秩序を保ったウイルスにしか攻撃できない
2020/03/05 16:05:01 |
ウイルス再考 |
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前回の記事「抗ウイルス薬がなかなか作れない理由」という記事の要旨をまとめますと、
まず状況証拠から考えて「ウイルスは動物細胞(正確には植物細胞も含む)の複製エラー」だと考えられ、
起源は何らかの動物細胞に由来するので、抗がん剤と同様にウイルスだけを攻撃するのは構造的に自分の細胞も攻撃してしまう可能性があるけれど、
実際には複製エラー時に起こったDNA塩基配列の変化によってウイルスだけに特徴的な構造を生じることがあるということ、
そしてそのウイルス特異的な構造を持つウイルスは、DNAウイルスと呼ばれるウイルスに多いということ、
しかし大半のウイルスはRNAウイルスなので、これに対処する抗ウイルス薬を創薬するのは理屈上難しいのではないかという私の見解をお伝えしました。
本日は、一部RNAウイルスに対する抗ウイルス薬が存在するという事実から、なぜこれらのRNAウイルスには薬を作ることができているのか、という謎について考えてみたいと思います。 そもそもウイルスには大きくDNAウイルスとRNAウイルスがあります。
1.2本鎖DNAウイルス
2.1本鎖DNAウイルス
3.2本鎖RNAウイルス
4.1本鎖RNA +鎖(プラス鎖)ウイルス
5.1本鎖RNA -鎖(マイナス鎖)ウイルス
6.1本鎖RNAウイルス+逆転写酵素あり
7.2本鎖DNAウイルス+逆転写酵素あり
動物細胞の構造が正常だと捉えますと、通常DNAは2本の鎖がらせん状に連なった構造をしており、
それに対してRNAは一本の鎖の構造をとっているという基本があります。
しかしウイルスは細胞の複製エラーという前提に立てば、その本来のDNA構造やRNA構造の増幅にミスを生じてしまい、
本来なら2本鎖であるべきDNAが1本となってしまった不完全型のウイルスや、本来1本鎖のRNAがなぜか2本鎖構造を呈してしまい、それがその不完全な状態のまま増幅してウイルスと呼ばれる存在になるということが起こりうるわけです。
またRNAの+鎖、−鎖というのは、「DNA」⇒「RNA」⇒「蛋白質」という流れの中で、「RNA(正確にはメッセンジャーRNA)」から蛋白質を作り出す作業のことを「翻訳」と呼ぶのですが、
その「翻訳」プロセスを酵素が行う元(鋳型)となる側のRNAを生み出すDNA2本鎖側の片方の鎖のことを「+鎖」、
そうではなくて「+鎖」の反対側にある「相補的な」という表現をしますが、「+鎖」と化学的にらせん状に結合する反対側の鎖、翻訳の元となるRNAを生み出さない側の鎖のことを「−鎖」といいます。
そして前回記事でも触れましたように「DNA」⇒「RNA」のプロセスを意味する「転写」の反対である「逆転写」、すなわちRNAからDNAを作り出す酵素のことを「逆転写酵素」といいます。
ちなみにこの逆転写酵素は正常の動物細胞にも存在している酵素なので、「DNA」⇒「RNA」⇒「蛋白質」の流れは、以前は完全なる一方通行だと考えられていましたが、現在ではそうではないということがわかっています。
さて、RNAウイルスの中で、抗ウイルス薬を作ることができているウイルスには3種類います。
①インフルエンザウイルス(5.1本鎖RNA -鎖(マイナス鎖)ウイルス)
②C型肝炎ウイルス(4.1本鎖RNA +鎖(プラス鎖)ウイルス)
③HIV(ヒト免疫不全ウイルス)(6.1本鎖RNAウイルス+逆転写酵素あり)
RNAウイルスに対して薬が作りにくい理由をおさらいしておきますと、
DNAと比べてRNAは構造上の不安定性があり、あるウイルス特異的と思われる成分に注目しても、その元になるRNA情報が変異しやすいために、
RNAウイルスのとある特異的成分に注目して薬を作った所で、その薬ができる頃にはそのRNAウイルスが変異したせいで効かなくなっている可能性が高いということがRNAウイルスの創薬を難しくしている大きな要因だと思います。
それでは上記の3つのウイルスに対してはなぜ抗ウイルス薬を作ることができたのでしょうか。
例えばインフルエンザウイルスに関しては、以前記事でも触れましたが、ひとつはノイラミニダーゼ阻害剤というのが代表的な抗インフルエンザ薬になります。
インフルエンザウイルスにまつわって「H5N1」とか「H5N8」などといった表記をどこかで見たことがあるかもしれません。
