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糖質を嗜好品として利用する

category - 糖質制限
2019/ 10/ 26
                 
実は最近の私の糖質制限はかなり緩くなってきている感があります。

それは糖質制限実践中にうまくいかない人達の原因に対してストレスマネジメントの着想を得て、

糖質制限を行い続けることにストレスを感じるくらいであれば、糖質制限を緩めた方がよいという考えを勧めるに至ったことが大きいです。

一方で私自身も糖質制限の実践で壁を感じている張本人でもあります。それは糖質制限を続けているのに体重が一定以下へやせていかないということです。

これに関して脂肪細胞の数説などの仮説を掲げてきましたが、肥満を慢性炎症だと捉えた場合に、

もしも私自身にも処理しきれていないストレスが存在し続けているが故の慢性炎症持続なのだとすれば、

私の慢性炎症が続いている原因のストレスが糖質制限をしている事によるものであるという可能性が否定しきれなかったからです。
            

糖質主体の食べ物がおいしいというのは紛れもない事実です。

そうするとそうした美味しい食べ物を、一人である時ならまだしも、特にパーティーなどの多人数での交流の時に楽しむことができないという点では実生活の中でストレスを生じうるという点が否めないと思います。

そこで最近は自身のストレスマネジメントという意味も込めて、あるいは糖質摂取を毎回ではありませんが、

間欠的に必要に応じて糖質摂取を許すというやり方にするとどうなるのかということを、ここしばらく続けてみることにしてみました。

そうすると気付いたことはまず、糖質制限をしていようと、糖質摂取をしていようと私の体重は107㎏で変わらないという事が一つ、

もう一つはあまり他人のことを気遣う必要はなく、社会的な慣習にも適応しつつ過ごすことができるので、いろいろな事が大分楽になっているということです。

もともと私自身に肥満以外の身体の不調はありませんが、糖質摂取を間欠的に行ったからといって何か症状が出現しているという様子もありません。

糖質を摂っても摂らなくても、私に実際的な変化が現れないのであれば、間欠的に糖質を摂るというスタンスは許容されてしかるべきかもしれないと考えるようになってきました。

異論もあるかもしれませんが、この事は体調重視型、自然重視型の観点で考えた時に非常に重要な事実ですし、

あるいは糖質制限にうまく適応できずに苦しんでいる人や、糖質制限に反対している人が取りうるもう一つの選択肢として活用することができるかもしれません。

ただその時にどうせ糖質を摂るのなら私なりにおすすめの考え方があります。

ひとつはなるべく自然の構造を保った糖質を摂取すること

もう一つはどうせ糖質を摂るのであれば思いっきり楽しむということです。

前者は白米よりも玄米、白砂糖よりもオリゴ糖というように、なるべく精製されていないものを摂取するという点もそうですし、

もともと自然界に存在する食物繊維豊富な炭水化物として摂取することで、配糖体が腸内細菌に利用されて宿主の代謝を高めるという効果を期待することもできますし、

さらには糖質の多い野菜でも、その育てられ方によって質のよいものと質の悪いものが分かれるという点にも注目して糖質の摂取を考えていければ、

少なくとも急峻な血糖値上昇は避けることができ、なおかつ額面通りの糖質摂取の悪影響を受けずに済む可能性を高めることが期待できます。

後者は、特に糖質制限を実践中の方で陥りがちな落とし穴として、

糖質を摂取してしまった時に「罪悪感」を感じてしまうということがあります。

この「罪悪感」は自分の望むことに反することを行ってしまったという点で自身に慢性持続性のストレスを与えてしまいます。

ここでは哲学的な視点が非常に重要になってきます。まず物事に善も悪もなく、いずれも人間の解釈でしかないという立場に立つことです。

その上で善も悪も、人間がどう思うかに関わっているのであれば、同じ現象でもなるべく善と思える点に注目しようということになります。

例えば糖質の摂取を悪と捉えてしまい、糖質を摂取したことで「罪悪感」を感じるのではなく、

「糖質」のメリットについて考えて、そのメリットを活かすために糖質摂取をむしろ利用すると考えるようにするのです。

例えば、糖質摂取による血糖値上昇はドーパミン分泌を介して多幸感をもたらす側面がありますが、

強いストレスにさらされた時に、その手段が一時的な付け焼刃だとわかっておきながらも、一時的な救済手段とわきまえて糖質摂取を利用するのは決して悪いことではなく、むしろ自分をうまく守っていくための知恵として解釈することもできるのではないでしょうか。

これはアルコールに害があるとわかっておきながら、アルコールの良い面に注目してアルコールをたしなむ感覚と同じ構造を持っているように思います。

糖質制限生活に長く慣れた人は、あるいはこじれてしまった比較的治療困難な病気を抱えていてその状況を打破するために糖質制限を始めたという背景をお持ちの方は、

糖質を摂取することを絶対悪のように捉えてしまっている人も、少なからずいらっしゃるように思います。

実際に糖質を摂取したら、確かに血糖値が上昇しますので、その血糖値の乱高下が酸化ストレスを生みだし、それが万病につながると言われれば、自身の血糖値上昇に恐怖を感じてしまうのも無理もないのかもしれませんが、

