共感が笑いを生み出す

2018/04/12 00:00:01 | ふと思った事 | コメント:0件

先日糖質制限講演会の講師をして一つ思ったのは、

講演で笑いを取るというのはとても大事だけど、とても難しいということです。

私は大きな講演会での初講師ということもあって、緊張で笑いを取る余裕が全くありませんでした。

対して第二部の江部先生の講演では、ところどころに笑いが生まれ、終始なごやかなムードで講演が繰り広げられました。

次回以降は単に自分の想いを伝えるというだけでなく、聞いてくれる人に心地よく聞いてもらえるよう工夫しようと考えた次第です。

そんな中、先日当直をしている時にたまたま見ていたNHK Eテレの番組で「芸人先生」というのがありました。

お笑い芸人の方がビジネスマンに対してお笑いの技術を応用してビジネスに役立つコツを講義するという内容の番組です。
私が見ていた時の回に講師として出演していたのは、漫才ナンバーワンを決める年末の大会「M-1グランプリ」で2年連続2位という好成績を残し、

今人気沸騰中のお笑い芸人コンビ「和牛」のお二人でした。

ボケの水田信二さんと、ツッコミの川西賢志郎さんのお二人から成る和牛ですが、年齢は私とさして変わりがないお二人です。

この番組でお二人が教えるビジネスで役立つコツも素晴らしかったのですが、

まず観ていて感じたのは、お二人の声が非常によく通るということです。

同じくらいの人生の時間を生きてきたはずなのに、その舞台慣れ感というか安定感たるや相当なもので、

これは一重にお二人がこれまでお笑いの舞台に立ち続け、観客をいかに楽しませるかということにこだわり続けてきた成果が、

ネタの内容や技術だけに留まらず、その立ち居振る舞い、醸し出す雰囲気、声の調子や声量、抑揚などあらゆる部分に現れていると感じました。


本題に入りますが、お二人が話されていたビジネスでも役立つコツというのが「ありのままを大事にする」ということでした。

なんだかタモリさんが言っていたことにも通じるような話ですが、

ありのままを大事にするために、①正直であること②感情を載せること、という2点を強調されていました。

和牛の漫才はボケの水田さんが、ツッコミの川西さんに細かい事をちまちまとしつこく指摘し続けて、それを川西さんが必死に訂正し続ける「ヘリクツ漫才」というスタイルが現在の主流となっているようなのですが、

それによってなぜ笑いが生まれるかという事について、上述の2点を大事にするが故に共感が生まれるからだと言うのです。

例えば和牛のネタの一つに、彼女に扮した川西さんが水田さんに手料理を振舞おうとするも、

料理人としての経験があるから自分が作った方がおいしいと拒む水田さんと川西さんが次第に口論となりヒートアップしていくというネタがあります。

それは水田さんの立場で正直に言っており、川西さんの立場でも正直に腹が立っていて、

違いに正直どうしをぶつけ合っているから感情が乗ってくるし、話のストーリーに矛盾が生まれず共感されやすい、だから笑いが生まれるということだとお二人は解説されていました。

和牛のネタが面白いという事は漫才を見ていて感じてはいましたが、

それがここまで緻密に真面目に考え悩み抜いて計算されて編み出されたものだったこと、

それを語るお二人の様子をテレビで見ていて、和牛のお二人の新たな魅力が見えたような気がしました。

それこそ表面的な漫才だけでは見えてこない本質的な部分が現れたからではないかと私は思います。

この考えはビジネスでも応用できます。例えば「むやみに自社製品を賛美せず、他社製品の良い所があれば正直に思う通りに言う」ということです。

そうすることで話に矛盾が生まれませんし、営業をかける時に相手から共感が得られ信用してもらいやすくなります。

矛盾が生まれないという事はとても大事だと思います。

和牛のお二人の講義を聞いていて、私は自分のブログ運営にも通じる所があると感じました。

私は日々の思考は基本的に正直に自分の気持ちを書くように心がけています。

間違っていると思う話を聞けば、たとえ相手に嫌われるリスクがあったとしても、自分の主張に矛盾を生じさせないために反論をします。

そうやって正直な気持ちを記事にし続けることで、矛盾なく過去の記事とリンクさせることができ、1本の太く大きな思考の樹を育てているつもりです。

だから自分で言うのもなんですが、他人に共感してもらうための基本は遵守できているのではないかと思います。

あとは共感をどうやって笑いにつなげるかということですが、

和牛のお二人の漫才をお手本にして、自分の講演にも何か活かせないか考えてみたいと思います。

人を笑わせるという技術は人が織りなす高次脳機能の中で最も高度なもののひとつではないかと私は考えています。

それをさらっと成し遂げる人を羨ましく思うと同時に、

自分もあきらめずに笑いのテクニックを自分なりに磨いていきたいと思います。


たがしゅう
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