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パワーポイントに頼らない発表
もはや私も書籍購入を中心に立派なアマゾンのヘビーユーザーです。
20年くらい前のインターネットが出始めの頃、私はこんな未来を予想することはできていませんでした。
今見えているものに着目するのではなく、今見えないけれど潜在的に眠っているニーズに気付くことができる人が時代を創っていくのではないかと思います。
先日いつものように本屋をぶらぶらと歩き回っていたところ、
そんなアマゾンに関する次のような本に目が止まりました。
アマゾンのすごいルール
佐藤 将之
私がこの本を手に取ってみようと思った理由はただ一つ、次のような文章が目に入ってきたからです。
「パワーポイント禁止令」
前々から何となくそうした方がプレゼンが魅力的になるのではないかと思っていたことだったので、
あのアマゾンがそんなルールを作っているのだとすれば、それは非常に私の興味をそそります。
なぜパワーポイントを使わない方がプレゼンが魅力的になるのかについて私はうまく説明することができなかったので、
この本にその私の中の暗黙知を説明するヒントが書かれているかもしれないと思って、思わず衝動買いしてしまいました。
(p209-210より引用)
アマゾンでは、「説明資料は箇条書きにせず、必ず文章形式で書く」というのが基本ルールとなっています。
プレゼンテーションでは、パワーポイントの箇条書き形式で資料を作る企業も多いと思います。けれども、アマゾンではNGなのです。
なぜか?「後からその資料を読み返しても内容がわかるものでなければならない」という考え方があるからです。
パワーポイントの資料を使ったプレゼンテーションの場合、キーワードだけを箇条書きにしているのでわかりやすいですし、
動画などが盛り込まれるとさらに印象的です。
プレゼンテーターは箇条書きの行間を埋めるようにして、話を展開していきます。
うまくハマれば、一体感を作ることができるでしょう。
その一方、「後で困ることが出てくる」とアマゾンでは考えます。
例えば、「出席者ごとに箇条書きの行間の解釈に差異が生まれてしまう」
「プレゼンテーターが話したことを忘れてしまう」「言った、言わないで揉めてしまう」などです。
実は、アマゾンでも初めの頃はパワーポイントを使ったプレゼンが行われていました。そこに〝禁止令〟を出したのは、他ならぬジェフ・ベゾスです。
なぜなら、ジェフ・ベゾスは、社内会議などで1週間に何十もの報告を受ける身です。
そのいちいちすべてを覚えていられるわけはありません。
資料を読み直してみるものの、「何を言いたいのか、よくわからない」と腹を立ててしまったのです。
そこで、2006年頃だったと思いますが、「パワーポイントのアニメーション作りなんかに時間をかけるな。すべて文章形式で書くように。
その資料を読んだだけでわかるようにしろ」となったわけです。
(引用、ここまで)
つまりこういうことでしょうか。
パワーポイントを使うことそのものが悪いのではなく、
「後で読んだ時に意味がわからなくなりやすい箇条書きの資料を作らないようにするためにパワーポイントを使うな」ということのようですね。
確かにパワーポイントを使うと、
限られた画面の大きさに対して聴いている人が読みにくくならないように、
要点を箇条書きにしてまとめた資料を作りがちです。
そしてプレゼンではその箇条書きの説明不足を補うようにプレゼンテーターは語るものの、
プレゼンテーターはそれをあたかも講演メモのように利用してしまい、
プレゼン当日、聴衆ではなくプレゼン画面を見てプレゼンをしてしまうという、いまいち熱意が伝わって来ないプレゼンとなりがちです。
だからプレゼンと説明資料を明確に分けるために、
プレゼンと配布資料を一致させがちなパワーポイントを使うなということなのでしょう。さすがは時代の先を行くアマゾンです。
しかし逆に言えば、後で読んでみて作成者の意図がわかる資料を作れているのであれば、
パワーポイントを使って資料を作ってもよいという話になると思います。
そのために利用するのは簡潔明瞭な文章であり、それを作る作文能力が大事だということが引用文の後には書かれています。
そして実際のプレゼンでは、作成した文章中心のパワーポイントを読み解いていくプレゼンをするのではなく、
資料作成に際して頭の中で整理されてきた自分の想いを聴衆の方に向けて心を込めて伝えようとすることが大事なのではないかと思います。
本日は静岡にて本格的講演挑戦の第2回目です。
前回の反省も生かしつつ、心を込めてお話させて頂こうと思います。
たがしゅう
コメント
No title
今日はありがとうございました。
鹿児島での講演会も勉強になりましたが、今回は先生の工夫も感じられ楽しくお話を聞かせていただきました。
先生が全身で説明してくださり、笑いもおきたりととても和やかな雰囲気でしたが内容はしっかりと伝わってきました。
残念ながら大阪の講演会には行けませんが
次回も楽しみにしています。
2018-05-13 17:30 大橋 和代 URL 編集
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
また鹿児島、静岡講演会の両方に御参加頂き深謝申し上げます。
鹿児島の時に比べれば皆様笑って頂いて何よりでした。
これからも様々な場で経験を積み、よりよく想いを伝える努力を繰り返していきたいと思います。
今後とも応援宜しくお願い申し上げます。
2018-05-13 18:51 たがしゅう URL 編集