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「無農薬・無肥料栽培」について学ぶ

category - 自分のこと
2019/ 12/ 03
                 
12月3日は私のもう一つの誕生日、そう、私が糖質制限を開始した日です。

私は2011年の12月3日に糖質制限を行い始めて、その後価値観とともに人生が大きく好転していくことになります。

その人生の分岐点となった12月3日にちなんで、毎年この12月3日にはこの1年で私が初めてチャレンジしたことについて記事にするようにしています。

今年私がはじめてチャレンジしたのは、ズバリ「農業」です。

実は今私は診療の合間を縫って、農業の学校に通っているのです。
            

私をその行動に駆り立てたきっかけは、私が糖質制限をはじめたことと決して無関係ではありません。

とある糖質制限仲間の方から、私が現在住む福岡県に無農薬・無肥料で野菜を作り、その作り方を多くの人達へ教えている人がいるという話を聞いたのが最初でした。

とにかくそこで作られる野菜はおいしいのだと。無農薬の野菜とは健康によいのだろうというのは何となくはわかりますが、

それに無肥料がついたからといって消費者目線としては正直そこまで魅力を感じません。

しかしそこで教える人の考え方がとにかくすごいのでと、一度行ってみるように勧められ、

福福津市にある「石井ピュアファーム」が開催するブレセミナーというものに、何事も経験という気持ちで参加してみました。

ところがそのプレセミナーで私は期待をはるかに超える気づきを得ることになるのです。

セミナーでお話をされた石井吉彦先生は無農薬・無肥料栽培の第一人者で、なぜこれらのやり方がよいのか、そして今の農業や野菜を取り巻く現状にはどのような問題があるのかということを論理的にわかりやすく説明されました。

私はこれらの話を聞いて、医療業界の問題と共通する部分が多いと感じました。

農薬は人工添加物や西洋薬の問題と、肥料は糖質過剰摂取の問題とリンクし、

農家と農薬メーカーをめぐる問題は、さながら医者と製薬メーカーの問題を見ているかのようでした。

私には無農薬・無肥料栽培というのは、「植物界における糖質制限を基本におく自然重視型医療だ」と感じられたのです。

製薬メーカーと癒着した医者に全てを委ねられないように、生活のためにのっぴきならない事情があるにしても結果的に農薬メーカーと蜜な関係のある農家が作る野菜を食べることは、

あたかも糖質過剰によって発生する健康トラブルを西洋薬によって見かけ上の解決を図る対症療法的構造を見ているかのようです。

だから私達が無農薬・無肥料栽培のことを主体的に学び、草の根的にこの考えを広めていく必要があるという石井先生の理念に、

糖質制限を学会などの組織からトップダウン的に変えるのではなく、患者や一般人のレベルからボトムアップ的に変えていく必要性を強く感じている私は深く共鳴しました。

だから私はこの農業学校に入学することを即断することにしたのです。


プレセミナーでは実際に無農薬・無肥料栽培で育てられた野菜と、普通にスーパーで売っている野菜とを食べ比べる場面もありましたが、前者の方が明らかにおいしく、

それを知った上でスーパーの野菜を食べると、実はそこには苦味が存在するという事実にはじめて気がつくのです。

そんな苦い野菜でも各種の化学調味料を駆使して何とか食べられるようにする調理の技術や文化が私達にはあります。

それはまるで腰の痛みに痛み止めを飲んで、その副作用を予防するために胃薬を飲む、そんな医療の構造と似ているのではないでしょうか。

小さいこどもが「野菜は苦いから苦手」だという話をよく聞きますが、あれはそうした農薬や肥料によって育てられた野菜の問題点を端的に表現しているのかもしれません。


実は石井先生の考えの素晴らしさは無農薬・無肥料栽培の論理にとどまりません。実はもう一つ重要なポイントがあるのです。

それは「野菜の種を無農薬・無肥料栽培によってその土地に適応した野菜から採る」べきだということです。

人間で言えば、「西洋薬や糖質過剰にさらされていない状態でこどもを産み育てる」という感じでしょうか。

実は巷に出回る野菜の種は、F1という交雑種(雑種第一代)という自然界ではありえない組み合わせの特徴の野菜どうしを掛け合わせて人間にとって都合のよい野菜となるよう人為的に作成された種であることが9割以上なのだそうです。

