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個別性と集団性

category - ふと思った事
2019/ 11/ 09
                 
健康長寿についてもうしばらく考えてみます。

もしもこの方法を行えば平均的に健康寿命を高くなる可能性が高いという方法の情報があった時に、

あなたはそれをその通りに実践していきますか?

多くの人は「そんな素晴らしい方法があるのなら是非とも実践してみたい」と思うのではないでしょうか。

一方で全く別の場所でその方法とは異なる方法で健康長寿を実現している人がいるとします。

ということは、その平均的に健康寿命を高める方法というものには例外が存在する、ということになります。
            

生物多様性という言葉がありますが、人間をはじめ生物を構成するシステムの基本設計には共通部分がありますが、

そのシステムの中のどれがどのように使われてどういった場面で力が発揮されるのかについては個々の種であったり、あるいは同種の中でも多様性が存在しています。

何が言いたいかと言えば、「生物多様性がある限り、生物を健康長寿に導く唯一無二の方法はない」ということです。

勿論、平均的に健康寿命を押し上げる方法には価値があります。おそらくは生物の共通システムに関わる方法であるからこそ、そのような結果をもたらすことができるのでしょう。

しかしそれはあくまでも平均であって、そのやり方が合うことが自分に当てはまるとは限らないということは生物多様性がある限り言えるのではないでしょうか。

医学のデータの多くは統計学的な処理を経て、「平均的にはこうですよ」ということを示すものとなっています。

それは多様性のある生物を相手にする限り、世の中に唯一無二の健康法など存在しないということの裏返しであるようにも思います。

例えば「スタチンというコレステロールを下げる薬が動脈硬化を平均的に改善させる」というデータが出ていたとしても、

平均的に効くのであれば私にも効くのであろうという感じで同じことをすると、筋肉が壊れる副作用がもたらされてしまうことだってあります。

今のは極端な例ですが、平均的なデータを利用する場合には、必ず自分にも当てはまるかどうかの検証過程が不可欠だということです。

逆に言えば、データ中心主義のその先には個別性を疎かにする落とし穴があるということです。

医学の中では一例報告はあまり価値のないものだと軽くあしらわれがちです。

「個々の事例がいくらあっても、全体でものが言えるのかどうかがわからないと結局なんとも言えない」という感じで軽視されます。

しかし個々の事例といっても人間である以上、生物の共通システムが用いられる中で引き起こされた事実でしょうし、

そこには「体質」の一言では片付けられない、その事実が引き起こされた理由が必ずあるはずです。その理由が目に見えるものかどうかは別にして、です。

だからある方法論に対して真っ向から矛盾する事実がある時に、それを「例外だから」「体質だから」「一例では何とも言えないから」などと受け流すのはあまり得策ではないと思います。

例えば栄養療法が唯一無二の健康の秘訣だと確信する人に、断食を活用して健康を維持する人の理由は理解できません。
だから断食でよくなっている人を「例外」「将来的に必ず悪くなるはず」などと解釈してしまいます。

しかしながら断食でよくなっているという事実がある以上、そこには理由が存在しているはずです。そこには栄養でよくなる人の理由と根源的には共通する要素があるはずだと考えるべきです。

逆もまた然りです。栄養療法で悪くなっている事実、断食で悪くなっている事実があればそれにもまた必ず共通原理につながる理由があるはずだと考えていくのです。

そしてそれらの考えはいつも実践でもって確かめられていくべきだと私は考えています。


要するに個別性も集団性も両方大切なわけです。

データ中心主義の向こう側は個別性の軽視です。

「自分がよくなる方法が他人にも当てはまるはずだ」と安易に結論づけることの先には集団性の軽視があります。

データを参考にしつつ、自分で実践を経て確かめられつつ、さりとてデータ外の例外から学ぶ姿勢も忘れない。

それこそが人類全体を健康へといざなう共通原理へと近づくための秘訣なのではないかと私は考える次第です。


たがしゅう

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コメント

非公開コメント
        

寿命が長いことは種にとって有益か
「寿命が長いことは種にとって有益か」と言う、皆さんへの私からの問題提起です。

生物を構成する細胞にはアポトーシス(細胞死)と言う死に方があります。
まだ、十分に機能するのに、あえて死を選び、新しい細胞に入れ替わる行為です。
なぜ、こんなことが起こるのでしょう。きっとその方が種の存続に有利だからと思えます。

