なので、信じるか信じないかによって人にもたらす効果は変わってきてしまいます。信じられる人にとっては一定の価値をもたらしていると私は思いますが、
ここでは「人は必ず死ぬ」という事実に注目してみたいと思います。もう少し踏み込めば「人は死ぬべき時に死ぬ」ということです。
不慮の事故を除いて人が死ぬ時には、必ず死ぬ原因というものが存在します。
それは心臓が適切に動かせないことかもしれないし、空気の通り道に詰まった何かを出すことができないことかもしれないし、脳の重要な部分が働かなくなったことかもしれません。
ただいずれにしても共通するのは、「自分自身が持つシステムが動かせなくなった時」、その時に人は死ぬのです。
新型コロナウイルスは何も無差別に人を殺している殺人鬼ではなく、死亡者には一定の傾向が確認されています。
一般的には高齢者や基礎疾患を持つ人に多いと言われています。若い人でも亡くなっている人はいるようですが、決して多数派ではありません。
この要因を「年齢」という表面的な情報に捉われてしまうと、「結局コロナウイルスは年齢に関わらず人を死に至らしめる恐怖のウイルス」という価値観から逃れられないかもしれませんが、
先ほどの「自分自身が持つシステムが動かせなくなった時」に人は死ぬという原則に立ち返れば、
高齢であれば長い人生で自分のシステムを使いこんできた結果、動かせなくなる事態が訪れたとしても不思議ではないし、
基礎疾患があるということがすでにシステムのオーバーヒートしている一つの側面を表しているに過ぎないわけですし、
もっと言えば、若い人であっても急激にシステムがオーバーヒートするという事が起こり得る、ということを示していると思います。
その若い人に対してでもシステムを一気にシャットダウンさせてしまうような要因というのが、「死」を意識することで生まれる強烈な恐怖感なのではないかと私は考えているわけですが、
逆に言えば「恐怖感」を和らげることができれば、少なくとも余計なストレスによって起こるシステムの酷使を避けることができると思うのです。
そのためには「死」を無理にポジティブに捉えるのではなく、「死」をニュートラルに捉えることが大事だと思います。
「人は死ぬべき時に死ぬ」というのは紛れもない事実です。
ウイルスへの感染という事態も自然の成り行きによって起こる時には起こります。これも避けられない事実です。
そうなれば自分が出来る最大限のことをやって、後は身を委ねるという心持ちでいるとよいのです。
この自分ができることというのは外部の何かを使って整えるということではありません。あくまでも自分の内面を整えるということが大事です。
がんサバイバーの刀根健さんの生き方を参考にしてもらえればと思いますが、彼は糖質制限からサプリメントから温熱療法から気功まであらゆる外部からの治療法を真剣に試しましたががんを制圧することはできず、死を意識される状況にまで追い込まれました。
もはや万策尽き果てたと感じて、すべてを偉大なる何かに委ねた時に、身体のシステムが再び動き出して末期がんが消えていったというのですから、
恐怖心をそのままにしてそれを無理矢理乗り越えようとする心の在り方がいかに悪影響をもたらしているかということをうかがい知ることができます。
その結果、死ぬべき時であれば死ぬし、死ぬべき時でなければ生きます。まずはそのような自然の流れを悟り、くれぐれも自殺へ導くことのないようにいる気持ちが大切だと思います。
次に得体の知れない要素を減らすためには、情報を集めるという作業も大事になってきます。
ただし、情報が多ければ多いほどよいというわけではありません。情報が多すぎて逆に混乱するという経験は皆さんにも少なからずあるのではないかと思います。
ここで大事なことは「信じる」「信じない」の軸で情報を集めるのではなく、何が「事実」で、何が「解釈」かということを見極める視点を持つことです。
なぜならば世の中にはただの解釈であるにも関わらず、まるで科学的事実のように発信されている情報も多いからです。
例えば世間で言われている意見として多いものとしては次のようなものがあると思います。
【世間が事実だと思っていること】
・新型コロナウイルスは接触感染、飛沫感染で拡大するので密閉・密集・密接を避けなければならない
・マスク、手洗い、うがいでウイルスを除去し続けなければならない
・感染の機会を減らすために外出は極力自粛し、不要不急の外出は控えなければならない
・中等症、重症患者を効率的に発見するためにPCR検査の検査数を増やしていかなけれなならない
・イタリア、スペイン、アメリカなどの国では死者数も増加している国では都市封鎖(ロックダウン)によって感染制御を行っている
もしも、これらの情報が「事実」であるならば、その内容はどの角度からみても矛盾のない説明である必要があるわけですが、
「解釈」であれば、捉える視点により矛盾が出るということが起こりえます。例えば、以下の情報を皆さんはどう思いますでしょうか?
