「信じる」には二つある
2018/09/05 00:00:01 |
主体的医療 |
コメント:4件
「信じるか、信じないか」ベースの考え方は、主体性の少ない考え方です。
なぜならばそこに自分の考えというものはなく、全ての判断を他人に委ねているからです。
ここでいう「信じる」という言葉の意味は、「鵜呑みにする」ということを指しています。
私はいかなる相手でも、たとえ超一流大学の最優秀研究者であっても、自らを救ってくれた恩師であっても、
「鵜呑みにする」という意味の「信じる」ことをしてはならないと思っています。
しかしながら、「信じる」という言葉にはもう一つの意味があります。 それは「信頼する」という意味です。
「鵜呑みにする」というのがネガティブな「信じる」だとすれば、こちらはポジティブな「信じる」ということになるでしょう。
こちらの「信じる」は大いにすべきだと私は考えています。
これはアドラー心理学が教える幸せのサイクル、「自己受容」→「他者信頼」→「他者貢献」にも通じる大切な要素です。
ここで、自分にとって都合のよいことを言ってくれる人のことを「信頼する」のは容易なことです。
しかし難しいのは自分が苦手な人、自分が見向きもしたくないという人のことを「信頼する」ことです。
そんな人を信頼しないといけないのかという意見もあるかもしれません。
けれど100%の悪人というのは、この世に存在しないと私は思っています。それは100%の善人が存在しないのと同様です。
ということは、その自分が苦手な人の中にも善の部分は必ずあるはずです。仮にそれが見えなくとも、自分に見えていないだけの可能性までは否定できません。
その自分が見つめることができない相手の信頼に足る部分を含めて「信頼する」ということが人類愛につながり、これが理想形となるわけです。
だから苦手な人の信頼すべき良い部分を見つめるという人為を加える努力は必要だと私は思っています。
そして信頼するためには自分の考えをしっかりと持っておくことが重要です。
自分の考えがなければ、その「信頼する」はたちまち悪い方の「信じる」、すなわち「鵜呑みにする」に変化してしまうはずです。
「主体的に信じる」=「信頼する」
「受動的に信じる」=「鵜呑みにする」
良い方の「信じる」を実践するためには、
相手の良いところを認め、協力し合い、少なくともかち合わないようにするためには、
やはり「主体性」が不可欠だと私は思います。
たがしゅう
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プロフィール
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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コメント
No title
>けれど100%の悪人というのは、この世に存在しないと私は思っています。それは100%の善人が存在しないのと同様です。
作家でクリスチャンである遠藤周作氏も同じことを著書の中で言っています。
私には理解の範囲を超えてますが、苦手な人の中にも学ぶべき所があるのは実生活でも体験します。
主体性がないと相手の言うことを盲目的に信じて結果が悪いと相手のせいにする。そんな人にならないように気をつけます。
沢山の気づきを与えてくださってありがとうございます。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
また過分な御評価を頂き恐縮です。
主体的に動きさえすれば、人生いろいろなので辛いこともたくさんありますが、少なくとも自分の進みたい道へと進むことはできると思います。たとえ他人にどれだけ後ろ指をさされようとも、です。
我以外みな、我が師
100%悪い人はいない。
一部だけ見て、よいも悪いも判断できませんね。学ぶべきところはたくさんあると思います。
鵜呑みのことは本当に同感です。
よく噛まないで飲み込んだら、消化不良で吸収できず、便秘か下痢ですw
栄養素をきちんと消化して腸内で発酵させてエネルギーにしたかったら、
良く噛んで(自分の頭で考えて)、
食物繊維と一緒に食べて(組み合わせて)、
pHを調整すればよいそうです。
同じことが言えそうですね(^^)
Re: 我以外みな、我が師
コメント頂き有難うございます。
> 栄養素をきちんと消化して腸内で発酵させてエネルギーにしたかったら、
> 良く噛んで(自分の頭で考えて)、
> 食物繊維と一緒に食べて(組み合わせて)、
> pHを調整すればよいそうです。
共通構造に注目する発想はとても大切ですね。
自分の持っているポテンシャルを最大限に発揮するために、自分の頭で考えて、選択肢を組み合わせていけば、人生の荒波を乗り越えていける、ということなのかもしれません。
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