その細胞が集団となって生物(人類を含む)が構成されます。そして、少なくとも人類においては雌雄がある以上、単体では種としては完成形ではありません。雌雄を含む複数で構成されてはじめて種としての機能を完成させます。一人ひとりが人類なのではなく、それは人類と言う種の構成要素(部品)でしかありません。
要するに人類と言う種は、細胞<人間単体<(集団としての)人類と言う構成で成り立っています。
ここで気付くのは、人間単体の構成要素である細胞にアポトーシスがあるのなら、人類と言う種にも同様のものが存在するのではないか、必要ではないかと言う事です。
一人ひとりの長生きは、果たして人類と言う種の存続にとって有益なのでしょうか。きっと、どこかに損益分岐点が存在するはずです。
例えば、地球と言う限られた領域に生息する限り、人口のパンデミックによる食料問題は目の前に迫っています。
これは、宗教的、哲学的、倫理的要素を含む問題です。
「糖質制限食の実践が長寿につながる」

と言うわけでは決してありません。江部先生がパイオニアとしてたかだか20年ほどです。そこには上記命題のエビデンスは存在しません。江部先生ご自身の生命力の問題かもわかりません。ただし、健康には寄与すると思います。

糖質制限をする私たちは、日々、体調について考察をしながら精進していくことを主眼にすべきだと思います。

健康長寿のお話をされるのはいいのですけれども、ちょっと視点が違うかもと思った次第です。
No title
断食でよくなる理由は、そもそもがタンパク質不足だからです。

タンパク質不足で胃腸が弱い。
タンパク質不足で消化酵素が作れない。
消化能力が低いから、負担がかかり、胃が疲れる。

だから、断食で胃腸を休める事で、調子が良くなるのです。

そういう人に限って、消化に良いというデマで、うどんやパンなどの炭水化物ばっかり食べてる。

肉は脂っこくて気持ち悪くなるから食べないという。

つまり、タンパク質も脂質も不足している。

質的栄養失調!!

まぁ、これは、過去の自分もそうだったんですけどねw


断食するよりも、毎日たまご10個食え!!と言いたいです。
Re: 寿命が長いことは種にとって有益か
西村典彦 さん

コメント頂き有難うございます。

> 「寿命が長いことは種にとって有益か」

考えさせられる問題提起ですね。
細胞集団と人類集団の共通構造に注目する考え方も私好みです。

一般的には細胞のアポトーシスの意義は、不良細胞をいち早く察知の後に排除し、全体の秩序を保つことにあると言われています。同じ理屈を人類集団に当てはまるのが倫理的かどうかは別として、全体の秩序という観点でみれば皆が皆長寿でない方がよいのかもしれません。御指摘のように食糧難もより深刻になることは必至です。

結局私達は長寿を願おうと願うまいと、与えられた命を生きることしかできないのかもしれません。
ならばその人生をいかに有意義に生きるかということに私はかけていきたいです。
Re: タイトルなし
ジェームズ中野 さん

コメント頂き有難うございます。

> 「糖質制限食の実践が長寿につながる」
> と言うわけでは決してありません。
> ただし、健康には寄与すると思います。


確かにそうですね。
「健康長寿」という表現をしてしまいましたが、
自分の寿命がどうだったかがわかるタイミングは人生で一度きり、しかも自分はその数値を知ることができません。
糖質制限で寿命を延ばすとか言っていても、それが本当に延びたのか、そもそもそこまでの寿命だったのかは比較も出来なければ証明のしようもありません。

結局、今この瞬間を懸命に、そしてなるべく健康に生きようとするより他にないのかもしれませんね。
Re: 量子力学が意味すること
zigk69 さん

コメント頂き有難うございます。

> 量子力学の確立によって、化学は物理学の一部となったのです。したがって、化学的生命観から、物理的生命観へ転換すれば、矛盾なくスッキリと統一的に生命現象を理解することができる。

