事態を深刻化させる慢性持続性ストレス
2020/03/07 09:00:01 |
ウイルス再考 |
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新型コロナウイルスの騒動を受けて私は、「ウイルス」とは何なのかを抜本的に考え直しています。
わかっている事実だけで考えれば、ウイルスは1つの地域で集団感染を発生させることができますし、
人為的にウイルス感染状態を作ることを再現性を持って成し遂げることもできます。
だから世間で認識されているように、「感染症を引き起こすミクロな病原体」という解釈は確かに成立すると思います。
ところがウイルスは誰にでも同じような感染状態を起こすわけではないという事実もあるわけなので、
まるでウイルスの特徴が全ての病気の運命を形作っているとでもいうような解釈は違うと思っています。 ウイルスの毒性の強さを決めるのに、ウイルスの構造が無関係ということではありませんが、
強毒のウイルスであっても全ての人を同様の状態に陥れるというわけではないという事実から、
ウイルスによってもたらされる病的な状態がウイルスだけによってもたらされるものではなく、感染される宿主の状態に左右されるということは明らかだと思います。
同じウイルスと遭遇した際に病的な状態が引き起こされるか、健康な状態をキープできるかを決めるのは、一言で言えば宿主の免疫状態でしょう。
免疫とは非自己を攻撃することで自己の環境を守るために張り巡らされた精緻なシステムです。
ウイルスを非自己と認識することで自己を守るための炎症反応が惹起されるまではごく自然な現象だと思いますが、
この時炎症反応を起こしているのは他ならぬ自分自身のシステムです。
サイトカインストームと呼ばれる側面もありますが、この非自己から自己を守ろうとする炎症反応こそが熱を出し、痛みをきたし、浸出液を生み出し、
いわゆる感染症と称される病的な状態をつくるわけです。
ということは、ウイルスによって重症な感染症に陥る人というのは、
この免疫による非自己から自己を守るための炎症システムを自分で発動しておきながら、
もはや自分で押さえ込むことができなくなった状態だと解釈することができます。
一体何がそんな理不尽な状況を作らせているのでしょうか。
それにはまず、免疫システムを発動させるトリガーばかりが過剰に与えられている状況が考えられます。
その免疫による炎症がトリガーが単発でありさえすれば治っていたであろう現象であっても、
何度も何度も別のトリガーが加わり続ければ、炎症が治ろうとしてもいつまで経っても治りきらないことになるのは容易に想像がつきます。
ウイルスは確かにトリガーの1つですが、そう同じウイルスが何度も何度も身体に入り続けている状況は考えにくいですので、
ここで何度も入り続けることができるトリガーとは心理的なストレスしかないと私は考えます。
日頃からストレスという名の見えないトリガーがかかり続けている人は、いわゆる「基礎疾患」と呼ばれる身体システムの過剰適応状態におかれていることになるわけですが、
このような状況の中でウイルスという新たなトリガーがかかれば、免疫システムを発動しても無事に収束しきれないという状況が起こっても決して不思議ではありません。
逆に言えば、ウイルスという単発のトリガーだけで、他に余計なトリガーがかかり続けていなければ、
非自己から自己を守る免疫システムは正しく発動されて速やかに収束するはずです。
これが世間で「風邪」として処理されている状態になると思います。
唯一の例外はトリガーが強大過ぎる時です。これはウイルスを人為的に注射させられた場合などが想定されますが、
自然な経路で侵入するウイルスに関しては、相手は0.1μmほどのミクロな存在ですので、強大なトリガーになるとは考えにくいです。
ということは、ウイルス感染症が重症化するかどうかの分かれ目は、
自分の身体のシステムを発動させる余計なトリガーを与え続けているか否かだ、ということになるのではないでしょうか。
そうすると新型ウイルスに対する過度な警戒心そのものが慢性持続性ストレスとなり、
免疫システムを発動させ続け、事態を深刻にさせる火種となってしまうように私には思えるのです。
新型ウイルスの発覚前の感染症の拡がり具合と、発覚後様々な報道を受けて急速に感染者が拡がり続けている状況や、
物理的な接触だけによるとは考えにくい感染者の分布マップの拡がり方、
あるいはクルーズ船でわからないなりに注意深く感染管理を試みていたにも関わらず、その著しいストレス環境下におかれた中での乗客の感染率の高さ、
これらの事実を考えますと、ウイルスの歪んだ捉え方による心理的なストレスが事態の深刻化に寄与している可能性は十分にあると私は考えています。
ただこの考え方だと、おそらく心理的ストレスはそれほど絡んでいないであろう鳥や豚などでのウイルスの集団感染現象について説明がつかなくなりますが、
そこは「飼育」という動物にとっての特殊環境や不自然な栄養が正しく免疫反応を惹起させない要因となっている可能性があると思っています。
ともあれ、ウイルスが新型であろうと旧型であろうと、
非自己から自己を守るためのシステムが正しく機能すれば、問題なく健康な状態を維持させることができると思います。
そのためには栄養状態を整えること、持続的に体内異物を残留させないこと、そして不要な慢性持続性ストレスをきたさないようにマネジメントすること、
「恐怖の新型ウイルス感染症」に発展させるか、「ただの風邪」で終わらせるかは、
私達の主体的な行動によって選ぶことができるのだと私は考えています。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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