「インプット大全」書評
2019/08/15 19:05:01 |
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コメント:2件
精神科医でYouTuberで健康に関する様々な情報発信をなさっている樺沢紫苑先生の新刊、
学び効率が最大化する「インプット大全」を読了しました。
今回はこの本についての率直な感想を語ってみたいと思います。
学び効率が最大化するインプット大全 単行本(ソフトカバー) – 2019/8/3
樺沢紫苑 (著) この本の最大のメッセージは前作「アウトプット大全」に通じるもので、
「情報をインプットする際には、何かしらの形でアウトプットすることを念頭において行いましょう」
というものだと思います。即ち「アウトプット前提」のインプット、これをこの本では「AZ(AutoputtoZentei:"エーゼット"と読む)」と表現し、標語のように「AZでいこう」と述べられています。
さもないと折角得られた情報はすぐに忘れてしまうこととなり、見たつもり、聞いたつもり、読んだつもりとなってしまうというのです。これを樺沢先生は「ザル見」「ザル聞き」「ザル読み」と表現して戒めておられます。フレーズがキャッチ―で印象に残りますね。
樺沢先生によりますと私達は毎日スマホやパソコンで情報収集をしていても、AZでいないと情報吸収率は3%なのだそうです。
その根拠として、樺沢先生のセミナー等で「この1週間でネットで見たニュース、情報、ブログを制限時間1分の間で覚えている限り思い出して書き出して下さい」というワークをすると平均正解率は3~4個となるそうです。
確かに先日参加した真夏のインプット祭りで、同じワークを私も行って思い出せたのは4つだけでした。
仮に1日30分でスマホやパソコンで20個の情報をみているとすれば、1週間で少なくとも140個の情報に遭遇しているはずで、
それが4個しか思い出せないのだとすれば、4/140=0.028(約3%)、だから97%は情報が吸収されていないのだというのです。
ただここは私はちょっとトリッキーだなと思いました。仮に140個全て覚えていたとして、1分の間で全て表出するのは無理だと思いますので、正確な分母は140ではないと思います。無制限で思い出していいのであれば情報吸収率は3%よりもう少しは上がりますよね。
ですが、確かに何となく情報をインプットしていれば、情報は流れていくということは実感としてもわかります。
なのでこの本はどうすれば、情報が流れなくて済むか、AZでいくにしても具体的にどうすればよいのかについて、天才樺沢先生のノウハウが余す所なく書かれているという内容になります。
章は全部で7つに分かれ、AZの重要性について概説するチャプター1の「基本法則」に始まり、ハイレベルなインプット法について紹介するチャプター7の「応用編」で終わり、
その間は基本的なインプット法となるチャプター2の「読む」、チャプター3の「聞く」、チャプター4の「見る」、チャプター5の「インターネット活用」、そしてチャプター6の「学ぶ」という章がある構成となっています。
各章は見開き2ページから4ページで1つのインプット法が紹介されたものが10~20項目ずつ紹介されていて、かわいい挿絵も挟まれながら短時間でも読みやすく、すき間時間を利用して内容を確認することもできる使い勝手のよい本です。
内容は概ね納得できるものが多く、ただ好みもあって全ての内容が自分に当てはめられるとは限りませんが、
具体的かつ自分次第ですぐにでも実践できそうな内容がたくさんあるので、誰が読んでも必ず得るところがあるであろう良書ではないかと思います。
今回は感想として、チャプター2からチャプター6の中で私が特に印象に残った内容について紹介してみたいと思います。
チャプター2 READ
07 バランスよく読む 情報の偏りをなくす「3点読み」
(以下、引用)
バランスをとるインプット法として、「3点読み」がおすすめです。
たとえば、「糖質制限ダイエット」について知りたい場合、「糖質制限の賛成派」「糖質制限の反対派」「中立の立場で書かれた本」の3冊を読んでみます。
そうすることで、糖質制限のメリットとデメリットの両方がわかり、情報が整理され、情報の偏りを減らすことができます。
3冊読む余裕がない場合は、「2点読み」でもいいでしょう。「産生派」「反対派」の本を2冊読んでみるのが「2点読み」です。
それだけでも、その問題について長所と短所、メリット、デメリットが明確になり、正しい判断に近づけるのです。
(引用、ここまで)
私が推奨する糖質制限の話が入っていたので、つい取り上げてしまいました。
このインプット法は私もすでに意識して行っています。私は糖質制限を理解するために、また医師という立場で自信を持って糖質制限を推進するために糖質制限反対派の書籍は努めて読むようにしています。