あの「H」は「ヘマグルチニン」、「N」が「ノイラミニダーゼ」という蛋白質を指しており、いずれもインフルエンザウイルスの表面に存在する抗原となります。
ノイラミニダーゼ阻害薬はその「N」の働きをブロックすることによって、ウイルスがそれ以上増殖しなくなるという効果がもたらされるとされています。
インフルエンザウイルスがRNAウイルスである以上、ヘマグルチニンもノイラミニダーゼも不安定なRNAによって作られるということになりますが、
実際その不安定性を反映してか、ヘマグルチニンにはH1からH18まで、ノイラミニダーゼにはN1からN11までの亜型があることが確認されています。
現在市場に出回っているノイラミニダーゼ阻害剤は少なくともN1〜N9に対しては働きを阻害することがわかっているとされていますが、
その効果はインフルエンザの発熱がある期間を1ー2日程度短縮するくらいのものだと言われています。
インフルエンザというRNAウイルスの場合は、不安定なRNAの中から合成される蛋白質の中でも、
比較的安定的な生成物である「ノイラミニダーゼ」というものに注目したが故に、創薬化に成功することができたと言えるかもしれません。
ただ一方でそのように苦労して創薬にこぎつけた薬の効果にあまり大きなインパクトがないということも事実だと思います。
対してC型肝炎ウイルスに対する薬の効果は抗インフルエンザ薬に比べるとインパクトがあります。
なぜならば抗C型肝炎ウイルス薬は、その薬が登場するまでの時代はC型肝炎ウイルスは身体の中にずっと潜伏し続けると言われ、徐々に慢性肝炎、肝硬変、肝臓癌へと病態を進行させると言われていた状況から、
この薬を使用することでウイルスを完全に消失させることができると言われるようになってきたからです。
ただ厳密に言えば「ウイルスが完全消失したように見える状態」と表現する方が正確かもしれません。
ウイルスは0.1μmくらいの非常に小さい粒子なので、完全消失したかどうか確認するのも大変です。
具体的にはPCR法というミクロの遺伝子の特定の部位に結合しその後の遺伝子増幅につなげることができるプライマーと呼ばれる核酸という物質の断片を使って、目的の遺伝子を何度も増幅させて検査で検出できるレベルまで増やすことでその遺伝子の有無を調べる検査です。
C型肝炎ウイルスの場合はそのRNAを増幅させることによってウイルスがいるかどうかを調べるわけですが、
PCR検査でひっかからなければ、その検体の中にミクロレベルでみてもC型肝炎ウイルスのRNAは存在していないだろうという判断になるわけです。
ところが実際には治療終了後8週間経過した段階でPCR検査でC型肝炎ウイルスのRNAはないと確認されていたにも関わらず、
その後C型肝炎の症状が再燃して、実はC型肝炎ウイルスは存在していたということが後からわかるケースも出ていたりしますので、
なかなかミクロの世界のレベルでウイルスがいないかどうかを証明するのは難しいということが言えます。
そんなC型肝炎ウイルスに対する治療薬はどんなものかと言いますと、C型肝炎ウイルスの非構造タンパク質と呼ばれる物質の一部の働きを阻害する薬が最近の主流です。
非構造タンパク質とは何かと言いますと、構造タンパク質というのがウイルス粒子を形成する部分のタンパク質で、非構造タンパク質はウイルス粒子に含まれないタンパク質のことを指します。
具体的にはゲノム複製に関わる酵素などが非構造タンパク質に該当し、C型肝炎ウイルスの薬がターゲットとする非構造タンパク質(NS5A)も遺伝子の複製に不可欠な成分であることが推測はされていますが、具体的に何の働きを担っているのかに関してはわかっていないのだそうです。
一方でこのNS5Aの阻害薬は比較的副作用が少ないということもわかっているので、NS5Aというタンパク質が少なくともウイルス特異的な存在であろうことは推察できると思います。
ちなみにこのNS5Aの阻害薬、ものすごく高価な薬なので、国から治療費の補助が受けられる仕組みとなっています。
最期にHIVに対する薬ですが、これもC型肝炎ウイルスと同様、インパクトの強い薬です。
なぜならばHIVは元気な人であっても、免疫システムの司令塔であるCD4リンパ球という細胞に感染し、免疫の働きを乱し後天的に免疫不全の状態(AIDS:エイズ)に陥らせると言われているのですが、
抗HIV薬はこの免疫不全状態から患者を守るという効果があるのです。
抗HIV薬には大きく「逆転写酵素阻害剤」と「プロテアーゼ阻害剤」の大きく2種類があります。
HIVには「逆転写酵素」というものがあり、これがこのウイルスの増幅に深く関わることが言われているのですが、
