2018年を振り返る
2018/12/31 00:00:01 |
自分のこと |
コメント:10件
2018年も最後の日となりました。
たがしゅうブログは今年二度目となる不定期更新化という節目を経て、
私の構想は次のステージへと進みつつあります。
本日はこれから私が成し遂げようとしていることについて、
その概要を皆さんに公開することでこの年を締めくくる記事とさせて頂きたいと思います。 今年一年のたがしゅうブログ活動を経て私が得た収獲は次の二つに集約されます。
ひとつは「主体的医療」の重要性に気付いたこと、もう一つは「哲学カフェ」というフォーマットを知ることができたことです。
両者は「主体性」という点で密接に関わるのですが、なぜこのキーワードに注目したのかについて説明します。
まず、そもそも糖質制限による病状の改善効果は他の追随を許さない圧倒的なものでした。
血糖値、肥満がよくなるだけでなく、中性脂肪が正常化したり、アレルギー性疾患が緩和したり、
皮膚や歯の状態がよくなったり、精神面が安定したり、逆流性食道炎や尋常性乾癬、多嚢胞性卵巣症候群が良くなったりと、
その多面的な治療効果を私は自分の身体でも感じましたし、自分の患者に勧めることでも確認することができました。
だから私の中で糖質制限の治療効果の凄さは疑う余地はなかったし、反対論文などが出てもきちんと検証することでほとんど全てに穴や誤解があるという事実に気付くことができたし、
どんな権威や有名人が糖質制限を批判しようと、自分の中で全くブレない存在になっていることが感じられるようになりました。
また糖質制限を実践し続けて、自分の体重減少が途中で止まり、そのまま横ばいで推移するという事実、
そしてやせ型の人が糖質制限を実践すると一旦余分な内臓脂肪が抜けた後、緩やかに体重が増加していくという事実を知るにつれ、
糖質制限が減量法ではなく、「代謝の正常化」法だという解釈にもたどり着きました。
ところが一方で、そのやせ型体質の人で糖質制限にまつわり、耐糖能悪化とか、糖質酔いとか、Low T3症候群などといったトラブルに見舞われる人が多いという事実や、
やせ型でなくても本当は糖質を摂りたいのを我慢していたり、自分の体調に目を向けず権威的な指導者の言うことに依存していたりする思考の人に糖質制限に失敗する人が多いという事実があることにも気付きました。
これらの事実を総合したところ、糖質制限による圧倒的な治療効果を得るためには、
糖質制限を知った後、自らで学び、自らが納得し、自らが選択し、自らの手で軌道修正をするという「主体性」が必要である、という見解にたどり着いたのです。
別の言い方をすれば、自己問題解決能力がないままに糖質制限に手を出せば、
やれエビデンスがないだとか、従来栄養学的にバランスがおかしいだとか、日本文化に合わないだとか、中毒性の問題だとか、権威とか既得権益とか、
世の中の大きな流れに飲まれて、糖質制限を続けがたい状況に追い込まれて、人によっては大きなストレスがもたらされるが故に、
糖質制限の継続に失敗したり、糖質制限によりストレス性の有害病態に巻き込まれたりするという構造があることがわかりました。
ということは、糖質制限による治療効果を最大にして、有害事象を最小にするためには、
自らが糖質制限を選ぶという主体性が必要な医療へと患者さんを導く必要があるということになります。これが「主体的医療」の構想の発端です。
ところがそういう目で世の中を眺めてみると、
今の医療は西洋医学中心型のエビデンスという後ろ盾があるものしか提供されず、それ以外のものは異端視されるシステムが定着し切っているという事実に直面します。
さらに糖質制限に至ってはエビデンスがあるにも関わらず異端視がされてるし、そのエビデンスがあるという治療にも例えばスタチンとか抗がん剤治療のエビデンスは非常に歪んでいて、
ものすごく小さな効果をものすごく大きく見せていたり、その背景にある無数の副作用についてはあってもなかったものとして処理されて、表面上は立派なエビデンスとして表現されていたりして、
もはやそのエビデンスというものでさえぐらついていて、ぐらついているにも関わらず科学というそれまでに絶対的な実績を残してきた概念を拡大解釈し、さらに複雑化した社会構造によりそのシステムが強固に維持されているということが理解されてきました。
そうした状況をもとにして、名ばかりのインフォームドコンセント、ほぼ西洋医学的治療の一択しか提供されなくする国民皆保険制度に基づく保険医療、超高齢化社会を迎え薄利多売的に患者へ短時間診察を提供しない限り成立しなくなった病院経営、
さらには当ブログでしばしば問題にする、人々の中に深く根付く「お医者様にお任せします」「素人だからわかりません」という考え方。
それらの全てが国民から医療の主体性を奪う変え難い存在として立ちはだかっている状況にあるということに気付いたのです。
そしてもう一つは目に見えないストレスの問題です。
糖質制限のみならず、今の医療はストレスマネジメント、即ち心の在り方に対してのアプローチに無頓着すぎるということです。
頼みの精神科でさえ、前述の医療社会構造により短時間多剤薬剤処方が繰り返される体たらくで、長く時間をかけて精神・心理療法に取り組み病気を克服させようとしてくれる医師は私の認識している限り極めて稀な存在です。