その結果、反対派の論理に筋が通っておらず結果も伴わない主張が多いため、結果的に糖質制限賛成の立場を強くすることへとつながっているのですが、
それだけではなくて良くも悪くも、反対派の意見をきっかけにそれまでは考えなかった視点で糖質制限を捉え直すことへとつながり、結果的により深く糖質制限を理解することへとつながっています。
勿論、私はこの世に絶対正しいというものはないと思っていますので、例えば糖質制限が合わず、ベジタリアンとか玄米菜食がうまくいくという人が実在するという事実もしっかりと受け止めていますが、
全体を俯瞰すれば糖質制限を行うことで利がある人が圧倒的多数だと思いますので、私は糖質制限推進派医師の立場を取り続けています。
そのように理解の幅が広がったのも、反対派の意見を無視せずに聞き入れてこそのことだと思います。
ただこのインプット法を額面通り受け取って、いろいろな立場から本をただ読むだけというのではむしろ混乱を呼びこむリスクがあると私は思います。
バランスよく読む上での前提として必要なことは「自分の頭でよく考えること」だと私は思います。
その情報が私に当てはまるのか、実際にやってみてどうなのか、周りの実践者と比べて自分はどうなのか、理論通りなのか例外的なのか.....などなど、
.そのように自分事として情報を当てはめて検討する姿勢がなければ、バランス読みは真の意味でその良さを発揮できないと私は考える次第です。
チャプター3 LISTEN
13 最前列で聞く(効率的に効く1) 学びを最大限にする「最前列」のススメ
(以下、引用)
心理学では「適度な緊張が学習効率を最大化する」(ヤーキーズ・ドットソンの法則)ことがわかっています。
適度の緊張状態では、脳内でノルアドレナリンが分泌されます。ノルアドレナリンは、記憶力、集中力、判断力を高め、脳の作業効率、学習効率を飛躍的に高めます。
最前列で緊張感を持って受講すると、ノルアドレナリンの効果によって学習効率は最大化します。
うしろのほうでのんびりと受講している人は、ボチボチの効果しか得られないのです。
(引用、ここまで)
これも非常によくわかります。ノルアドレナリンが記憶力などを高めるのは、生物としての本能的な要因でしょう。
以前、絶食時にショウジョウバエがエピジェネティックなメカニズムで記憶力を増強させるという話を紹介したことがありますが、これもその延長線上にある話だと思います。
絶食そのものが生物として緊張を与える刺激となりうるからで、緊張状態においては今の状況をきちんと記憶していなければエサの在りかが分からなくなったり、天敵の動物に襲われるリスクが高まったりすると、そうした危険を避けようとする動物としての本能が働くからなのではないかと思います。
STAP細胞の時に学んだ「致死以下の刺激による細胞の運命転換抑制機構の解除」という言葉も思い出される話だと思います。
もう一つ、これに関連して思ったのは、最近は同じようなセミナーでも講師がその場におらず、ネット中継で別の場所にいる講師の動画だけが流れるセミナーなどもあったりします。
そうしたセミナーに参加して私も最前列に座ったりするのですが、これだと驚くほど集中力が持たず、セミナーの内容が面白くないとすぐにスマホをいじってしまう自分がいることに気付きます。
要は最前列に座ること自体が重要なのではなく、「いかにして自分に無理のないプレッシャーをかけるか」ということがコツなのではないかと感じた次第です。
チャプター4 WATCH
35 テレビを見る1 「ただの娯楽」を「貴重なインプット源」に
(以下、引用。一部抜粋。)
テレビといえば、「時間の無駄遣い」の代名詞のようにいわれますが、
1日2時間半も見られているからこそ、これを貴重なインプット源にできれば、人生を変えるインパクトがあります。
あるいは、テレビ視聴時間を減らせば、そこから膨大な自由時間が生まれます。
「ただの娯楽」「時間の浪費」のテレビ視聴を、自己成長につながる「貴重なインプット源」に変える方法をお伝えします。
(1)アウトプット前提で見る
アウトプットしないものはほとんど忘れますから、「おもしろい情報」や「気付き」があれば、必ずメモをとりましょう。
(2)ネタを集める
テレビはネタの宝庫です。テレビのスタッフが必死に集めた最近の流行やトレンドを、無料で教えてもらえる。実はすごいことです。
情報発信をしていない人でも、普段の「雑談のネタ」として記録しておけば、「話題豊富なおもしろい人」として好感度がアップします。
「おもしろいネタ」はコミュニケーションの潤滑剤です。
(3)マーケティングに役立てる
テレビは、「大衆」「みんな」「多くの人」を対象にしているので、「大衆の心理」に近付くことができます。
個人、あるいは会社で1000人のアンケートを集めるにはものすごい時間とコストがかかりますが、
テレビではそうした貴重な情報が無料で流れています。マーケティングに役立てない手はありません。
(引用、ここまで)
