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どんなウイルスにも効く抜本的治療法

category - ウイルス再考
2020/ 04/ 02
                 
新型コロナウイルスの治療にAIDS(エイズ;後天性免疫不全症候群)の原因となる「HIV(エイチアイブイ:ヒト免疫不全ウイルス)」の治療薬が使えるのではないかというニュースが散見されています。

私の「ウイルス総見直し」活動の中でも、一際特殊性の高いこの「HIV」というウイルスについて今回は考え直してみたいと思います。

まず私の考えは「ウイルスとは動植物細胞の複製エラー」という前提に立っていますが、

相手に感染することができるという時点で、このウイルスは「自己」的な存在だと宿主に認識されていることになります。

従って、ヒトに感染することのできる「HIV」はどこか「自己」だと判定される要素を含んでいるということになります。

「HIV」の場合、「自己」になりすますことで潜伏する先は「CD4リンパ球」と呼ばれる細胞です。

            

「CD4リンパ球」とは前記事でも少し触れましたように、ヘルパーT細胞という細胞と同じです。

ヘルパーT細胞は、マクロファージなどの「外敵」対処専用の第一部隊が細菌やウイルスなど「自己」とは違うと認識された病原体を貪食し、その表面に「抗原提示」されたことを刺激として受け取って、

Th1、Th2、Th17など形を変えて、それぞれ「外敵」を排除するための免疫システムを効率的に発動する仕組みの中の中心的な存在です。

ちなみに、

Th1は「他者」的と判断されたウイルスが感染してしまった病的な「自己」細胞をアポトーシスへ導く働きを、
Th2は「他者」的と判断されてマクロファージなどの貪食により抗原提示されて直接ウイルスを攻撃する抗体産生システムの駆動を、
Th17とは粘膜組織において、「他者」的と判断された病原体に対して、上皮細胞からの抗菌ペプチド・レクチンなどの防御物質の産生を促すとともに、外敵を攻撃する白血球の中心的存在である好中球を活性化することで、粘膜面の感染を防御するという働きを、


それぞれ担っています。いずれも「他者」的な病原体に対抗するためのシステムだと理解することができます。

さて、「HIV」はそんな外敵排除の中心的存在である「ヘルパーT細胞」に感染するというわけですから、

基本的に「HIV」とは「ヒトのヘルパーT細胞の複製エラー」なのではないかという考えにも及んできますが、その件については一旦横においておくとして、

とにかく「他者」的と認識されることが構造上起こりえないウイルスだということになってしまいます。

しかしここで思いつくのは、前記事のNK細胞によるパトロールシステムです。

NK細胞というのは、がん細胞のような「異常な自己」、「自己」細胞と同様の構成成分からなり立っているけれど、

「自己」であることの証明であるMHCクラスⅠという分子がぐちゃぐちゃになっていたり、うまく提示されなくなったりした場合に、これを「異常な自己」と判断して、パーフォリンなどで孔をあけて一掃してくれる細胞のことでした。

「HIV」も「他者」を攻撃するはずの免疫の網をかいくぐり、まんまと「自己」のヘルパーT細胞に感染してのうのうと増殖し続けることに成功しているわけですが、

正常に機能しない「HIV」感染状態にあるヘルパーT細胞が「異常な自己」と判断されて、NK細胞に排除されるという事は起こらないのでしょうか。

そう考えて資料を調べてみると、HIVに対するNK細胞の挙動に関する研究データがネット上にありましたので読んでみました。

こちらの資料によりますと、次のような事実が記載されています。

・「HIV」の感染した「自己」Tリンパ芽球では、MHCクラスⅠ分子の発現異常があるにも関わらず、NK細胞によっては破壊されない
・NK細胞が活性化すると、抗体依存性細胞傷害活性(ADCC;antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity)が高まり、抗原特異的な抗体の産生が増えて感染細胞を除去するメカニズムも働く
・高「HIV」血症(血液中に「HIV」がたくさん観察される状態)にある「HIV」感染者では、NK細胞の機能が抑制されている
・高「HIV」血症にある「HIV」感染者では、マクロファージなどの「抗原提示」を担当する樹状細胞の成熟不全も引き起こされている可能性がある
・NK細胞の活性が高い人は、「HIV」感染の高リスク状態にありながら数年間「HIV」からの感染を免れている


