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書くことの持つ癒し効果
前回紹介した部分以外にもためになる内容が盛りだくさんだったので、
引き続き私が勉強になった部分をシェアさせて頂きたいと思います。
今回紹介するのは「話す」とか「書く」といったアウトプットそのものに癒しの効果があるという部分です。
本の中ではイソップ童話の「王様の耳はロバの耳」という作品の中で、
王様の秘密を知ってしまった床屋が、厳しく口止めされていたストレスから、我慢に我慢を重ねた末に、
井戸に向かって秘密を叫んだら、国中にその話が伝わってしまったけれど、本人は非常にすっきりとしたという例について紹介されていました。
つまり、誰かに表現するということが本人の抱える苦しみを緩和してくれるということなのです。
興味深いことに樺沢先生は、この童話での井戸に向かって叫んで国中に知れ渡るという行動が、現代のツイッターに相当するということを指摘され、
ツイッターでつぶやくことにも同様の癒し効果があるとおっしゃいます。
確かにツイッターでつぶやけば国中どころか、世界中に瞬時に拡散されるわけです。
私も最近ツイッターを始めたので、そのことは実感を持って理解することができます。
ツイッターには小さな思いつきを忘れないうちに形にするという覚書的な側面や、
自分の思いを140字以内という制約の中でいかに過不足なく表現するかという表現能力向上訓練的な側面があるとは感じていましたが、
アウトプットすることでの癒し効果というのは、この指摘ではじめて気が付かされ、「確かにその通りだ」と思いました。
ツイッターでつぶやいて、すぐさま何らかのリアクションがあったりすると、すっきりする感じは確かにあります。
私はブログ活動を通じて、文章を書くということ自体には慣れてきた身ではありますが、
ツイッターだとそこまで文章を書くことが得意ではない人にとっても、気軽に挑戦できるし、実名ではなくてもいいし、
日頃のストレスマネジメントとしても有効であるのであれば、一つのツールとして活用してもよいのではないかと思いました。
ただ、文章を書くことに慣れてきているのであればということで、
もう少し深い癒しを求められる方法として樺沢先生が薦められているのが「日記を書く」という行為です。
この日記を書くというのは、精神医学での心理療法の一つ「日記療法」というれっきとした治療行為でして、
不安障害、うつ病、アルコール依存症、薬物依存症などの精神疾患に適応がある、自己洞察のための有益な方法として利用されています。糖質依存症にも応用できるかもしれませんね。
患者さんは、自分の行動や気持ちを日記に書き綴ることで、自分自身を見つめなおすことができます。
その内容について医師とクロストークすることで、さらに自己洞察や内省を深められていき、ひいては心の中にあったわだかまりを吐き出すことができてすっきりするのだそうです。
私もブログという形で日記を書くようなことを長年続けているわけですが、
ブログを書くことによって得られた最大の利益は、自分の思考の樹が育ち、周囲からの様々な妨害やノイズに揺さぶられなくなったという点であると感じています。
ということは精神的に成熟し、安定したと言い換えることもできるので、確かに現在私の中に心のわだかまりは以前に比べて少なくなっているかもしれません。
ただ長い文章を毎日書き続けるという行為はなかなかハードルが高いということは樺沢先生も承知しておられるようで、
その上で万人に日記書きの利益を享受してもらうためにおすすめなのが、「3行ポジティブ日記」だとおっしゃいます。
これは、一日の最後、寝る前に「今日楽しかったことを1行でもいいから3つ書く」というワークです。
例えばの例として次のような3つが紹介されています。
①ランチで、最近オープンしたカレー屋に行った。期待以上においしかった。
②明日締め切りの書籍を、今日のうちに完成電気ショックを止めるいた!
③転属した高橋と居酒屋に行った。久しぶりに会えてよかった。
それぞれ1行ずつ、合計3行。慣れると1~2分でできるようになるそうです。
「そんなには毎日思いつかない」という方でも、なんとか絞り出してもらうとよいのだそうです。例えば、
①青空が気持ちよかった
②定時に出社できた
③トラブルなく1日過ごせた
というようなことでもいいので、とにかく自分の1日を内省し、アウトプットするのです。
そしてこれを続けることによって、以下に述べる様々な効能が得られるというのが樺沢先生の見解です。
1.ポジティブ思考が強化される
2.自己洞察能力、内省能力が高まる
3.表現による「癒し」の効果、ストレスが発散される
4.「楽しい」「幸せ」を発見する能力が高まる
5.人生が楽しく、毎日が幸せになる
そんなことで本当に何か変わるのかと疑わしい人も「継続は力なり」でして、
1週間続けると楽しくなり、1か月続ければ圧倒的効果を実感できるのだそうです。
読者の皆様も是非、参考になさってみてはいかがでしょうか。
書くという行為の奥深さを知ることができれば、
書くこと自体の楽しさが高まっていきそうですね。
そんな風に感じてまた私もブログ熱が再浮上し始めているところです。
たがしゅう
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