私も生粋のテレビっ子で休みの日などはダラダラとテレビやYouTubeを見て過ごす経験も多く、
その都度、休みが終わる頃にはなんと無駄な時間を過ごしてしまったんだと自己嫌悪に陥り、それでもその楽な感じに魅せられて同じ行動を繰り返してしまっている所があります。
なるほどメモを取りながらテレビを見るということは今までしていませんでした。たとえみている番組がお笑いやバラエティ番組だったとしても、
「上手い!」と思った面白い言い回しや、別に何かに役に立つわけではないけれどトリビア的な情報も、メモをしておけば記憶に残って誰かと話す時のコミュニケーションには役立つかもしれません。
ただ一方で何も考えずに見るという行為には「楽」「リラックス」という側面もあります。
「AZ」は確かに人生の時間を有意義にするのですが、アウトプットにつなげる作業は言ってみれば「疲れる」行為です。
疲れは交感神経を刺激し、繰り返されれば過緊張状態を生み、それこそ病気の元となります。
あくまでも自分の身体に余裕がある時にAZに取り組み、そうでない時は軽いAZで済ませたり、今はしっかりと身体を休ませることに集中する時間だと割り切ってテレビを純粋に楽しむというのもアリではないかと私は思います。
勿論、そうするとスーパーマンにはなれないかもしれませんが、スーパーマンでなくても健康であってこその人生だと私は思いますので、
密度の濃いアウトプットと軽いアウトプットを使い分けながら、余裕を持って生きていきたいものです。
チャプター5 INTERNET
56 制限する スマホやSNSは「1日1時間以内」が理想
(以下、引用。一部抜粋。)
SNSやスマホを長時間使うほど、集中力は低下し、注意散漫となり、仕事効率や学力も下がり、幸福度も下がります。
ミシガン大学の研究によると、Facebookの利用時間が長いほど主観的幸福感が低下することが明らかになりました。
孤独感を紛らわすためにSNSを利用する人は多いでしょうが、SNSの利用時間が長いほど、孤独感、抑うつは強まるのです。
ピッツバーグ大学の研究では、SNSの利用頻度が高ければ高いほどうつ病になりやすい。利用時間が短い人と比べ、利用時間の長い人がうつ病になるリスクは2.7倍高まる、という結果が出ました。
では何時間くらいならいいのかというと、「1日1時間以下」が推奨されます。
SNSやスマホはダラダラと使わない。きちんと時間を制限して使わないと、確実に脳のパフォーマンスを下げるのです。
(引用、ここまで)
これもまた耳の痛い話です。私も従来のブログ、Facebookに加え、TwitterやYouTubeにも手を出すようになりました。
勿論そこにはクリニックの開業という確固たる目的意識があることが影響しているわけですが、それにしてもこれらを扱う事によって無限に時間が奪われてしまう感覚があり困っておりました。
1時間以内というのは今の私の生活スタイルからは到底遵守し難い制限です。しかし一方で樺沢先生は私より遥かに多く情報発信しているにも関わらず1日のSNS利用時間は30分程度なのだそうです。
当たり前のようではありますが、おそらく「ダラダラ使う」ことがよくないのだと思いました。
受動的にSNSを使うのではなく、能動的にSNSを利用して情報やつながりを取りに行くスタンスであれば、同じSNSを長時間利用したとしても脳のパフォーマンスが低下することにはならないのではないでしょうか。
問題はSNSというのが、そのように意識していないとすぐダラダラへと陥りやすいツールだということだと思います。
どんなツールも使う側の意識によって宝にも毒にもなるということを改めて教えられました。
1日1時間…、厳しそうですが、まずは重要情報をメモしながら利用するという所から始めたいと思います。
チャプター6 LEARN
64 病気から学ぶ 病気は気付きを与えてくれる「警告サイン」
(以下、引用)
病気になったときにすべきことは、自分や他人を責めるのではなく、病気を受け入れること。
そして、「なぜ病気になったのか?」という問題と向き合い、自分なりの答えを出す。つまり、「病気から学ぶ」ことです。
病気は、身体が私たちに発している「警告サイン」です。「身体や心が疲れています。これ以上無理して働くと、倒れますよ。身体が壊れる寸前ですよ」と気付かせ、
大事に至らないようにするために、さまざまな症状を「警告サイン」として出すのです。
(引用、ここまで)
これは私も同意見です。そしてこれこそが私がオンラインクリニック開業を通じて患者へ伝えようとしていることの核になります。
「なぜ病気になったのか」という原因を自分の生活習慣や心の在り方に求め、それに気付けない患者さんに気付くきっかけを与え、どうすれば病気の状態でなくなるのかを一緒に考えることによって、最終的に病気からの卒業を目指す診療を私は展開しようとしています。
樺沢先生の見解に私の見解を付け加えるとすれば、私は病気は「警告サイン」でありながら「今の歪んだ状態を必死に是正しようと身体が奮闘していることの現れ」だとも思っています。
