生化学も解釈次第で理論が変わる
2018/04/18 00:00:01 |
お勉強 |
コメント:12件
以前からある意味で非常に興味をそそられていた本があります。
それは、崎谷博征(さきたに ひろゆき)先生が書かれた「糖尿病は"砂糖"で治す!」という本です。
糖尿病は砂糖で治す! (健康常識パラダイムシフトシリーズ3) 新書 – 2017/9/21
﨑谷博征 (著)
崎谷先生の肩書は総合医とか、脳神経外科専門医とか、ロイヤルホリスティックカウンセリング院長とか、いろいろありますが、
パレオダイエット(paleolithic diet:「旧石器時代の食事」の意)と呼ばれる農耕・牧畜が開始される前の時代をモチーフにした食事療法を推奨されている先生です。
具体的には魚介類、鳥類、小動物、昆虫、卵、野菜、キノコなどの菌類、根菜、ナッツ類を中心に食べ、
自然界から容易に入手できなかった穀物、豆類、乳製品、芋類、食塩、砂糖、加工油は原則避けるという食事療法になります。 「それって糖質制限食じゃないの?」と思えるような食事療法ですが、
そのパレオ食を推奨されている崎谷先生が「糖尿病は砂糖で治す」という糖質制限推進派医師としては俄かに理解しがたいタイトルで本を書かれていたので、
はたしていかなる内容が書かれているのかと、いつものように批判的吟味の姿勢を持ちつつ読み進めてみました。
読んでみて、まず引用している文献の数の多さに驚きました。
しかも1862年という古い時代のものから2017年と最近のものまで幅広く、全部で272の文献が引用されています。
これだけ多くの文献を引用して糖質制限批判を展開する人は私の知る限り他にはいません。その点においては凄いと思います。
ただしそうやって得られたメインの主張について私はあまり同意することができません。
端的に言って、「生化学での事象を自論に都合が良くなるように強引に当てはめている」という印象を持ちました。
言い換えれば、生化学は使いようによってはこのような誤誘導に使われうるのだという危うさも感じた次第です。
かつてないほどのボリュームで展開される糖質制限批判で、この本の主張の一つひとつに反論を述べるのは大変骨が折れる作業となりますが、
せめてその主張の骨子部分についてだけでも、私の見解を記しておきたいと思います。
まずは崎谷先生の主張のメインと思われる部分を本から引用してみます。
(p34-40より抜粋して引用)
(前略)
細胞および細胞と相互作用している周囲の環境をひっくるめて生命場(life field:ライフフィールド)と呼びます。
細胞の状態を安定させてその機能を成熟させる健全な生命場をとくに「健康の場(healthiness field:ヘルスィネス・フィールド)」と名付けています。
その一方で、生命場には細胞を不安定化させ、その機能を低下させる場もあります。そのような場を「病気の場(sickness field:シックネス・フィールド)」と名付けています。
健康の場(ヘルスィネス・フィールド)の特徴は、エネルギー代謝が滞りなくスムーズに流れていること。
細胞レベルでみると、ミトコンドリアで電子の流れが最後の酸素に受け渡されるまでスムーズに流れている場です。
健康の場(ヘルスィネス・フィールド)では、エネルギーの源は糖(グルコース)あるいは果糖(フルクトース)です。
このエネルギー源である糖、果糖が完全燃焼されて、最終的に多大なエネルギー(ATPといいます)と二酸化炭素(CO2)および水が産出されます。
(中略)
さて、「糖の完全燃焼」で作り出される二酸化炭素(CO2)は特に健康の場を形成・維持さらには発展させていくのには必須の物質です。
二酸化炭素(CO2)の生命場維持作用は、組織に酸素を届ける(ボーア効果といいます)、細胞内外のミネラルバランス、タンパク質のアルデヒド結合のブロック、鉄によるフリーラジカルズ産生抑制、リーキーガット(腸管漏出症候群)の防止、血管拡張作用、細胞内の酸化状態のキープなど、多岐にわたります。
したがって、細胞内二酸化炭素(CO2)を減らすような酸素(炭酸脱水酵素:Carbonic anhydrase)をブロックして、細胞内CO2濃度を高める治療がガン、緑内障や神経変性疾患などに有効であることが報告されています。
(中略)
一方の病気の場(sickness field:シックネス・フィールド)では、糖は不完全燃焼に終わってしまうか、あるいは糖以外の脂質(脂肪酸)、タンパク質(アミノ酸)を燃料としています。
