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糖質制限実践者が語る糖質摂取のメリット

category - 糖質制限
2019/ 01/ 19
                 
私は糖質制限推進派を公言している医師ですが、

本日はそんな私があえて糖質の良い所について考えてみようと思います。

糖質のよいところ、真っ先に思いつくのは、「多幸感を与えて人生のモチベーションを上げること」です。

とあるアイスクリーム屋さんの前を通っていると、若い女性のお客さんが友達と楽しそうに語り合いながら列に並んで待っている姿をみかけることがあります。

ちゃんとした疫学調査でみたわけではありませんが、実感として女性には甘いものが好きな人が多いということがあると思います。

女性達がとても嬉しそうに甘いものを食べている姿をみていると、

このこと自体を間違った行為だと考えるのはさすがにやりすぎのようにも思うのです。
            

糖質を摂取すると血糖値が上昇し、それに連動する形で脳内のドーパミン神経が刺激され、

側坐核と呼ばれる部位を中心に脳の報酬系と呼ばれる回路が分泌されたドーパミンによって回されることがわかっています。

このシステムは必ずしも糖質によってだけ引き起こされるわけではなく、

アルコールとか、ニコチンとか、覚醒剤とか、脳血液関門というバリアを通過する物質であれば何者でも起こしうる可能性があるわけですが、

ともあれ、糖質の過剰摂取によってもこの報酬系が刺激されるシステムが固定化されてしまっているのが厳然たる事実であるわけですから、

これは結果的に人生に彩を与える一種のモチベーターとなっている側面があるというわけです。

勿論、その側面が肯定され過ぎると、アルコール中毒、ニコチン中毒、覚醒剤中毒の状況を彷彿とさせる糖質中毒とつながってしまうわけですので、

アルコールと適切に付き合うことで社会の中では肯定的に解釈されているのと同様に、

糖質摂取に伴う、あの一過性のドーパミン分泌による報酬系刺激も、

糖質制限の理論や実体験を知った上で、時にはその幸福感に身を任せて明日への活力にするという選択肢はあってもいいのではないかと、

嬉しそうにアイスを食べる女性の笑顔をみていて私は思ってしまいます。


もう一つの糖質摂取によるメリットは、

糖質というよりも食物繊維と結合した炭水化物のメリットとした方が正確かもしれませんが、

一部の腸内細菌に好影響を与え、適切な生理活性物質を獲得できる可能性がある」ということです。

食物繊維が腸内細菌のエサになるということはよく知られている事実ですが、

炭水化物として糖質を摂取する場合に、ものによっては漢方薬でみられるような配糖体という物質が入っていることがあります。

配糖体というのは何かしらの物質に糖が配合(糖鎖修飾)された物質のことを言いますが、

この配糖体の状態で腸内細菌のいる腸管ゾーンに食べ物として送り込まれた場合には、

配糖体の糖を利用することができる資化菌と呼ばれる腸内細菌が糖を食べ、その結果残った何らかの物質が生理活性作用を持っている時に、

身体は糖のダメージを受けずに済むばかりか、糖が外されてできた生理活性物質の好影響を受けて体調が良くなるという現象が起こりうるということになります。

漢方薬で症状が改善するメカニズムの一部はこれですし、

個人的には炭水化物食べまくりだけで100歳超えて元気で長生きという百寿者の方々のメカニズムにも一部これが関わっているのではないかと推測しています。

こういう人にとってはむしろ糖質制限するよりも糖質摂取しておいた方がよいという状況がありうるということです。

こういうイレギュラーな事態にも対応できるようにするためには、やはり「体調」をベースに健康の在り方を考えるのが、

間違いがなくてよいと私は思います。


自分の理論が絶対的に正しいと思い込むばかりではなく、

時には立場を逆転させて物事を考えるということも、

新たな視点を与えてくれて、思考の幅が広がるように私は思います。



たがしゅう

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コメント

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とても興味深いテーマだと思います。今後、腸内細菌の研究や、ストレスコントロールの研究が進み、「少量の動物性たんぱく質に、未精製穀物や雑穀、野菜中心の食事と、明るい気分を保つスキルを身につけた元気な100歳」が増えれば食糧問題も解決?とか思います。最近丁寧に先生が語られる体調の重要性とも関連してると思います。
Re: タイトルなし
T さん

コメント頂き有難うございます。

> 「少量の動物性たんぱく質に、未精製穀物や雑穀、野菜中心の食事と、明るい気分を保つスキルを身につけた元気な100歳」

増えてほしいですね。そうなると年をとることにもポジティブになれる気がします。
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