この中で最も注目すべきは、「HIV感染者で高HIV血症に陥るとNK細胞の機能が抑制される」という所だと思います。

頼みの綱であるNK細胞システムも、HIVがひとしきり身体の中にはびこってしまうともはや不可逆的で軌道修正困難な状況となってしまうということです。

しかし「HIV」が感染するのは、あくまでも「CD4リンパ球(ヘルパーT細胞)」であり、

このNK細胞の機能低下が、「HIV」が直接感染することによってもたらされているわけではないのですから、

このNK細胞の機能低下は、「HIVのCD4リンパ球感染によって、間接的にもたらされている」ということになると思います。

それは「CD4リンパ球」という細胞が、外敵排除のための中心的存在であるが故に起こっている現象だと思います。

NK細胞がBリンパ球による抗体産生システムを横からサポートできる仕組みがあったとしても、

そのシステムをメインで稼働するヘルパーT細胞(Th2)が「HIV」の感染により不適応を起こしているようでは全力を発揮できず外敵を排除しきるのが困難となっても不思議ではありません。

一方で、NK細胞の活性が高い人であれば、たとえ相手が「HIV」であったとしても、感染を防げているという事実があるということから、

普段からNK活性を高める生活を送っておけば、「HIV」という曲者ウイルスが相手であったとしても、それでも「自己」の環境を維持することができる、ということになると思います。

つまり「病態が不可逆的になる前であれば間に合う」ということです。

箇条書きの最初の「HIV」が感染した「自己」Tリンパ芽球をNK細胞が攻撃できないという研究結果も、

それだけ考えれば「HIV」に感染したら成す術なしと考えてしまうかもしれませんが、

不完全なMHCクラスⅠ分子であっても、NK細胞の活性が高まれば、その偽物の名札にだまされることなく「異常な自己」と判定し攻撃することができるということを前回の記事で学びました

ではNK細胞活性を高めるためには具体的には何をどうしていけばよいのでしょうか。

それは「笑えるほどに前向きに生きられるようにストレスマネジメントをすること」です。

シンプルに「笑う」ことを治療法とするという意味ではありません。それはそれで「対症療法」としての価値はあるわけですが、

それよりも深いレベルでNK細胞を高めるには、自然に笑いを素直に感じられるような心持ちでいることが不可欠だということです。

無理に笑うのは「対症療法」です。そこから初めても決して悪くはありませんが、

本当に心の底から笑えるようになるためには、今の世の中に対する認識を抜本的に変える必要があると思います。

恐怖のウイルスが中国の不手際で生み出されて産生され、人類を滅亡に導こうとしているからオーバーシュートを避けるためにロックダウンしなければならない・・・などと考えていては心が穏やかでいられるはずもありません。

相手が何ウイルスであろうと、ウイルスに感染するもしないも自分次第、誰のせいでもありやしない・・・と、

ウイルスを移されたわけではない…、自分の身体と心に知らないうちに無理をかけ続けてしまったことの表れなのだ…と。

ウイルスはむしろその自分の無理に気付かせて強制的に今の状況を休む方向へ身を挺して教えてくれている仲間だと心の底から納得できた時に、

世界の見え方が変わるとともに、もはやウイルスの恐怖にとらわれることのない世界に一瞬で切り替わり、

結果的に最も幸福に生きることができる心身の状態をも手に入れることができるのではないかと私は考える次第です。


…なんだか、高HIV血症でNK細胞が対応しきれない状況と、末期がんでNK細胞が対応しきれない状況はとても似ているような気がします。

それでも末期がんの状態にあった人が、元の健康的な状態に戻っている実例があることは救いでもありますし、

人間の身体には「自己」を保つための、それほどまでに素晴らしいシステムがもともと備わっているということを感じさせられます。

たとえ抗HIV薬が新型コロナウイルスに効いたとしても、その先に待っているのはウイルスを排除し続ける世界です。

私の知る限り、「HIV」に対する標準治療がまさにそういう世界です。

そういう世界に生きるのはやめにしませんか。

そうすれば道は拓けるのではないかと私は思います。


たがしゅう

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コメント

非公開コメント
        

No title
理想を唱えるのは簡単かもしれないが、
アメリカ、イタリア、スペイン、フランスのように死者が続出して、最前線の医療が崩壊しているまさに地獄のような状況からすると、「ウイルスの存在を許容せよ、排除するな」とは言えないのでは?
人間の生活習慣・自己免疫次第というのはよく言われる意見ではあるが、酒を飲むな、タバコは吸うな、ナイトクラブへ行くな、糖質は取るな、という禁欲生活を実行できる人間は現代社会ではそう多くないのでは?
複雑化した現代社会では対人ストレスは避けられないし、それで免疫は低下するという側面もあると思いますので、都会の産3密に集まるのを避けて、できるだけ1人で仙人のごとく自給自足で、利益を追求せずに生きていくのが、唯一のコロナ感染対策かもしれません。
人口密度の高い福岡にいるより、鳥取にいたほうが、よりベターなのでしょう。
正解はないとは思いますが。



Re: No title
通りすがりの者 さん

 コメント頂き有難うございます。

> アメリカ、イタリア、スペイン、フランスのように死者が続出して、最前線の医療が崩壊しているまさに地獄のような状況からすると、「ウイルスの存在を許容せよ、排除するな」とは言えないのでは?