まずは何にせよ、歪んでいることを教えてくれている身体と身体が起こしている症状に感謝することです。そう思うのと思わないのとではその後に起こって来る身体反応が全く変わってきます。
症状を完膚なきまで叩き潰すべき敵だと捉えないことです。病気をいるべきでない不本意な状態だと思わないことです。
症状、病気がなぜ起こっているのかという身体の真意に気付いた時、「病気」と呼ばれる状態にいる自分を丸ごと受け入れることができ、
そしてそれが心底納得できた時に、不思議なことに「病気」と呼ばれる状態から開放されているというのが、私が描く患者さんが病気から卒業するためのサクセスストーリーです。
いずれにしても病気から教わることは多々あります。病気を経験しているからこそ他人に優しくなれるということもあります。
世界の見え方をネガティブからポジティブに変換させるのに病気は格好のきっかけになると私は考える次第です。
いかがでしたでしょうか。
今回少し長めのブログ記事になってしまいましたが、これでもインプット大全のごく一部しか紹介できていませんが、
全体を通じて、樺沢先生の人生経験に基づく豊富な実績がこの本に強烈な説得力をもたらしているように私は感じました。
このインプット大全には、知らず知らずのうちに人生の時間を無駄にしてしまっている全ての人達の人生を再び有意義なものにしてくれる力があると私は思います。
ちなみに私、前作、アウトプット大全は流し読みしてしまっておりましたが、こちらも改めてゆっくり読み直してみたい気になりました。
皆様も是非手にとってみられてはいかがでしょうか。
たがしゅう
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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コメント
糖質制限の是非について
糖質制限で上手くいく人と行かない人
と言う分類があり、その理由が科学的根拠を持って説明されていない事が議論が決着しない理由の一つと思っています。決着するものかも分かりません。
そもそも「上手くいく人」「上手くいかない人」と言う抽象的な表現も科学的ではありません。
どうなれば上手く行った事になるのか、どうだったら上手くいかなかったのか。それは糖質制限以外の方法と比べてどっちがより上手くいく確率が高いのか、どっちがリスクが少ないのか。万人にとって100%良い方法も100%ダメな方法も存在しないはずです。リスク アンド ベネフィットです。
このような事が当事者である我々、糖尿病患者に伝わってきません。当事者に結果をもたらさない議論は何のための議論かと考えさせられます。
当事者不在の議論がされているように感じるのは、私の知識不足でしょうか。
Re: 糖質制限の是非について
コメント頂き有難うございます。
> 糖質制限で上手くいく人と行かない人
> と言う分類があり、その理由が科学的根拠を持って説明されていない事が議論が決着しない理由の一つと思っています。決着するものかも分かりません。
「うまくいく人」「うまくいかない人」の分け方はあくまで主観的なものです。ここに科学的根拠が入らないのはある意味で仕方のない話です。
人は自分の価値観(主観)という色眼鏡をかけて世の中を眺めています。
例えばある人にとっては血糖値が食事によって全く上がらないことが「うまくいっている」の基準であって、その人が「血糖値を上げる糖質を除けば血糖値は上がらない」という科学的根拠のある理屈を持ち出して、少なくともその人の中で「うまくいく」状態を科学的根拠を持って実現できていたとしても、別の「血糖値は変動していなければならない」とか「糖質は人体に必要不可欠」という価値観で世の中を眺めている人にとってはその現象が「うまくいっていない」と見えてしまうわけです。
従って「うまくいく」「うまくいかない」は個人の中で判断されるべきでその判断に科学的根拠を利用するのは意義のあることですが、科学的根拠があったからといって「うまくいく」のか「うまくいかない」のかの全体判断に結論をつけることは難しいと私は思います。今のところ科学が扱えるのはもっと狭いレベルの話だというのが現時点での私の認識です。
> 当事者不在の議論がされているように感じる
そこは情報の受けとめ方の問題だと思います。
「うまくいくかどうか」は上述のように主観的な問題なので、非常に当事者的な話です。
ですが、あくまでもその発言者にとっての当事者的内容であることが多いので、その発言が自分にもリンクすると受け止められれば自分にとっても当事者的に感じるでしょうし、逆に自分とリンクしない、あるいは到底受け入れられないような内容だとどこか当事者不在的に感じられる、ということではないかと私は思います。
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