すでに精神・心理療法ではもはや解決できないレベルまでこじれてしまっている例も多々見受けられます。受動的に現代医療に身を委ねた結果、主体性をどんどん失い、自己問題解決能力の喪失が不可逆的になってしまった現代医療の被害者という見方もできるかもしれません。
だからストレスマネジメントの方法を教えようにも誰も教えてくれず、運良くその指導を受けられた人も、多剤向精神薬処方をはじめ主体性を奪われる方向へと導かれてしまう状況にあることがわかったのです。
これでは患者が主体性を発揮しようにも発揮できるはずもありません。
そして、糖質制限にしても、ストレスマネジメントにしても、
自らが行動しない限りその恩恵は受けられないということ、
逆に言えば、自らが食事とストレスの問題をコントロールできるようになれば、
糖質制限によってもたらされる圧倒的な治療効果をものにして、あらゆる難病を克服できる道筋が立つ、即ち対症療法ではなく根治療法が目指せる医療が展開できるのではないかと気付いたのです。
この状況を踏まえて、患者の主体性を守る医療を展開するには、新たな場所が必要だと考えました。
保険医療制度に縛られず、ゆっくりと診察に時間を取ることができて、決して押し付けず患者さんが利用したい時だけ利用し、離れたい時にはいつでも離れられる診療スタイル…。
私は自由診療のオンライン専門クリニックを開業することを決意しました。
こうすることで全国どこにいても、患者さんが主体的に行動さえすれば、
私の提供する従来の西洋医学中心型とは違う医療を受けるかどうかを選択することができるようになります。
残念ながら「お医者様にお任せします」「素人だからわかりません」という観念が頭から離れない人に対しては、
遠隔なので、触ることもできませんし、検査もロクにできませんから、従来型より満足度の高い医療を提供することはできませんが、
その代わり、自分でなんとかしたいと思っているけれど、その方法がわからずに困っているという人に対しては、
心と体の両面から具体的なアドバイスを送ることができるかもしれません。
それにより自らの行動、心の在り方を変えてもらうことによって病気を根治に導くことができるようになるかもしれません。
そしてもはや自分では行動を変えられないほど病態がこじれてしまった人に対しても、
漢方やホメオパシーといった治療体系を用いて力になることができるかもしれません。
うまくいくかどうかわかりませんが、
私はこのオンライン診療専門クリニックの立ち上げに可能性を強く感じますので、
失敗を恐れず、これを実現させることを来年の目標としたいと思います。
そのプロセスの中で、オンライン診療で何ができるのか、だとか、
どのようにすればオンライン診療で患者の潜在ニーズを満たすことができるのか、
読者の皆様からも色々とお知恵を拝借しながら一緒に考えていければ嬉しく思います。
それでは皆様、良いお年をお迎えください。
来年もまた宜しくお願い申し上げます。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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コメント
すごく楽しみです。
Re: すごく楽しみです。
応援コメント頂き有難うございます。
糖質制限のおかげで行き着いた構想です。
険しい道かもしれませんが、是非とも具現化させていきたいと思います。
新たな挑戦
新年は新たな挑戦が始まりますね。
たがしゅうさんの試みが、従来医療の転換点となることを心から期待しています。
Re: 新たな挑戦
コメント頂き有難うございます。
こちらこそ大変お世話になりました。
ここまで挑戦心が高まったのは生まれて初めてかもしれません。
他人から言われたことだとこうまではならなかったと思います。
最初から無理だと決めつけず、少しずつでも着実に道を切り開いていきたいと思います。
先生の新たなチャレンジと、先日ご紹介いただいたモデラートさんの事業が、着実に長く発展することが、日本の医療や、多くの人の生き方を変えると強く強く強く思います。微力ながら全力で応援いたしております。
Re: タイトルなし
応援コメント頂き有難うございます。
微力ながらお力になれていること、率直に嬉しく思います。
こうしたコメントを頂けることで私は貢献感を確かに感じられ、幸せを噛みしめることができるようになります。お互いにWin-Winの関係でいられて嬉しいですね。
これからも新しいチャレンジに邁進して参ります。できれば引き続き応援の程宜しくお願い申し上げます。
No title
おかげで、過去の常識に捕らわれず、
柔軟な考え方が出来る様になったと思います。
良いきっかけをありがとうございました。
今後も、先生のご活躍を応援しております。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
お役に立てて嬉しいです。貢献できて幸せです。
今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。
No title
混合はたしか違反になりますよね?
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
保険医をやめるわけではありません。
自分のクリニックで自由診療、非常勤のバイト先で保険診療、という形で維持しようと思っています。
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