糖の不完全燃焼ではエネルギー(ATP)は完全燃焼の場合のたった7%しか得られません。さらに不完全燃焼の最終産物として乳酸という毒性物質が蓄積します。
乳酸はそれ自体が糖のエネルギー代謝をブロックして、シックネス・フィールド(病気の場)を形成する中心的な役割を果たします。
脂肪やタンパク質を材料にした場合も同じく、後述するように糖のエネルギー代謝をブロックしてシックネス・フィールド(病気の場)を形成していきます。
とくに脂肪を燃料として燃焼させるとエネルギー産生所でかつ健康の場の中心であるミトコンドリアが死滅することが分かっています。
(引用、ここまで)
糖を完全燃焼する「健康の場(healthiness field:ヘルスィネス・フィールド)」、
糖が不完全燃焼となる「病気の場(sickness field:シックネス・フィールド)」という独自の概念を持ち出され、
糖を完全燃焼させるために必要なのはグルコースとフルクトース、だから双方が入った砂糖(スクロース=グルコース+フルクトース)は健康に良く、糖を完全燃焼させるので糖尿病を治すという主張だと思います。
ただこの完全燃焼、不完全燃焼という概念が私にはいまいちピンと来ません。
「糖の不完全燃焼ではエネルギー(ATP)は完全燃焼の場合のたった7%しか得られません」とありますが、
たくさん引用文献が示されていながら、なぜかここには根拠論文が存在しません。一体どこから出てきた7%という数字なのか。
脂質代謝で産生されるATPをカウントしていないのだとすればフェアではないですし、糖代謝で産生されるATPは計算できても、
脂質代謝で産生されるATPは脂肪酸の種類によっても全然変わってきます。
例えばパルミチン散なのかオレイン酸なのかリノール酸なのかでも産生されるATPの量は変わってくるので計算するのは難しく、一概に数値に落とし込むことはできないはずです。
それから二酸化炭素が良い物質のように扱われていますが、
そんなに良い物質であればなぜ呼吸によってわざわざ体外に排出するシステムが人体に備わっているのでしょうか。
確かに本書の中では、二酸化炭素が良い物質である事を示す様々な根拠論文が提示されています。
しかしそれは二酸化炭素単独の効果というよりも二酸化炭素も含めた細胞内環境における適切な酸-塩基平衡バランスによる好ましい効果を指しているのであって、二酸化炭素だけのおかげではありません。
それにCO2ナルコーシスという二酸化炭素が溜まり過ぎて意識障害や呼吸停止をきたす病態もあります。
従って、二酸化炭素が最高の良薬だという見方は恣意的だと私は感じます。
また二酸化炭素を減らす作用を有する炭酸脱水酵素を阻害することがガンや神経変性疾患を治す画期的的な薬のような書き方もされていますが、
これも単に実験的にそういう可能性が示された文献を引用しているだけであって、
実際には炭酸脱水素酵素阻害薬はすでに臨床でも使われていて、主として緑内障やメニエール病など微小循環が滞った場所での利尿作用を有することで症状の改善効果を発揮しますが、
副作用として口渇、電解質異常、代謝性アシドーシスなどをきたしえます。決して夢の薬ではありません。
また糖が不完全燃焼である事を示す現象として乳酸の蓄積を挙げ、
乳酸が毒性物質かのように述べられていますが、この見方も大変恣意的です。
糖が燃焼できずに乳酸が溜まるのではなく、糖代謝メインから脂質代謝メインに切り替わることで乳酸からコリ回路を通じて糖新生を駆動させるように代謝が切り替わっているだけのことであって、
決して乳酸は毒性物質というわけではありません。
最後に「脂肪を燃料として燃焼させるとエネルギー産生所でかつ健康の場の中心であるミトコンドリアが死滅する」という聞き捨てならない文章についてですが、
この記述の根拠として引用されていた論文を読んでみると、
「活性酸素などによってリン脂質が過酸化を受けると、シトクロムcというミトコンドリアの電子伝達系の構成成分が細胞質に放出されて細胞がアポトーシスを起こす」という実験結果が示されていました。
脂肪酸が燃焼することが悪いとはどこにも書いていませんし、
実際には脂質代謝メインの時にはケトン体による抗酸化作用が活性酸素の有害性を弱めてくれている側面があることを忘れてはいけません。
それにもし仮に「脂肪を燃焼すればミトコンドリアが死滅」が正しいとしたら、ケトーシスを示している赤ちゃんは生まれる前からすでにミトコンドリアが死滅しているという奇妙な話になってしまいます。
このような感じで論理が展開されている本で、よくここまでまとめあげたものだと感心しましたが、