量子力学、実は大変興味あるところでして、いつかしっかりと勉強したいと思い続けています。
磁気療法も興味深く、まずは御著作を読ませて頂こうと考えているところです。

ブログの方も是非拝見し、勉強させて頂きたく存じます。今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。
Re: No title
お! さん

貴重なご意見を頂き有難うございます。参考にさせて頂きます。
メガビタミンのリスキーな事実
これ以上、被害者を出さないためにもあえてコメントさせていただきます。

(1)高たんぱく食について
糖質制限すれば、蛋白質の摂取量は自然に増えます。増えなければ単なるカロリー不足です。
通常の糖質制限食で体重×2gくらいの蛋白質は食べられるのでプロテインは不要です。
通常食ですから、プロテインスコアは低いでしょうが、BUN(尿素窒素)21オーバーなので、あるグループが指標に照らし合わせると20以上はクリアしていますからタンパク質は充足していることになります。

(2)卵の大量摂取とコレステロールについて
食事由来のコレステロールは、検査値に影響しないと言うのが最近の医学、栄養学です。
それを根拠に卵はいくら食べても大丈夫で、完全食品だから体に良いと言われています。
しかし、私は平均3個/日で半年ほど食べた結果、LDL-Cは200程まで上がり、中止しました。その後、4ヶ月で正常値に戻りました。
家族性高脂血症でもなく、脂質異常でもありませんが、個人毎にそれくらい異なるということは医学的にも分かっていないと言う事実です。

(3)メガビタミンの危険性と隠蔽の事実
コレステロールを下げるために摂取したナイアシンは、肝機能障害(ALTが21→115)で中止しました。
このリスク回避として指示通り(より長く)レシチンを1か月前から摂取していましたが何の効果もありませんでした。
蛋白質不足もありません。すべて、そのグループでのルール通りです。
さらに顕著に耐糖能が悪化しました。
その事実を検査データと共に投稿しましたが、管理者(=指導者)からは何の返答もなく、放置状態です。
良い事だけ表に出して、悪い事実は目に触れないように強制退会させられた方も知っていますし、自己責任と繰り返すだけで、一切の責任を実践者に押し付けています。
不調を訴えた人の問い合わせへのグループ管理者の一人のコメントに対して、SNSと言う公の場で「ネガティブな事とを書くな」と罵倒している○○医師の非常識さも目にしました。これははっきりと悪いことは隠蔽しろと管理者に指示をしていると捉えました。
清水先生は、ご自身のブログで、伏字で投稿した私のコメントに○○医師を名指しで批判されて驚きました。よっぽど思う事があったのでしょう。

(4)サプリメントの購入(特定のサイトでの購入を勧める事への疑問)
特定のサイトが最安値だとしきりに宣伝していますが、決してそんなことはありません。アマゾンで同じものを比較してください。
アマゾンの方が安いものがたくさんあります。私はアマゾン以外で購入したことはありません。
不思議に思っていましたが、この件について、事実は確認できていませんが、紹介ポイントが多量に入っているのではないかと言っている方がおられて納得しました。

(4)私の結論
以上が、私の経験と事実であり、メガビタミンの実態です。
症状が改善された方もそれなりにいるのも事実だと思いますが、そうでない事のリスクが高すぎます。
このグループは、自己責任を隠れ蓑にした人体実験場です。みんなで試して結果を教えてくれと呼び掛けていたりします。
医師法、薬事法上、限りなくブラックではないかと思われることが多々あります。
通常の医療と比較して、あり得ないくらい高頻度の副作用があるのが事実です。リスク&ベネフィットが医療の基本です。
はっきりと治療対象とする症状ある場合は、その副作用のリスクと効果を踏まえて症状改善までの短期間、実践することは悪い事ではないかもしれませんが、特にどこかが悪いわけではなく、さらなる健康維持のために行う、ドーピングに等しい行為には強く反対します。あくまでも私の意見です。
私は、自分自身の結果(経験)と以上の事実を踏まえて、リスキーすぎて2度と手を出せませんし、すべての検査値が正常となっている現在、すでに不要です。