 それがまさに本記事で取り上げた「高HIV血症ではNK細胞の機能が低下する」という事実と同じ構造を持っている話だと私は思います。
 ここでいう「HIV」は恐怖感情に支配された「ウイルス排除思考」、「NK細胞」はウイルスというストレッサーの捉え方を変えてストレスをマネジメントする「ウイルス共存思考」と対応しています。

 社会の大勢が「ウイルス排除思考」でウイルスをネガティブに捉え、その負の感情によって病態が悪化しやすくなり実際に重篤化する人が増える現実(情報により実感以上に強調された仮想現実)を目の当たりにすれば、「ウイルス共存思考」を働かせるのは確かに至難の業でしょう。だからこそ病態が不可逆的となる前に心の在り方を変える必要があるわけです。

 ただ末期がんという負の感情に大勢を占められがちな状況で、手術などの排除アプローチを一切行わずに心の在り方を変えただけで健康な状態へ復帰したという人がいるという事実は、一見不可逆的にも思える状況であっても元の状態に戻しうるという希望を与えてくれます。そのような希望があれば、たとえアメリカ、イタリア、スペイン、フランスのような死者が増え続けている環境にあっても、心の在り方を変えて状況の改善をもたらすことは不可能ではないと私は信じます。

 というよりも、そのような思考の変革を行わない限り、今の状況のままではこれまでと同じように事態は悪化し続ける蓋然性の方が高いと思います。その意味で、日本も決して他人事ではないと考える次第です。3密を避ける行動は、結局「ウイルス排除思考」のままとなり負の感情が残り続けてしまうので、事態の回復へは導かれないのではないかと私は思います。
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ワクチンの歴史的功績はどうとらえますか?
たがしゅう先生の新型コロナに対する「心構え方」については賛成派ですが、「排除」ではなく「精神の安定」という観点でワクチン開発の必要性についてはどうお考えでしょうか?

歴史を振り返ると「天然痘」「結核」等のワクチンのおかげで「亡くなるはずのない命が救えている」一般人の私はワクチンを唯一「薬」としての必要性を認めています。

それは、自己の免疫のいわば手助けという点で、あくまで自分の力を使うという意味でです。

先生もご存じかもしれませんがちょっと気になるニュースがあり…
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/03/bcg.php

BCGワクチン接種国で且つ日本株やロシア株のものを義務化している国の致死率が低いという相関関係があるというもの。

現段階では確実性は低いですが、これが本当であるならば、明るい希望になります。

確かに、ウィルスを恐怖の物体に脚色してしまう世間の風潮は異常だと思いますが、少なからず「少しでも死者を減らしたい」という善意(正しい方法かどうかは別にして)での行動だと思います。

それに過剰に反応するか、リテラシーもって判断するかは個人の力量がいります。

その点、ワクチンは絶対的な精神的安定の底上げに寄与していると思うのです。

先生のお考えを教えていただきたく存じます。
Re: ワクチンの歴史的功績はどうとらえますか?
だいきち さん

 御質問頂き有難うございます。

 実はワクチンの問題は私の中で明確には解決していない話です。

 まず、はしかやおたふく風邪などで明らかなように、一度かかった病気にかかりにくい「獲得免疫」の事実は明らかだと思います。
 ワクチンはこの「獲得免疫」を人為的に行う行為だと思いますが、天然痘やポリオの例など人類の健康に貢献してきた歴史も確かにあると思います。
 ただ一方でワクチンを打つことによって重大な後遺症を残す例も稀ながら発生したこともまた事実です。ポリオワクチンの神経麻痺や、最近では子宮頚癌予防ワクチン接種後の脳症なども問題になりました。
 それでも集団公衆衛生の観点からワクチンは接種すべきだというのが専門家と呼ばれる人達に多い考え方ですが、不可逆的な後遺症を受けうる被接種者の立場からすれば決して看過できない問題です。ましてやそのメカニズムもはっきりしておらず、ロシアンルーレットのような状況となっているわけですから。

 とりわけ大人はまだ自分で考えられるからよいとして、こども達にどうすればよいかという点は非常に悩ましいと思います。親の価値観を押し付けることで、こどもが不可逆的な病態や後遺症を抱え込むことになれば、それは苦しいことになってしまいます。現時点では自分は情報を慎重に評価して、リスクを踏まえつつ打つべきワクチンと打つべきでないワクチンを考えていくという姿勢になると思います。

 BCGワクチン接種の有無と新型コロナウイルス感染症の重症化の関連については今の段階では単なる相関関係(「糖尿病患者数の増加は、週刊誌の発行部数の増加と関連している」と同質のもの、つまりたまたまの可能性あり)で、BCGワクチンを接種している世代でも重症化していたりするので、私の中では現時点で保留の案件です。