それでも私の中での論理がブレることはありません。
ただし、部分的に参考となる箇所もありましたし、この本に反論すること自体も自分の頭で考える良い訓練になります。
量が膨大なので全ての反論を記載することは難しいかもしれませんが、
今後もできる範囲で内容を検証していきたいと思います。
たがしゅう
Author:たがしゅう
本名:田頭秀悟(たがしら しゅうご)
オンライン診療医です。
漢方好きでもともとは脳神経内科が専門です。
今は何でも診る医者として活動しています。
糖質制限で10か月で30㎏の減量に成功しました。
糖質制限を通じて世界の見え方が変わりました。
今「自分で考える力」が強く求められています。
私にできることを少しずつでも進めていきたいと思います。
※当ブログ内で紹介する症例は事実を元にしたフィクションです。
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コメント
No title
独自の用語も妄想チックですし、ボーア効果はヘモグロビンと酸素の解離に関するものですから癌細胞内の二酸化炭素濃度は関係ありませんね。それらしい言葉をまったく違う状況で使う、明らかに疑似科学のトンデモ本で、先生ほどの方か煩わされるのは時間がもったいないです。
Re: No title
ボーア効果というのは調べればすぐわかりますが、
酸素とヘモグロビンの結合具合が、温度やpHなどの条件で変化する事をいいます。
二酸化炭素が増える場合には、酸性によりpHが低下し、酸素とヘモグロビンは結合しにくくなります。
よって「二酸化炭素があれば酸素を組織に運びにくくなる」という事を意味するのであって、引用文のように「組織に酸素を届ける(ボーア効果)」というのは誤った引用だと思います。
この本の内容が膨大なので、検証にあまり多くの時間を割くことはできませんが、せめて要所だけでもきちんと反論しておきたいと思っています。
難しく考えすぎない
それでもなんとなく理解できたのは、崎谷という医師が「サクロースは体に良いと主張していて」「世の糖質制限風潮に待ったをかけている」程度ですが、そこまで画期的な内容ではないという印象です。
糖質制限推進派は「糖質を取りすぎている現代人に糖質を減らしましょう」と投げかけているだけで、決して糖質をゼロにしなさいとは言っていませんよね。
反対に崎谷医師はまるで「糖(サクロース)が身体の不調を治す特効薬」のような極端な主張をされています。
食の多様化で食材のエントロピーの増大化が進みすぎているといいますか、無駄に食べている方が多いことが病人を増やしている最たる要因です。
そこに糖質制限は「増大する「傾き」を緩やかにしましょう」ということですよね。
打って変わってこの本では、「プラスで治す」というサプリメントの原理です。
やはりたがしゅう先生のお考えに改めて賛同した次第です。
Re: 難しく考えすぎない
コメント頂き有難うございます。
糖、特にグルコースが重要な物質であるということは糖質制限推進派も異論のない所です。
しかしそれを外部から大量に摂取することの不自然さに注目した際に、それをセーブすべきだという考えを推奨しているのが糖質制限推進派の基本的な姿勢だと思います。
それに対して崎谷先生の「糖は重要」の考え方は、外部からの糖質も含めて広く「糖は重要」と捉えている所に私達の考えと大きな違いがあります。そして外部も含めて糖が重要という考えを成立させるために古今東西あらゆる文献のデータを利用して一冊の本に仕上げておられるわけですが、前提に無理があるので私に言わせればほころびだらけの理論です。
外部から糖質を摂取すればドーパミン神経を通じて多幸感を生じ、疑似ストレス反応によって一時的にはストレスが和らぐ感じがするので、変に感覚に従えば「糖は重要」の考えへとミスリーディングされてしまいます。そうなってしまう気持ちもわからなくはないですが、仮にそう考えたとしてもそれならば糖質制限であらゆる疾患が改善に向かう事実、ケトン食ががん抑制的に働く事実、胎児の時点でケトン体高値の事実が説明できないという矛盾に気付く必要があります。それらの事実を無視したまま「糖は重要」だと主張し続けているのだとすれば、視野が狭いと言わざるを得ません。
真に正しい理論はどこから突っ込まれても隙がないものだと思います。逆に突っ込まれる場所が多い理論は、どこかが間違っているという可能性を考えるべきだと私は思います。
2013年9月13日(金)の本ブログ記事
「実体験から考える時の落とし穴」
