普遍性と個別性
2019/12/08 09:00:00 |
素朴な疑問 |
コメント:2件
普遍性がないことはしゃべってはいけないのでしょうか。
先日とある方から「ホメオパシーは少なくとも普遍性がないデタラメだから、あまり語られない方がいいと思いますよ」という忠告を受けました。
おそらく他にも私がホメオパシーを学んでいることに対して、そう思われている方も多いのではないかと推察しています。
確かにホメオパシーは誰にでも当てはまるという普遍性はないかもしれません。しかしそのことがイコールデタラメかと言われたら、それは必ずしもそうではないと思います。 ホメオパシーが効くという事実を説明する理由に「プラセボ効果」という心理変化に伴う好影響ではないかということがよく言われますが、
ホメオパシーでの改善症例報告を聞いていると、重症のアトピー性皮膚炎が改善していたり、完全型脱毛症が改善していたりする事実を目の当たりにします。
いずれも現代の従来型医療の方法論ではもはや治せないと言われている病気です。たとえそれが「プラセボ効果」であったとしても、そこには立派な価値があるのではないでしょうか。
私はとにかく事実を重視する医師です。だから事実の見極めには細心の注意を払うわけですが、
前述の病気の改善例は写真付きでその経過を確認していますので、これがデタラメだという可能性は極めて低いでしょう。
そしてもし「プラセボ効果」でこのような改善を起こしうるのだとしたら、他のどんな方法でこれほどまで劇的な「プラセボ効果」を引き起こすことができるのでしょうか。
その代案が提示できない以上は、この事実を深く受け止めて、ホメオパシーにはプラセボ効果を超える何かをもたらす可能性がある、少なくともプラセボ効果を最大限に引き出す秘訣があるという風に考えて、
普遍性はないかもしれないけれど、十分な価値を感じられるホメオパシーを私は勉強し続けているのです。
勿論、普遍性がないことなので、万人に勧められる類のものではないということも十分に承知しています。
ここで重要なのは、主体的医療の観点です。万人には勧めないけれど、それを希望する人の受け皿はそこにあるべきなのです。
なぜならばその医療には普遍性とは別の、個別性という価値があるからです。
もっと言えば、なぜある人には効き、別の人には効かないのか、という普遍的ではない事実を説明しうる普遍的な原理が将来明かされる日が来ないとも限りません。
それまではこの普遍的ではないホメオパシーという選択肢は、個別性を大事にする医療の中で価値を守っていく必要があると私は思います。
その根拠となっているのが事実、それを重視する事実重視型思考です。
従って、ある人達にとってはデタラメとも思えるホメオパシーを学ぶ行動は、私の中では極めて論理的な行動と言えるのです。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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No title
医療関係の方たちはコラーゲンは経口摂取しても効果がないと言っているようです。
80過ぎの私の父のことですが、膝関節の痛みをなんとかしたくて高価なコラーゲンサプリを飲みだしたところ、父の肌がつやつやになり驚いたことがあります。
私も試してみましたが続けて3,4日飲むと確かに肌がつやつやになりました。
医師がこんな物効果がないと言っても実際に効果が出てるのをみていると、ホメオパシーも良くなったという事実があるなら見直すべきなのでしょうね。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
> 医療関係の方たちはコラーゲンは経口摂取しても効果がないと言っているようです。
> 80過ぎの私の父のことですが、膝関節の痛みをなんとかしたくて高価なコラーゲンサプリを飲みだしたところ、父の肌がつやつやになり驚いたことがあります。
> 私も試してみましたが続けて3,4日飲むと確かに肌がつやつやになりました。
私もその点に関しては自分なりの意見がございます。
よく言われるのは、コラーゲンにせよ何にせよタンパク質を摂取しても胃の中でアミノ酸に分解されるから、
もはやコラーゲンではなくなっているので、摂取したコラーゲンがそのまま軟骨に入るわけではないので、コラーゲンを摂ってコラーゲンを増やそうというのは意味がない、といった論法です。
しかしながら、例えば軟骨がすり減っていたりする場合、その人の身体の中には少なくともコラーゲン産生亢進の需要は高まっています。
その状況下でたとえ摂取したコラーゲンが胃の中でいったんアミノ酸に分解されようとも、その後吸収されたアミノ酸が身体のニーズに従って再びコラーゲン産生へとつながる材料として利用されるのであれば、それはアミノ酸をいったん経由しつつも、結果的には摂取したコラーゲンが軟骨へのコラーゲン補充へとつながったことにはなるのではないかと私は思うのです。
事実、コラーゲンのサプリメントを摂取した人の軟骨がよくなる事実は観察されます。仮にそれがプラセボ効果だったとしても、それは有意義な事実なのではないでしょうか。
> 医師がこんな物効果がないと言っても実際に効果が出てるのをみていると、ホメオパシーも良くなったという事実があるなら見直すべきなのでしょうね。
ご指摘のように、その事実に注目する姿勢で私はホメオパシーの価値を見極めようとしているところです。
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