「自分にできること」を明確にする

2018/08/13 07:10:01 | ふと思った事 | コメント:2件

コミュニケーションは何をするにも重要であることは言うまでもありませんが、

自分が何かをしてほしいという場合には、逆に相手がしてほしいことを自分から積極的に行うことが基本であるように私は思います。

いわゆる「ギブ&テイク」の関係です。

一方的な要求が通るほど世の中は甘くありません。それは自分が逆の立場になって考えてみた時に容易に理解できるのではないかと思います。

それを、見返りを求めずに「ギブ&ギブ」の精神で何事も望むことが、結局は一番大きな見返りを得ることにつながるというのはアドラー心理学から学んだ姿勢ですが、

ここには一つ大きな落とし穴があることに気がつきます。 相手の望むことをギブし続けるがあまりに、

自分の望みを抑え込み、自分が我慢し続ける構造となってしまってはこれまた違うように思うのです。

「ギブ&ギブ」の精神を実践するに当たって大事なことは「無理しないこと」、

すなわち、自分ができることの中で奉仕をする、ということです。

例えば、意中の人へ自分に振り向いてほしいからといって、自分が自由に扱える金額以上に貢物を贈るのはNGです。

それは無理をしていることに他ならないわけであって、その限度を超えても振り向いてくれない相手とは縁がないと考えるのが妥当だと私は思います。

良きにつけ悪しきにつけ、人には縁というものがあります。

縁がないのに無理に縁を紡ごうとしても、自分も相手も誰も得をしません。それどころかストレスを蓄積し、種々の病へとつながり得ます。

さりとて相手へ贈り物自体を贈ることが悪いわけでは当然ないですし、どこまでが自分が自由に使える金額なのかが明確に定められているわけではありません。

この例では基準がお金なのでまだ具体性がある方ですが、これが例えば「愛情」などと抽象的なものになってくるとなおのこと線引きがわからなくなってきます。

「与えてよい」と「与えすぎてはいけない」との境界線です。

多くの場合、これが見えないから人はしばしば間違ってしまうのではないかと私は思います。

それを踏まえて、縁のある人と良好な関係を築いていくためには、

「自分にできること」をできるだけ明確にしておくことが大事なのであろうと思います。

ここまでは自分にできるけれど、ここから先は自分がすると無理をしてしまうというのを時々振り返ることです。

糖質制限を広める場合にもここが疎かになってしまえば、その試み自体が自分にとってのストレスになりかねません。

自分にできることを精一杯行った結果、事態が変わらないのなら、それは縁がなかったと思うしかないのであって、良い意味で諦めることが大事です。

また相手に良い反応があったとしても、自分にできることを見誤り、いつの間にか無理し続けてしまうことにも注意しておく必要があります。

そんな時は自分のできるギブに応じてくれた仲間達へ、自分がしている仕事を分散し協力してもらうことです。

そうすれば「自分にできること」自体は変わらずとも、仲間と合わせた「集団にできること」としてできることの幅が広がってくると思います。

ただややこしいことに、「自分にできること」は時間とともに変わっていきます。

だから常にアップデートしていかなければならないということです。昨日までは「自分には無理なこと」だったのが、今日から「自分にできること」へと変わっていることだってあるはずです。

過去にうまくいった方法に安穏とするのではなく、

常でない「自分にできること」を見定め続け、ただそれを無理なくギブし続けていく、

そうすれば縁が縁を紡ぎ、自分にとって望ましい世界への礎となってくれるのではないかと私は考える次第です。


たがしゅう
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コメント

No title

2018/08/15(水) 09:33:23 | URL | 栗田三江(くんだみえ) #U7CTLDyk
たがしゅう先生

「自分にできることを無理せずしている」つもりでも、相手が熱心に欲してくるゆえに「無理してない」と錯覚している場合があります。これは私の性格的な問題なのかもしれませんが。

ヒトはヒトに喜んでもらったり、ヒトの役に立っている事を実感すると幸福にかんじます。そんな時こそ、自身が「本当に無理していないか」と冷静に見る事が大切だなあ、と思いました

くんだみえ

Re: No title

2018/08/15(水) 17:17:29 | URL | たがしゅう #P0DVu1cA
栗田三江(くんだみえ)さん

コメント頂き有難うございます。

自分が無理しているかどうかを教えてくれるのはやはり「自分の体調」だと思います。
例えば親がこどもに一生懸命なのは、はたから見ればオーバーワークに見えるかもしれないけれど、当の本人にとっては全然無理はしていないということもあるだろうと思います。こどもの笑顔をみるだけで疲れが吹き飛ぶという話もよく聞きます。

大切なことは自分の身体の声を聞く姿勢であり、それが疎かになるとせっかくの最良のバロメータである体調の異常に気付かずにいつのまにか無理してしまうということも起こりかねないと思います。

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