「逆転写酵素阻害剤」はその名の通り、HIVの「逆転写酵素」の働きを阻害することでHIVの増幅を防ぐことが可能となります。
また「プロテアーゼ阻害剤」というのはHIVの構造タンパク質や酵素(非構造タンパク質)が役割を果たすために必要なプロセスに関わるプロテアーゼという酵素を阻害することで、結果的にこちらもウイルスの増殖を防ぎます。
ただそれで万事解決かと思いきや、このウイルスは「CD4リンパ球」という免疫の要の細胞に感染しているというのが最大のミソでして、
この薬を投与している限り、HIVの増殖は確かに防ぎ、免疫不全状態を回避させることはできるのですが、
CD4リンパ球の内部に存在するがために免疫システムで排除することができないのです。
従って、薬は一生飲み続けなければならず、飲まなくなれば再びHIVが増殖を始めて免疫不全状態が惹起されてしまうという特徴があります。
加えてきちんと内服を指示通り守ってもらわないと、すぐに耐性ウイルスができてしまう、すなわちせっかくの貴重な抗HIV薬が効かないウイルスへと変異してしまうという特徴まであります。
加えて、前述のように「逆転写酵素」が正常細胞にも存在しますし、「プロテアーゼ」も正常細胞に存在する酵素であるということを受けてか、抗HIV薬にはきちんと飲んでいたとしても看過できない副作用があります。
具体的には薬疹や消化器症状など抗がん剤にも似た副作用に加えて、
動脈硬化、骨粗鬆症、乳酸アシドーシス、リポジストロフィー(脂肪組織の異常化)といったなかなか厳しい副作用に見舞われることになります。免疫不全を防いでいる代償もかなり大きいわけです。
抗HIV薬はウイルス特異的な物質を攻撃できているようで、副作用の様相を見ていますと現実的にウイルスだけでなく全細胞攻撃となってしまっている可能性が高いのかもしれません。
以上、薬の開発が難しそうなRNAウイルスの中で、創薬に成功している数少ない3つのRNAウイルスの治療について詳しくみてきました。
このメカニズムを見ていて、RNAウイルスであってもウイルス特異的な構造を見つけ出すことは不可能ではないけれど、
どれも一長一短あって、完璧にウイルスを死滅させるような抗生物質的な効き方にまでは至っていない印象がありました。
ただここまで見てきても、なぜこれらの3つのウイルスだけ薬を開発することができたのかという理由にまでは至ることができませんでした。
しかしながら、ここから先は完全なる私の推測にはなりますが、
これら3つのウイルスの共通項として、「エンベロープというタンパク質がある」というものがあります。
エンベロープというのはウイルス粒子の表面を形成する外殻のタンパク質のことです。
「ウイルスとは動物細胞の複製コピー」という前提に立った時に、「エンベロープは動物細胞の細胞膜の出来損ない」だという可能性が頭に浮かびます。
細胞膜があると細胞の中と外の世界を仕切ることができて、細胞内の環境に一定のルールに基づく秩序をもたらすことができます。
DNAウイルスの方がRNAウイルスより安定という理由には設計図として安定性が高いDNAが残っている方が、
不完全な細胞でありながらも、細胞膜に準じるエンベロープを構成しやすく、ウイルス粒子の中と外での秩序を保つことができるのではないかと、
そうして秩序が保たれれば、ウイルス特異的な成分というものが守られやすいのではないかという考えに及びます。
RNAウイルスもRNA自体は不安定ですが、エンベロープをコードする塩基配列さえ安定的であれば、
エンベロープによって秩序が保たれて、RNAウイルスにおけるウイルス特異的な構造・非構造タンパク質の産生システムを守ることができ、
それが抗ウイルス薬のターゲットとして成立しやすくなるのではないかと思っています。
昨今大変騒動となっている新型コロナウイルスに抗HIV薬が効くのではないかというニュースも取り沙汰されていますが、
実はコロナウイルスもエンベロープを持つウイルスです。そしてそこに共通する塩基配列があったとしても不思議ではなく、
なおかつそうして曲がりなりにも秩序が保たれているウイルスに対して、抗HIV薬のような正常細胞にも共通する「逆転写酵素」や「プロテアーゼ」を阻害する薬を使用すれば、ウイルスの増殖を防ぐという話につながるのは十分にありうる話だと思います。
ただその場合、抗HIV薬と同様の副作用が出現することは避けられないことになります。
ちなみに新型コロナウイルスにHIVと共通の構造が見られたから、これが人工ウイルスではないかという噂も流れていますが、