http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-17.html
も御参照下さい。
No title
崎谷先生の本はインパクトがあり、
前々から興味を持っていましたが、
「警戒心」から読んだことはありません。
乳酸を毒物扱いされていることで、
他の内容についても懐疑的になりました。
引用文献の数が多ければ良いというものではないです。
現代では間違いが認められた文献の情報も、
紛れ込んでいるのではないかと心配になります。
信頼性できる文献を選択する事にこそ、
価値があると思います。
Re: No title
コメント頂き有難うございます。
> 引用文献の数が多ければ良いというものではないです。
同意見です。
確か神戸大学の岩田健太郎先生も「書籍における引用文献の多さが文章の信頼性を増す」という趣旨の事を書かれていたように思いますが、私はむしろ逆になってしまっている現状があると思います。
2015年2月26日(木)の本ブログ記事
「エビデンスにこだわりすぎる思考」
http://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-587.html
も御参照下さい。
それは何故なのか、後ほどブログ記事で考察させて頂きます。
崎谷先生の本に影響を受けた先生方です。福田先生もその一人だったように思います。
Re: タイトルなし
コメント頂き有難うございます。
「糖尿病は砂糖で治す」という本を読む限り、崎谷先生の理論は一見まとまっているように見えて強引な解釈の所が散見されているように私は思います。ですが糖質制限の継続をストレスに感じ、糖質摂取による代理ストレス反応で恩恵を感じられる人は魅力的な理論に映るということなのかもしれません。
乳酸は糖質の摂り過ぎ?
>「糖の不完全燃焼ではエネルギー(ATP)は完全燃焼の場合のたった7%しか得られません」
これは、グルコースの代謝がミトコンドリアまで進むと合計30ATP作られる説から導き出した数字だと思います。
2ATP÷30ATP=0.067≒7%
そして、「糖の不完全燃焼」は、解糖系しか使えなかった結果、乳酸が生じたということでしょうから、酸素供給が追い付かないほど激しい運動をしたか、酸素供給以上の糖質を摂取したかのどちらかになるのではないでしょうか?
結局、多量のグルコースの処理に困った結果の乳酸発酵だと思うのですが。
Re: 乳酸は糖質の摂り過ぎ?
コメント頂き有難うございます。
> >「糖の不完全燃焼ではエネルギー(ATP)は完全燃焼の場合のたった7%しか得られません」
> これは、グルコースの代謝がミトコンドリアまで進むと合計30ATP作られる説から導き出した数字だと思います。
> 2ATP÷30ATP=0.067≒7%
なるほど。数字的にその可能性はあるかもしれませんね。
しかし、もしそうだとすれば、糖の不完全燃焼とは要するに「嫌気性代謝(酸素を使えない状況の代謝)」のことであり、糖の補充が解決策ということには原理的になり得ません。
正しい解決策は、酸素を取り込める環境を整えること、血流を改善したり、自律神経を整えて呼吸を効率化したり、筋肉の耐久性を高めるなど行為になってくると思います。
御指摘のように摂り過ぎた糖を筋肉で処理できるキャパシティを増やすことも解決策の一つになると思います
Re: 乳酸は糖質の摂り過ぎ?
返信ありがとうございます。
> しかし、もしそうだとすれば、糖の不完全燃焼とは要するに「嫌気性代謝(酸素を使えない状況の代謝)」のことであり、糖の補充が解決策ということには原理的になり得ません。
そうですよね。
糖を摂取すればするほど、
1.グルコース→ピルビン酸→乳酸
2.グルコース→ピルビン酸→アセチルCoA→脂肪酸
の2通りの代謝が起こりやすくなるはずですから、糖を完全に酸化して二酸化炭素と水に持っていくのが難しくなると思います。
そもそも、アセチルCoA以降の反応はグルコースだろうが脂肪酸だろうが同じですから、アセチルCoAを酸化してしまえば、その前が何であったかを考えることに意味はないと思います。
Re: Re: 乳酸は糖質の摂り過ぎ?
コメント頂き有難うございます。
糖を摂取する事で分泌が刺激されるインスリンが代謝を同化方向に傾ける事によって、
エネルギーは基本的に貯蔵傾向へ優位に働く側面があると思います。
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