しかし問題はそれが知らないうちに漫然と繰り返されているということであって、

知っていて、しかもそれが毎回の話ではなく、単発で時々起こるだけという状況で、なおかつ様々なことをわかった上で自分はこの現象をストレスマネジメントに利用するという立場であれば、

糖質はまさに嗜好品であって、どのくらい利用するかという事は各人の判断に委ねられてしかるべきではないでしょうか。

とはいえ、糖質には中毒性があるから、一度許せば歯止めが効かなくなって、収拾がつかなくなるのではないかと心配される方もいらっしゃるかもしれません。

そこにおいても体調をベースにしていれば大きく逸脱することはないであろうというのが一つ、

もう一つは哲学者のラッセルが述べた「バランスのよい趣味を行うための4つの条件」というのが参考になります。

①健康であること
②人並みの能力があること
③必需品が買えるだけの収入があること
④妻子への義務を果たせること

もしも中毒に陥り、自分がとんでもない状況に陥っていることが気付けない状態にあれば、上記の①~④の乱れとして現れます。

たとえば糖質摂取を繰り返し過ぎて健康を害しているようではその糖質摂取は制限されるべきですし、

能力が落ちてもダメですし、買い込みすぎて貧乏になるようだとやり過ぎですし、妻子に愛想つかされるようだともっての他です。

以上を踏まえて私の基本スタイルは1日1~2食とし、糖質を摂取していようがいまいが、食事と食事の間を十分にあけてオートファジーを常に使うことを忘れないようにさせ、

その上で糖質制限をストイックに行うことでの社会的なストレスを最小化するために、あるいは急性のストレスがかかる状況の時に一過性の糖質摂取によるストレス代償反応を利用する際には糖質摂取を許容する…、

もっと平たく言えば「これは糖質を摂った方が楽だ」と思える場合には糖質摂取し、その状況が解除されれば再び糖質制限食に戻すというスタイルでやっていますので、

私の食事を見た時にたがしゅうが糖質制限を止めていると思われる人がいるかもしれませんが、それはそういう理由となるわけです。


私は自身も含めて糖質制限がより多くの人に受け入れられて、自分の健康を守るための方法論として活用されることを、

糖質摂取も糖質制限も善悪判断を固定化せずに、柔軟に考えていきたいと考える次第です。


たがしゅう

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コメント

非公開コメント
        

賛成の賛成なのだ
煙草もお酒もそうですが、嗜好品として糖質も楽しむことは否定したくありません。
ハレとケで、ハレの時は食することが生きることへの、感謝になる気がします。
ケでしっかり管理していれば大した影響がないことも確認できるし。
ハレとケがある生活ができるようこの世界と共にいきたいと思います。
No title
たがしゅう先生
おはようございます。

私もしばらく糖質について考えていました。あまりにも糖質を敵視してしまっていたと今は思っています。役割があり必要だから存在している。
添加物まみれのお菓子を食べるよりはカボチャを焼いたり、さつまいもを蒸かしたり。そんな取り入れ方ならいいように思います。
私も以前よりは糖質を食べています。
流石に量には気をつけていますが。
血糖値は確実に上がるでしょうがそれも承知で。血糖値だけで人生ははかれない。自分自身に余裕が出たように感じています。



Re: 賛成の賛成なのだ
たか さん

 コメント頂き有難うございます。

 糖質を嗜好品と位置づける考えが広まれば、少なくともアルコールと同様に有害性も認識されつつ社会と共存できるポジションに落ち着かせることができるのではないかと私は考えています。
Re: No title
花鳥風月 さん

 コメント頂き有難うございます。

 血糖値が上がる事は身体が頑張っている証拠、そう認識する事で自分自身をもっと慈しめるではないかと思います。
 一見ごまかしのようにも聞こえるかもしれない指導ですが、そういう所にこそ問題の本質は眠っていると私は考える次第です。
ファットアダプト
糖質制限の「制限」という単語が妙にハードで束縛的な印象を与えますが、「糖質を取りすぎないように」促す為に生まれた単語であり、「ゼロ」「無」ではない点を忘れてはいけないと思います。
サッカー選手の長友は、糖質制限に行き詰まり、最近はファットアダプトというスタイルを実践して良い結果を出していると聞いてます。
「糖質をゼロに近づける」観念から、「個人に適切な糖質を調べ、摂取し、脂肪をこまめにとる」観念へ
変化の兆しが現れてきましたね。
そのような食のようですが、
Re: ファットアダプト
だいきち さん

 コメント頂き有難うございます。

 ファットアダプトとはまたなかなか面白い表現ですね。
 しかし要するにそういう事だと思います。糖質を「制限」するだけでは、脂質に「アダプト」しきれないということですし、ストレスが「アダプト」の邪魔をしていると考えることもできます。