例えば形は悪いけど大きいきゅうりと、形はいいけど小さいきゅうりとを掛け合わせて、「形もよくて大きさも大きいきゅうり」を人為的に作るような感じです。

それの何が悪いのかといいますと、そのように人為的に作られたF1の種はその次の世代、F2の世代に移ると非常に質の悪い野菜となってしまうのだそうです。

そうなると農家としては毎年野菜を安定的に作るためには、毎年新たにF1の種を購入する必要があります。

逆に言えば毎年F1の種を買いさえすれば大きくて見た目もよい野菜を安定的に作ることができるようになるため、

そこではわざわざ種を自分の畑で育てようという発想が働かなくなる流れがあるのです。

結果、どこかで人為的に作られたF1の種が農業界を席巻してしまっています。

無農薬・無肥料を手がける農家までは全国に少数あれど、今や石井先生のように自家採種(自分の畑で自分の畑に適応した種をとる)をしている農家ともなると極めて少数派なのだそうです。

しかし、この流れには将来取り返しのつかなくなる大きな問題が潜んでいます。

それは本当に自然の中で育つ野菜がもはや食べられなくなるという問題です。

そしてこの問題は糖質制限でよくなりきらない人達やアレルギーや神経難病などが糖質制限だけでは解決し切らない医療の問題へも通じます。

私は農業のど素人ですが、この問題は私が医療を考える上でも避けては通れない問題だと強く感じました。

勿論、何の知識もない素人が野菜を育てることなどできるのかという不安はありましたが、

石井先生はそんな私に「農業に関して先入観のない人の方が無農薬・無肥料栽培は習得しやすい」といいます。

これも糖尿病専門医よりも非専門医の方が糖質制限を受け入れやすいという話に似ているように思えました。

背中を押された私は今、月に2回ほど土と触れ合い野菜を育てる時間を過ごしています。1年間ほど継続する予定です。

ここでの気づきは当ブログで随時紹介していこうと思います。


たがしゅう

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コメント

非公開コメント
        

大変興味深いお話でした。流通されている野菜は、種苗会社から毎年購入された種子や苗を育てたものとは知ってましたが、その意味を深く考えたことがありませんでした。さっそく石井ピュアファームのメール会員になりました。私も勉強したいと思います。
Re: タイトルなし
T さん

コメント頂き有難うございます。

無農薬・無肥料栽培・自家採種の考え方には人間の健康の役に立ちそうな内容がたくさんあり、現在私も興味深く学びを続けている状況です。また適宜気づきをシェアさせて頂きたいと思います。
No title
失礼します、以前、松本市内での、夏井先生主催の豚皮チップスを食べる会(?)で先生にお会いしてから、もう何年もたちました。
私も、糖質制限を開始してから8年目に入り、そして、今日のお題の「自然農」を、家庭菜園ですが、始めてから4年目になります。

無農薬、無肥料、そして不耕起、草や虫を敵としないが「自然農」の原則です。
なんとなく、たがしゅう先生がこの道を知り、入って行かれるような気がしていました。
その通り、糖質制限と自然農には自分から理解してからでないと実践できません。自ら体得してやるのと、流行っているからやってみるかでは大違いですね。

我が家でも、自家採取しているものに、オクラ、落花生、大豆(エダマメ)などがあります。石井吉彦先生の言う、自分で種を採り育てていくのが、難しくもありますが、ベストな方法なのでしょうね。何年もかけ、だんだんと自然農の畑に適合していくと思われます。

採り残しのダイコンから、春には花が咲き種になり、その種がこぼれ、秋には見事なダイコンに自然に育つ、この野良ダイコンを見ていると感動を覚えます。

まだまだ勉強、実践途中ですが、たがしゅう先生を応援しております。
Re: No title
オクラの花 さん

 コメント頂き有難うございます。
 松本での豚皮揚げを食べる会ではお世話になりました。懐かしいですね。

 糖質制限界にも無農薬・無肥料・自家採種に理解を示す方がいらっしゃり嬉しい限りです。 
 私もまだ初学者で恐縮ですが、少しでもこの考えの普及に寄与できればと思っています。今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。