妥協と共存
2018/09/23 00:00:01 |
ふと思った事 |
コメント:7件
私は糖質制限推進派医師として思います。
理想的には人類皆糖質制限、1日1食ベースにすれば、
食糧問題も解決し、誰もが健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるようになるのではないかと思っていますが、
その修正を行うには世の中のシステムが複雑になり過ぎてしまったと思っています。
世の中の食品産業の大半は炭水化物主体のものが主力商品ですし、
1日3食食べなければならないという文化的価値観も人々の中で相当強固に根付いています。 それ以外にも畜産、給食、教育、研究、金融、流通…、
ちょっと考えるだけでももしも理想が実現すれば様々な分野に壊滅的変化がもたらされてしまうであろうことは容易に想像がつきます。
だからいくら理想が良いものであろうとも、
それをそのまま持ち込むことは決して現実的ではないと私は考えています。
なので、実際には既存の社会システムといかに上手に共存させていくかということを考えるのが現実的ではないでしょうか。
ところがこの「共存」という言葉、一見聞こえはいいですが、
見方を変えれば「妥協」、すなわち変えたいのはやまやまだけど、それが無理だからある程度の所で我慢しているだけじゃないかと、
そんな風に思われても不思議ではないかもしれません。
しかしこの「共存」と「妥協」、目の前で起こっている現象としては同じであっても、
この先に向かっていく方向性という点ではむしろ真逆の言葉ではないかと思います。
「共存」は状況を鑑みながら未知の世界へともに歩んでいく姿勢、
「妥協」は変わることを諦めてある程度のところで流れに身を任せる姿勢、
即ち「主体的な立ち止まり」か「受動的な立ち止まり」かの違いです。
少なくとも、「共存」「妥協」という言葉を発する人の中にはそうした意志力があるのではないかと私は思います。
目の前に変えがたい複雑な社会システムが立ちはだかっていて、
現実的に何も変えられない膠着状態がたとえどれだけ続いたとしても、
いつか変えたい、変えていくことを心から望むという気持ちを持っていれば、
事態はある時急に動き出すということもあると思います。
しかし受動的な「妥協」の気持ちで膠着状態に身を置いていれば、
事態が変化しても気付くことなく、そのままの膠着状態で時を過ごしてしまいそうです。
たとえ社会がなかなかに変えがたい相手であったとしても、
来るべき事態を変えるチャンスを見逃すことのないように、
私は社会と「共存」して生きていきたいと思います。
たがしゅう
プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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コメント
仕事で少し悩んでいただけに、今回のテーマ、背中を押していただいたように思います。ありがとうございました。
Re: タイトルなし
コメント頂き有難うございます。
変わらないものの中で変えられないジレンマを抱えるとストレスになりますからね。
変えられる所に注目する、もしくは今変わらないことを受け入れながら静かに好機を待つという姿勢であればストレスマネジメントになるのではないかと思います。
No title
農耕が始まり、糖質中心、
持続しないブドウ糖エネルギーに依存する習慣が、
必然的に、1日3食の習慣を生み出したのでしょうね。
糖質制限食、ケトン体エネルギーになれば、
1日3食も要らないのでしょう。
人間は集団で生きていく事で進化する動物です。
生きている時代の社会に対して、主体性は失わない。
しかし、柔軟な「共存」も失わない。
こうして、ますます進化していくのしょうね。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
御指摘の通りだと思います。
おそらく農耕技術が生み出されていなければ、今でも1日3食の食習慣は一般化していなかったであろうと私は想像します。
私は糖質制限実践後の食欲の変化からそれを学んだように思います。
成分献血と血糖値
記事のコメントでなく恐縮です。
ふとした素人疑問です、+
(もしブログですでに記載などあればすみません)
成分献血したさい、
スタッフの方が言われるには
「この薄め液は血液が詰まらないように混ぜます。そしてその後血液とともに体内に戻ります」とのこと。
その「うすめ液」に目をやると、「ぶとう糖」100CCに9g、含有と記載されていました。
120CCほど減っているということは少なくとも9gブドウ糖が
体内に戻ってるということでしょうか???
スタッフの方に聞きそびれてしまい、、、
まったくの勘違いでしたら、申し訳ありません。
コメント頂ければ幸いです。
Re: 成分献血と血糖値
御質問頂き有難うございます。
> 「うすめ液」に目をやると、「ぶとう糖」100CCに9g、含有と記載されていました。
> 120CCほど減っているということは少なくとも9gブドウ糖が
> 体内に戻ってるということでしょうか???
成分献血の際のうすめ液中にブドウ糖に関して私は情報を持ち合わせておりませんでした。
しかし調べてみますと、御指摘のように成分献血中に用いる血液保存液(ACD-A液)にはブドウ糖が含まれており、これは成分献血をした結果得られる血小板製剤及び新鮮凍結血漿内に含まれているようです。
従って、減った血液保存液120cc中のブドウ糖10.8gは、①血小板製剤内、②新鮮凍結血漿製剤内、③自分の身体(返血)の3つに分かれて入っていくことになるので、少なくともすべてが自分の体内に戻ってくるわけではないとは思います。ただ赤血球や白血球が返血される際にどの程度の割合でその血液保存液が混ざってくるのかに関して残念ながら私にはわかりません。
ありがとうございます!
献血に際して考えてもみなかったことでした。
次回、機会があればこっそり血糖値もはかろうかとも思います。
余談ですが、比較的体に負担がかからないという成分献血。でも翌日は疲れやすく朝は起きにくいし、夜はやけに体がだるかったです。。
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