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毒物の排除より毒物があっても大丈夫な身体作り

category - 素朴な疑問
2019/ 11/ 13
                 
物質の毒性について考えていますが、もともと人間の体内に存在する物質で、

その割合が多ければ多いほど、大量に投与しても安全である可能性が高いのではないかという見解を述べました。

今度は逆にもともと体内に存在しないものについて、それを摂取することで起こることについて考察してみます。

例えば鉛です。鉛は人体に必要とされている物質ではなく、ヘモグロビンの構成要素であるヘムの生合成に関与する酵素を阻害すると言われまさに人体にとって毒として働く物質の一つです。

一般環境において鉛は無機化合物と有機化合物というそれぞれの形がありますが、食品の中にも自然な形で鉛は存在していると言われており、

私達は知らず知らずのうちに食事をするごとに微量の鉛を体内に摂取していると言われています。
            

無機化合物としての鉛は水にも油にも溶けず、急性中毒は起こしにくいのですが、

有機化合物としての鉛(例:四エチル鉛)は脂溶性で、脂質二重膜構造となっている細胞膜を通過し、それが蓄積して神経に障害を与えます。

しかし鉛は体内に蓄積される一方なのかと言いますと、そんなことはなく、

尿や糞便中に排泄されるのは勿論、毛髪、汗、爪や呼気からも微量ずつ排泄されます。

要は人体に構成されていない物質であっても、それを処理する仕組みを人体は持っているということなわけです。

しかしその体外に排泄する仕組みのキャパシティを超えて鉛が蓄積される時に、鉛中毒という現象が引き起こされるということになります。

鉛の健常者における血中濃度は1~3μg/dLと言われており、40μg/dLを超えると臨床症状が出現し始めると言われています。

やはりもともと人体で使う予定のない物質である鉛であるが故に、ごくわずかの量しかため込むことはできません。

こういう物質が毒性を発揮する時のメカニズムは、まず溜まってはいけない箇所に溜まることによって、その細胞の機能がまず低下します。

また本来ない物質があり続けることで人体は異物として認識し、異物除去・処理のための炎症反応が引き起こされます。

さらには酵素などの働きが低下すれば、生体内での化学反応に誤作動が生じてくる可能性もあります。

そうしたメカニズムを経て、鉛中毒では実際にはどんなことが起こるかと言いますと、

初期症状として、疲労、睡眠不足、便秘、摂取量が増えるに連れ、腹痛、貧血、神経炎などが現れ、最悪の場合、脳変性症に至ると言われています。

怖いのは普段の病院で私達はよほどの状態でない限り、鉛の血中濃度を図ろうと思わないということ、

また鉛中毒は鉛工場で働いているという人だけがなる特殊な病気というわけではなく、

鉛に汚染された土壌で育った農作物やそれを食べた動物の体内に蓄積されたものを私達が食べて、生物濃縮を受けて私達の身体に鉛が蓄積されていくという事も十分考え得るのです。

そして今はたまたま鉛についてだけを考えましたが、他にも考えられる有毒物質を数えたらきりがありません。

実は私達はそうした異物とうまくやっていく処理システムを働かせながら生きているということだと思います。

そうなると、私達がすべきことは一つ一つの毒物をモニタリングするというのでは効率が悪いので、

毒物処理システムが円滑に働くように身体の機能をメンテナンスする事が必要なのではないでしょうか。

そのためにすべきことが、ただしい食事のとり方、不必要に食事を摂り過ぎないこと、ストレスで代謝の滞りをきたさないようにすることだと私は考える次第です。


たがしゅう

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コメント

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まずはタンパク質
炎症反応により細胞ごと排泄?する事により毒物を除去すると言うことは、炎症により失われた細胞を回復するためには、まずタンパク質が必要になるという事ですね。
Re: タンパク質分子を基本として考える
zigk69 さん

 コメント頂き有難うございます。

> 人体は、生体分子機械といわれるタンパク質分子が正常に機能していれば健康といえるでしょう。磁気療法では、骨格構造を「構造相転移」させることによって、直接完治状態にできるのです。これが最も強力な治療法であり、最も確実な治療法なのです。それ以上、何かを付け加える必要がありますか?

 「構造相転移」という現象に注目されたのは興味深いと思います。
 浅学なので「構造相転移」については後で勉強する必要があると思っていますが、
 磁気療法でそのタンパク質の構造異常を是正できるという話も興味深いです。

 ただ磁気療法でその構造異常が是正されたという事実は確認されているのでしょうか。
 磁気で構造が変化するという事実、磁気療法で自身の体調不良が即効的に改善したというだけでは証明不十分です。
 磁気療法で患者のタンパク質の立体構造が変化したという具体的な物証がないと、zigk69さんの主張は仮説に留まると私は思います。

 仮にもしzigk69さんの仮説が正しいとすれば、今まさに亡くなりそうな人、もしくはすでに亡くなった人に対しても
 磁気をかけてタンパク質の異常構造を是正すれば、復活するということになりますが、
 まだ磁気療法に関わってもいないのに判断するのも早計ですが、さすがにそれはにわかに信じがたい現象です。
 ということはタンパク質の立体構造以外に、生命が生命たる所以が他に何か存在しているということになります。それを人類が把握できているかどうかは別にしてです。

> 物理法則を探究しない医学は、二流の科学ということでしょう。

 それはそうかもしれませんが、すべての物理法則が理解できるとする態度もまた傲慢ではないでしょうか。
 少なくとも現代の科学はすべての現象を、特に生命現象を物理法則で説明できるレベルには達していないと個人的には思います。そうである以上は実際に起こる事実を謙虚に観察し、ブラックボックスの余地を残しながら謎解きに向き合っていくのが科学者として望ましい姿ではないかと私は考える次第です。
Re: まずはタンパク質
西村典彦 さん

 コメント頂き有難うございます。

 アポトーシスという細胞ごと死滅させるメカニズムはありますが、
 炎症が必ずしもそのメカニズムで毒物を排泄させているわけではありません。

 マクロファージという貪食細胞が異物を貪食し、その中でリソソームと呼ばれる加水分解酵素などで処理を受けるというメカニズムも存在します。ただそれで処理しきれなければマクロファージ自体が死骸化してしまえば、それがまた炎症源となったり、タンパク質喪失の原因となったりする側面は確かにあろうと思います。

 ただ身体機能が有効に働いていれば、オートファジーと呼ばれるタンパク質のリサイクルシステムが働くので、額面通りのタンパク質喪失よりも少なくなる可能性も十分にあります。それでもタンパク質がある程度必要になるということには変わりはないでしょうね。