 糖質制限を契機に自分自身の食の有り方を考え直す、そしてそれを踏まえて自分が最も最適な食生活を構築していくという流れにつながっていけばよいと私は考える次第です。
私の糖質に対する欲求
以下は、約2年間の糖質制限での私の糖質に対する欲求の変化です。
これまで40g/日の糖質制限を実践してきましたが、現在、実験目的で2ヶ月限定で腸内環境の改善目的で糖質など(リンゴ酢、フラクトオリゴ糖、もち麦)を摂取しています。
腸管上皮細胞のエネルギーである短鎖脂肪酸を供給する目的で、リンゴ酢はそれを直接的に、フラクトオリゴ糖ともち麦は短鎖脂肪酸を産生する腸内細菌の餌と言う目的で摂取しています。
この実験で気づいたのは、私には「糖質→おいしい→食べたい」と言う三段論法は、既に成り立たなくなっていると言う事です。
「糖質→おいしい」と言う事は否定しません。しかし、だからと言って食べたいかと言われるとそうでもありませんし、食べたからと言って糖質制限食とは違った満足感が得られるのかと言えば、それもありません。

さらに、実験のために計画した糖質量(100g以上の糖質量)は「頑張らないと食べられなくなっている」事にも気づきました。
1年半ほど前なら75ブドウ糖負荷試験のために事前に3日ほど150g/日の糖質は普通に食べられたのに、これは自分でも意外な発見でした。
さらに、その糖質量を摂取すると、不本意にもタンパク質や脂質の摂取が少なくなってしまう事にもなります。それは「摂取カロリーは(少し)少なくなったのに、しかし体重は(少し)増えた」と言う結果をもたらしています。

実験の第一の目的はマグネシウム不足の解消です。
腸管上皮細胞にエネルギーを与え、そこで産生される金属トランスポーターを活性化させ、マグネシウムの吸収量をアップさせるの目的です。
糖質制限以来、悩まされてきた深夜に起こる強度のこむら返りの解消のため、マグネシウムサプリ(400~800mg/日)を摂取していましたが、かなりの効果があるものの摂取量の割には効果が薄いと感じ、原因を吸収率の低下と仮定して今回の実験を始めました。
実験は功を奏して、サプリメントなしでこむら返りは1度も起きていません。すべてが腸内環境の改善によるものかどうかは分かりませんが、明らかに効果があります。
第二の目的は、耐糖能の改善です。
マグネシウムと糖尿病の関係については研究論文も多数あります。あわよくば耐糖能の改善につなげればとの思いです。
耐糖能の変化は、糖質1g当たり、2.1mg/dL→1.7mg/dLで数値的には明らかに改善しています。これはもち麦の摂取を始めたころから変化が見られます。こむら返りが改善したオリゴ糖では見られませんでした。
しかし、消化の良くないもち麦では、吸収率が悪く、明らかに多くが未消化で排泄されているように思われるので、数字ほどの効果はないと感じています。

どちらにしても、2年間の糖質制限実践(記録と効果の確認)で、私は何かを口にする時、目的と効果を意識する事が自然と身につき、だから、「おいしい→食べたい」ではなく「目的→効果」を無意識に食事の第一選択とするようになったようです。おいしいかどうかも大事ですが、糖質=おいしいと言う感覚はなくなりつつあります。
そして効果があれば、結果として体調が良くなる、体が良く動くと言うアウトカムが得られます。それが、食事の満足度につながっています。
※私が「おいしい」「満腹」と言うリアルタイムの刺激よりも、体調などの比較的長期の効果で満足感が得られるのは「記録と効果の確認」を繰り返しながらフィードバックを続けている事が影響していると思います。毎日、毎食、理科の実験を楽しんでいるような感覚と言えば理解してもらえるでしょうか。


Re: 私の糖質に対する欲求
西村 典彦 さん

コメント頂き有難うございます。

データと体調を折衷的に融合され、実験的思考で上手く健康管理をなさっているご様子で素晴らしいと思います。
要は本人の体調がよければ方法は何でもよいと思います。こむら返りにしても改善したことを良しとしておき、その理由は後からついてくることであって不確定要素で断定せずあくまでも仮説に留め解釈に変更の余地を残すスタンスで柔軟に思考を深めていくのがよいのではないかと私は思います。
No title
風邪気味などで体調が悪い時、気分が落ち込んでいる時に糖質が欲しくなります。
そんな時は我慢せずたべます。
果物も季節の変わり目で体がだるくなると、無性に食べたくなります。
糖質を取る時、制限する時、メリハリをつけないと、ただ制限するだけでは私には厳しいですね。
台風の影響で停電し電気も止まった時には、糖質制限なんて言ってられないですから。
Re: No title
ココア さん

コメント頂き有難うございます。

糖質の様々な性質が明らかにされたことは大きな進歩だと思いますが、
それが絶対悪のように捉えられるのは、これはこれでまた違うように思います。

糖質の特徴を踏まえて、それぞれの人が糖質との付き合い方をそれぞれで考える必要があると思います。