【世間が事実だと思っていることに対する矛盾】
・日本では3月より8割に届かないとは言え、ほとんどの国民が経済活動を抑えてまで密閉・密集・密接を避ける行動を実践しているにも関わらず、感染者数はいまだに増加傾向にある。
・検査実施数の多い都道府県ほど、感染者が多く報告されている傾向がある
・無症状でもウイルスは体内に存在することがある(潜伏感染)
・PCR検査は病原体そのものを同定(確定)する検査ではなく、ターゲットとなる遺伝子が存在するかどうかを検出する方法で、その一致率は必ずしも100%ではない(似ている遺伝子を持つウイルスでも陽性と出る可能性がある)。
・手洗い、うがい、マスクの装着率は例年より高まり、インフルエンザの患者数は確かに減ったが、新型コロナウイルスの感染者数は増加傾向にある(新型コロナウイルスの感染者も一緒に減らないとおかしいのではないか?)
・死者数が著しく増加している国々の政策は都市封鎖(ロックダウン)をはじめ強制的かつ物々しい体制のものが多いが、それを行ったからと言って如実に感染者数が減少したという現象は確認できない
これらの情報は「事実」として私は紹介しているつもりですが、前の情報と照らし合わせて矛盾を生じるものばかりなのではないかと思います。
矛盾を生じるという事は、解釈が誤っている可能性を考えなければならないのです。
それなのに解釈を変えずに突き進むと、「感染の拡大が治まらないのは、自粛が足りないからだ」「ロックダウンでは不十分だからだ」というさらなる無茶へとつながってしまいます。
「事実」に基づいてあらゆる事象に矛盾なく考えるなら、私は次のように解釈すべきだと考えます。
【事実に矛盾しない(私の)解釈】
・ウイルスはヒトの身体に普遍的に無数に存在しているが、普段は共存(潜伏状態)でほとんどの場合無症状で気付かれない
・何らかの原因(疲労、ストレス、暴飲暴食など)で、ヒトの免疫状態が乱れた時に身体のウイルスが増殖しやすくなり異物除去反応が惹起される
・手洗い、うがい、マスクでいくら外部をシャットアウトしても、体内に定着するウイルスは除去しきれない
・自粛を強化しても、ロックダウンをしても体内に定着するウイルスは除去しきれない。それどころかストレスや恐怖感が持続的にかかり続けることによって免疫力のバランスが乱されて重症化しやすくなる
・ストレスがかかり続けて自律神経系、視床下部-下垂体-副腎皮質系が過剰刺激されて免疫力が低下するメカニズムは解明されている。
・新型コロナウイルスが重症化をきたしうるウイルス側の要因は解明されていないし、他のウイルスで重症化をきたしうるウイルス側の要因も判明していない。
・PCR検査で陽性と出たところで、それが今話題の新型コロナウイルスなのか、かぜを起こす旧型のコロナウイルスなのか判別は不可能。
こう考えることによって最初の【世間が事実だと思っていること】との矛盾も生じることなく、説明することができるのではないかと思うのです。
そう考えると、私達がすべきことは「人との触れ合いを避けてウイルスと接触しないこと」ではなくて、「免疫状態を乱す要因を取り除くこと」だという方向性が見えてくるのではないでしょうか。
そしてその免疫を乱す要因に「ウイルスに対する恐怖心」が確固として存在しているのであれば、
道は「ウイルスと共存する世界を創る」ということしかないという結論に至ることができると思います。
ここまで下準備が出来たところで、仕上げは「自己肯定感を高める」というアプローチとなるわけですが、
長くなってしまったので、次の記事へと回したいと思います。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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