これまで語ってきたようにウイルスが「細胞のミスコピー」だということになれば、全ゲノムの中で全く別と思われるウイルスの中に共通する部分があってもおかしくはありません。
陰謀説は話がわかりやすいので、ついついそのように考えてしまう気持ちもわかりますが、
多くの陰謀論と同様に、私はそういうことよりも、人間が加え続けた人為の果てにそのような構造にいたってしまったという蓋然性の方が高いと個人的には考えています。
なるべくわかりやすく述べたいと思いながら、結局かなり複雑な話となってしまったので、最後に私の言いたかった要点をまとめます。
・私は「ウイルスは基本的に動物細胞のミスコピー」という前提で考えている
・ミスコピーの具合によって、細胞の秩序が保たれがちなウイルスとそうでないウイルスとがある
・秩序が保たれがちなウイルスには、ウイルス特異的な成分ができやすいので創薬できる可能性が高くなる
・秩序が保たれているウイルスがあるかどうかのざっくりとした目安は「エンベロープ(外殻)があるかどうか」
・秩序の保たれやすさは「DNAウイルス>RNAウイルス」
・秩序の保たれたウイルスはあたかも細菌に攻撃するかのように薬でアプローチすることが可能となる
・しかしながらもともとは動物細胞由来なので、ウイルスだけを完全に攻撃しきることは基本的に難しい側面がある
・運良くウイルスだけを攻撃できる薬を使えば、炎症反応(異物排除反応)を起こさなくて済む状況を人為的に作ることは不可能ではないが、このアプローチの難しさを考えるとウイルスの排除よりウイルスとの共存の道を模索する方が現実的と私は考える
・具体的にはウイルスと遭遇したら、速やかに適切な炎症反応(異物排除反応)が起こせる細胞環境を食事とストレスマネジメントによって整えておく
以上です。読者の皆様よりご意見・ご感想を頂ければ嬉しく存じます。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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持続感染
私は「インフルエンザウイルスなどの場合は、一旦その免疫を獲得すると一生涯保有出来る」が「持続感染の特性のあるウイルス、例えばヘルペス、HTLV-1等は一旦染したらキャリアを保有した状態で、発症するか否かはその時々の免疫力次第」と理解しています。
誤った理解であれば訂正お願いします。
私の理解が合っているとして、
万一今世間を騒がしているウィルスが、後者であっては困ります。しかし可能性としてゼロであると言い切れるのでしょうか?
「罹患しても軽症だから」と甘くみて、安易に罹患し、その後に長引くもしくは一生付き合う事態にならないよう知識をいただきたいとおもいます。
もちろん、普段の食生活とストレスマネジメントが事態から遠ざける点は肝に銘じています。
Re: 持続感染
御質問頂き有難うございます。
> 私は「インフルエンザウイルスなどの場合は、一旦その免疫を獲得すると一生涯保有出来る」が「持続感染の特性のあるウイルス、例えばヘルペス、HTLV-1等は一旦染したらキャリアを保有した状態で、発症するか否かはその時々の免疫力次第」と理解しています。
> 万一今世間を騒がしているウィルスが、後者であっては困ります。しかし可能性としてゼロであると言い切れるのでしょうか?
この返答は多分に私の予想を含む憶測になってしまいますが、御了承下さい。
結論から言うと、「可能性はゼロではないけれど、かなり低い」と考えます。
「ウイルスは動(植)物細胞の複製エラー」という仮説に乗っ取れば、
ヘルペスウイルスが皮膚や神経に、C型肝炎ウイルスが肝臓に、というように各臓器(組織)へ局所的に感染を起こす理由は、複製エラー前の元の細胞との親和性が関与していると思います。従ってヘルペスウイルスやHTLV-1は神経細胞の複製エラーに由来するからこそ持続感染(潜伏感染)という現象を起こすのではないかと私は考えています。
対してコロナウイルスはこれまで発見された7種類全てが風邪や肺炎の起炎ウイルス、即ち気道上皮細胞の複製エラー、気道上皮細胞に親和性を持ったウイルスだと想定されます。ターンオーバー(細胞回転)の観点から気道上皮細胞においては潜伏しえないと思いますので、新型コロナウイルスが持続感染をきたす可能性は極めて低いと私は考える次第です。
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